2017年10月15日

今日は年に一度の宅建士試験の日、ということで再び資格の話

バブル崩壊後は受験者数が減少していたが、ここ数年は増加傾向で、今年は一般申込者が205,581人、講習修了者(5問免除)が53,010人、合計258,591人(速報値)が受験する。私が受験した平成元年は約18万人で、5問免除なんて制度も無かった。この数字は以前の大学入試のセンター試験受験者より多い。

宅地建物取引士・・・、ご承知のように以前は宅地建物取引主任者という名称で、最近になって士業の仲間入りを果たした「不動産屋を開業したり営業するために必須の資格」である。これ一つあれば業界では事足りるのだが、最近は「そんな資格、要らんでしょ!?」と言いたくなるような訳の分からない資格が乱立気味。

以前に「乱立気味の不動産関連の資格あれこれ」という記事を書いているが、こんな資格も出た。

どんな資格かと言うと・・・・・・・・・、「空き家相談士」、である。

当然に国家資格ではないが名前からは「士業」のように見えて紛らわしい。まあ、空家数820万戸という今の時代が求めている資格、と言えなくもないが、私からすると「なんだか怪しい資格」に思える。

HPによれば、

空き家の利用・活用・管理及び除却に関し、必要な知識の普及、調査研究、対策事業の推進を行い、空き家問題の解決に努めるとともに、会員の相談業務の技能と資質の向上を図って、全国ネットワークを形成し、会員相互の協力と連携により、ビジネスの振興を実現し、公共の福祉の増進と社会の発展に貢献することを目的に設立をいたしました。 一般社団法人 全国空き家相談士協会

と、尤もらしい御託を並べていることで怪しさは倍増する。資格を作った目的も違うと思う。と言うのも、2日間の「空き家相談士認定講座」の受講料が5万円。試験合格後には登録料が2万円もかかるし、2年毎に更新しなければならないとのこと。普通は5年更新だろが。たとえ合格したって名刺に書けるか、そんな資格名。持っていても名乗るほうが恥ずかしくなるような資格名である。どうせ「試験とは名ばかりのもの」だろうし。

私が昨年受験した賃貸不動産経営管理士だって、(私は受けなかったが)4問免除の講習会が17820円、受験料が12960円、合格後の登録料が6480円で、それでも「たっけえ・・・!」と驚いたもの。ボッタクリもいいところで、これが資格ビジネスでなくて何であろうか ( `ー´)ノ

その「不動産業に関わる資格」・・・、さらに増えていた。以下に列挙するが・・・、正直なところ、ブログを開設して14年と半年、今までで最も面倒臭い記事になった。旅行記なんかで写真を貼るのは楽なもの。これだけ数が増えた不動産業関連の資格にいちいちリンクを貼る作業は気が遠くなる、ほんと。ではあるが、今後、自分に合った(必要な)資格を取ってキャリアアップしたい人には後々参考にはなるかも。


【不動産の主要な資格】
宅地建物取引士 一般財団法人不動産適正取引推進機構
不動産鑑定士 (公社)日本不動産鑑定士協会連合会
マンション管理士 (公財)マンション管理センター
管理業務主任者 一般社団法人 マンション管理業協会
土地家屋調査士 法務省

土地改良換地士 農林水産省     
土地区画整理士 一般財団法人 非営利型 全国建設研修センター 
                                                
以上が国家資格とされているが、下の二つは一般には馴染みが薄い。私の親友が大学を卒業して市役所の職員になった際、最初に配属されたのが「土地改良課」だったと記憶しているので電話して訊いてみたら、「その頃からそういう資格はあったと思うけど国家資格になったのは最近かも」「課に一人有資格者がおれば良かったもんで、うちの課には専門で採用したのが二人おって、そいつの資格で皆が仕事できた」とのこと。不動産屋みたいに「宅建士が5人に一人必要」ではないのがお役所的 (^◇^)

【コンサル系の資格】
不動産証券化協会認定マスター 一般社団法人 不動産証券化協会
再開発プランナー 一般社団法人 再開発コーディネーター協会
ホームインスペクター NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会
公認 不動産コンサルティングマスター (公財)不動産流通推進センター
宅建マイスター (公財)不動産流通推進センター 
不動産キャリアパーソン (公社)全国宅地建物取引業協会連合会
不動産戦略アドバイザー NPO法人 日本不動産カウンセラー協会
不動産カウンセラー NPO法人 日本不動産カウンセラー協会
不動産アドバイザー NPO法人 住宅産業推進協議会
不動産アナリスト (公社)全国宅地建物取引業協会連合会
太陽光発電アドバイザー NPO法人 日本住宅性能検査協会
任意売却取扱主任者 一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会
住宅建築コーディネーター 一般社団法人 住宅建築コーディネーター協会 
既存住宅アドバイザー 首都圏既存住宅流通推進協議会
定期借地借家権プランナー NPO法人 首都圏定期借地借家権推進機構
不動産投資アドバイザー 株式会社週刊住宅新聞社 

【営業系の資格】
不動産仲介士 NPO法人 日本レジデンシャル・セールスプランナーズ協会
住宅ローンアドバイザー 一般財団法人 住宅金融普及協会
競売不動産取扱主任者 一般社団法人 不動産競売流通協会
住宅販売士補・住宅販売士 一般社団法人 全国住宅営業認定協会
リフォーム提案士 一般社団法人 全国住宅営業認定協会 
⇑ これなんか、「何でも『士』を付けりゃいい、ってもんじゃないだろ!」と言いたくなる。

【管理系の資格】
マンション管理員検定 一般社団法人 マンション管理員検定協会
ビル経営管理士 一般財団法人 日本ビルヂング経営センター
賃貸不動産経営管理士 一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会
管理業務主任者 一般社団法人 マンション管理業協会
区分所有管理士 一般社団法人 マンション管理業協会
補償業務管理士 一般社団法人 日本補償コンサルタント協会
敷金診断士 NPO法人 日本住宅性能検査協会
敷金鑑定士 日本敷金鑑定士協会
社会保険労務士 全国社会保険労務士会連合会    これは国家資格

【相続関連】
相続士 日本相続士協会
相続診断士 一般社団法人 相続診断協会
相続カウンセラー 一般社団法人 日本相続コンサルティング協会

【他にも、こんな資格が】
シックハウス診断士 NPO法人 シックハウス診断士協会
地盤品質判定士 地盤品質判定士協議会
屋上緑化コーディネーター(旧称・スカイフロントコーディネーター) NPO法人 屋上開発研究会
古民家鑑定士 一般財団法人 職業技能振興会 
地盤インスペクター 一般社団法人 地盤安心住宅整備支援機構
不動産流通実務検定 (公財)不動産流通推進センター (これは資格試験ではない)

この45資格に今回の「空き家相談士」が加わる。一昨年の記事時点の倍以上にもなっている。他にも、FP(ファイナンシャルプランナー)とか2級建築士、インテリアコーディネーターなど、宅建士が持っていると役に立つ資格もあるし、私が知らないだけでもっと他にも有るのかも知れない。

「ネーミングも内容も被っている」資格もある。社会や不動産業者や従事している社員のためを思って、でなく、資格ビジネスで一儲けしようと民間団体が勝手に作った資格みたいなのもある。ハッキリ言って、三流役人の天下りの受け皿目的に成り下がっている団体もありそう。

資格が無くても出来る、つまり「そんな資格なんか無くても何の問題もない」資格がほとんど。宅建士の資格ひとつ持っていれば事足りる。宅建士を持っているなら「不動産仲介士」も「住宅販売士補・住宅販売士」も要らない。もしかして、宅建に何度も落ちている人向けに用意した(足許を見た)資格かも。

資格を取るために勉強して、そのことで他の人より専門的な知識がある、と認めてもらえるかも知れないが、私の仲間には宅建士の資格を持っている私より遥かに実務に詳しい無資格者がいる。名刺にいっぱい肩書を並べれば良い、という話でもない。再度言うが、現状では宅建士だけあれば何も困らない。

以前も書いたけど、「不動産業者として何をしたいのか、そのために最低限必要な資格はどれなのか」、宅建業協会が会員業者に(正直に)伝えるべきではなかろうか。無駄なカネと手間暇を掛けさせないために。

posted by poohpapa at 06:39| Comment(2) | 不動産業界(全般) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする