アメフトの日大選手による(いわゆる)「殺人タックル」の報道を見ていて、素朴な疑問が・・・。
日大の監督は、なぜ自身が全ての責任を負って選手を護ろうとしないのか、ということ。
指導者でも責任者でもあるのだから、たとえ本当に「潰せ」という指示を出していなかったとしても、「今回の行為の全ての責任は私にある」と言うのが当たり前。だいたいが、当然にルールを知っている選手が、ボールを持っていない相手チームの選手に理由なくタックルする、とは考えられない。直前に自分がラフプレーを受けた報復というならまだしも、一歩間違えば半身不随、死亡することも有り得る危険なスポーツなんだし。
ここで明確な回答をせず雲隠れしていたのなら尚のこと「監督の指示だった」と疑われかねない。いや、そう見て間違いないだろう。ここんとこ、指導者による不祥事が相次いでいる。そんなのは昔からあって今まで表に出なかっただけなのか、最近になって指導者の質が悪くなったものか・・・、私は後者のような気がする。
その昔、こんな話を何かで読んだことがある。私が中学か高校時代の話なので、たぶん戦前の出来事だと思う。ある高校の校長宅に政治活動をしていて警察に追われていた生徒が逃げ込んできて、そこに警察官が来て「身柄を引き渡すよう」要求したら、校長は「本校の生徒に限ってそのような者はいない」と言って断固身柄の引き渡しを拒んだんだとか。校長も左翼思想だったから、というのではなく、その逆。それでも自らの立場が悪くなる可能性も顧みず生徒を庇ったという・・・。昔はそんなふうに気骨のある指導者がいたようだ。
スポーツの世界に限らない。うちらの業界でも「何かあったら私が責任を取る。思い切ってやってみなさい」と言える人物はいない。ちょっと追及されたら「やったのはアイツです」と言いかねない。
日本人の気質、民度は(悪く)変わった・・・。原因は、教育と、その後の躾にある、と思う。