2019年05月28日

家主さんと入居者さんから頂いたお心遣い

ご縁があって、うちの店から1時間くらいの距離にあるアパートを長く管理させて頂いている。

そちらの入居者にご高齢の姉妹がいらっしゃって、当社まで更新の手続きにおみえになることができない。妹さんはお越しになれるが、お姉さんの介護をなさっているから半日も家を空けられないのだ。

そんなのは承知しているので、いつも「私のほうから出向きますよ」と言って私がお伺いしている。昨日、更新の手続きをして頂くために伺ったのだが、帰りがけに「バームクーヘンはお食べになりますか?」と訊く。ということは、もう用意がしてあるということなので、「はい、食べますよ」と言って有り難く頂戴して帰った。「この暑いのにこんな遠くまで出向いてもらって・・・」と仰るが、それも私の仕事。

うちの管理物件で一番遠いのは北区志村三丁目の物件で片道1時間半。片道1時間くらいの物件なら他にもあるし、立川市内の物件のほうが少ないくらい。車が無くなってしまっていても、そんなのは苦にならない。

正直、片道1時間の距離でも全く苦にならないケースもあれば、片道10分でも苦痛に思える相手もいる。こちらの苦労をよく解かってくれていれば「喜んで伺わせて頂きます」になるもの。「あたしは動けないんだから、そっちから来てくれたっていいじゃない?」と言って毎月家賃を集金に来させる老婦人もいる。「やってくれて当たり前」と思われたら「お役に立ちたい」と思わなくなるのが人情。まして、1年前の更新料も「あたしだって払いたいのよ。でも無いんだからしょうがないじゃない」と、まだ全額払ってもらっていない。その老婦人の友人からは「ほんとはタンス預金があるのよ」と聞いているのだが。

他にも、もう退去したけど、更新契約の手続きにけっして当社に来ることなく「そっちから来てくれるんでしょ」と言ってマンションまで私を呼びつける入居者がいた。元通産省の高級官僚で、いわゆる上級国民である。あ・・・、「上級国民」、今年の流行語大賞にノミネートされたりして (^◇^)


で、老姉妹のお宅に伺った際に、すぐ近くにお住いの家主さんのお宅にも伺い、契約書にご署名と押印を頂いたのだが、やはり「暑いのにわざわざ来て頂いて・・・。食事でもお連れできるといいのですが今はできないので・・・」と仰って封筒を私に渡そうとなさる。辞退したのだが、「いいから取っておいてよ」と仰る。昼飯代どころじゃなく福沢諭吉が透けて見えていた・・・。なんだかとても申し訳ない思い。

以前は大企業の取締役をなさっていたが、とても謙虚でいらっしゃって、管理会社の苦労やリフォーム業者の苦労まで実によく解かってくださって、それは奥様も同じ。もう15年ほど前の話だが、12月の上旬に貸家の入居者が退去して、中を相当に荒らされていて、リフォーム代金が200万も掛かることになり、工事は年を跨いだのだが、家主さんが「職人さんを何人も雇っているのに入金が年を越してからじゃ辛いだろうから」と、本来はリフォーム終了後に内容を確認してもらってから代金をお支払い頂くのだが、年内に半分の100万を振り込んでくださった。そこまでお気遣いくださる家主さんは珍しい。

実は、有り難いことに、そんなふうにお気遣いくださる家主さんや入居者さんは他にもいらっしゃって、そうでなければとっくにこの業界から足を洗っていると思う。「ふざけるな、やってられるか!」と卓袱台をひっくり返したくなることのほうが圧倒的に多いのだから。私は、10年以上も辛抱できるほどに気が長い面と凄く短気な面を持っていて、それは相手と事柄によりけり。ま、この仕事は短気だと務まらない。

嫌な奴もいるけど、間違いなく言えるのは、私はつくずく「人に恵まれている」ということ。逆に、もしも私と付き合っている人が「私は人に恵まれている」と思ってくださったならそんな嬉しい話はない。


家主さんに、「有り難く頂戴して、うちのと食事させてもらいます」とお伝えしたが、家に帰って、うちのに事情を話して、「これ、あなたのお小遣いにしてもらっていいよ」と渡した。私は臨時収入があったりすると、自分のポケットに入れて黙っている、なんてことは絶対にしない。うちのみたいな専業主婦はヘソクリなど作りようがない。投資の才覚でもあれば話は別だろうけど、少なくとも私よりかは自由になるおカネは少ないと思う。だから、臨時収入はいつもうちのにそのまま渡すようにしている。

私は男尊女卑の思想で固まっているけど、そういうところでは女性に気を遣う。でなければ、女性の友達もできないだろうし、とっくに離婚している、いや、愛想を尽かされて家を出ていかれていると思う。

そんなワケで、優しい家主さんと入居者さんのお気遣いのお陰で、幸せな一日になった。

posted by poohpapa at 04:57| Comment(6) | うちの店 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする