2020年01月19日

事情が有って、しばらく更新を休ませて頂くかも

当社の管理物件に入居している高齢女性が、自殺ではないのだが、絶食して死のうとしている。

昨日、荒天の中、1時間かけて訪問した。たぁさんから頂いた「かもめの玉子」を持って・・・。

私とはご縁が深いお客様で、今から14年前、私が出版した時に、朝日新聞の書評を読んで購入してくださって、「今、立退き移転を迫られていることでの部屋探しを是非この不動産屋にお願いしよう」と決め、出版社の五月書房に電話して「どこの不動産屋か」を訊いたら「個人情報なので・・・」と教えてもらえず、ふつうはそこで諦めるものだろうけど、「ならば手紙を書いてそちらに送りますから転送してください」と食い下がり、それで私が武蔵小金井のご自宅を訪問して相談に乗ることに。

それも、ただ紹介したのでなく、当時たまたま入居者を募集していた物件の家主さんを訪問して、「こういうことで移転先を探している人がいるのですが、今11万で募集している部屋を9万に値下げして頂けないでしょうか」と、ダメ元でめちゃくちゃなお願いをしたら・・・、家主さんは「いいですよ、これも人助けだろうから」と快諾。だから、というワケではないが、その家主さんは当社でお付き合いさせて頂いている家主さんの中でも最高の人格者でいらっしゃる。もちろん、他の入居者さんには内緒の話。

あれから14年・・・。

とても仲の良い老姉妹で、お姉さんが病床につくと妹さんが「神様が私に姉の介護をさせてくれたんだ、と思って感謝しています。姉は本当に優しい人で、ヒドイ苛めにあっても恨むこともせず、逆にその人たちが困っていた時には援けてあげていたくらいなんです。だから私は姉が大好きなんです」と仰っていて、昨年末に電話があり、「姉はあと数日の命だと思います。姉が死んだら私も死ぬことでしょう。自死はしないけど私も心臓が悪いのでショック死するかも、それくらい姉が大好きなんです」と仰る・・・。

「自分が死んだ後のことはケアマネさんやヘルパーさんに細かく頼んであるから何も心配しないで」とも言うが、そういう問題ではない。荷物さえ片付けてくれれば良い、という話ではないのだから。

木曜日に家主さんから電話があって、「ずっとお部屋のシャッターが下りたままになっているんですけど大丈夫なんでしょうか?」と心配していらっしゃって、家主さん宅から徒歩で50mくらいのアパートに行ってインターホンを押してみて頂くようお願いしたら妹さんが応答したので生存していることだけは確認できた。ただし、「体調が悪いので出ていけなくてごめんなさい」と言って顔は出さなかったとか。

私が電話しても出なかったが、後で電話が掛かってきて話をすると、お姉さんが亡くなったのは7日で、9日には荼毘に付したとのことで、家主さんは、7日にお姉さんが亡くなったことも9日に荼毘に付したことも全くご存知なかったようだ。

思ったとおり、その後は一切の食事をしていないと言う・・・。たしかに、今は自分で調理して食べる気力は無いだろうけど、このままでは衰弱死するのは必定。それで「お菓子なら食べられるかも」と思い、昨日、ちょうど良い大きさでもある「かもめの玉子」とチョコレートを持参した次第。

チャイムを押したら応答はしてくれたが出ては来なくて、インターホンで「食事してないって言うから、それじゃ弱っていってしまうから、お菓子を届けに来たんですよ」と言うと、「お菓子も食べられません。ヘルパーさんも来てくれているので心配しないでください。もう、そっとしておいてください」とのこと。「じゃあ、お菓子、ドアノブに掛けておくから後で回収してね」と言うと、「食べられないから持って帰ってください、すみません」と言う・・・。せめてお菓子で栄養を補給してほしかったんだけど、万事休す。

ヘルパーさんが来ていたとしても毎日ではないだろうし、お菓子も食べられない人が、食事が喉を通るハズも無い。最愛のお姉さんが亡くなって生きる希望が無くなって「このまま死んでもいい、死にたい」と思っていると解かる。だが、「そっとしておいて」と言われても、そういうワケにもいかないもの。それに、何かあれば14年前に無理をお願いして聞き入れてくださった家主さんに申し訳ないことになる。持ち家ならともかく、アパートでは発見が遅れたら事件モノ物件になってしまうし。

ドアを開けてくれないことを想定して手紙を準備してあったので、それをドアポストに入れて帰ってきたが、明日は市役所に相談に行く。まだ早いのかも知れないが、場合によっては警察にも行って話しておいたほうが良いかも。いずれにしても家主さんに多大なご迷惑をお掛けしてしまった。

連帯保証人であるお兄さんは、今は酸素吸入を受けている身で、都内ではあるけど遠方にいらっしゃって、何かの時に飛んでくることはできないみたい。私があれこれ動くと、妹さんからすれば逆に「そっとしておいて、と言ったのに、裏切られた」と思うだろうな・・・。管理会社として、どこまで立ち入って良いものやら。事情を知っていながら「じゃあ好きにすれば」と投げ出すワケにもいかないもの。

妹さんは、私に「そっとしておいて」と頼めば、ちゃんと解かってくれて「そうしてくれるもの」と思い込んでいるみたい。個人としての私は「本人が希望しているんだからそれもアリかも」と思うが、管理会社としての私は「知っていて知らなかった」ことにはできない。裏で走り回ることになる。市役所も「まだ起きてないこと」に対してどこまで相談に乗ってくれることやら、ま、当てには出来ないだろうな。

そんなワケで、他にも、間近に迫った25ヶ月滞納老夫婦の強制執行の件もあるし、店舗の滞納処理、明け渡し、なんかもあって、今年の当社の命運は昨日の天気のように吹雪いているかも。

ちなみに、妹さんへの手紙の内容、「続きを読む」に貼ったけど、この内容じゃマズかったかなあ。


続きを読む
posted by poohpapa at 07:36| Comment(4) | お客さん(入居者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする