朝、家を出ようとしていたところに生活保護の老婦人から電話があった。
「店に行く前に寄ってくださる?、国勢調査の用紙が届いたんだけど、書き方が解からないのよ」だと。まあ、通り道だから寄るのはかまわないのだが、いつもの「嫌な予感」がする・・・。
その日は、自分で呼んでいながらチャイムを押しても出てこない。相手は高齢者だからそういうのは怖い。10分の間でも何が起きているか分からないのだから。元気だが80歳を超えていて耳が遠い、ということもあるが、3度目でようやく返事があって出てきた。「これなのよ、解かる?」と訊く。そりゃあまあ、うちにも届いてるし記入の仕方くらいは解かる。懇切丁寧な記入方法も添付されてるし、高齢者でも難しくはないと思う。だが、この老婦人は役所からの郵便物も自分では見ようとしない。間違いが有ってはならない、ということなんだろうけど、たいていは私がチェックして記入することになる。
それはいいのだが、国勢調査の封筒以外に大きなレジ袋を手にしている・・・。やっぱり・・・(*´з`)
「これさあ、食べてよ。ほんとは2枚買おうと思ったんだけど、レジでちょっと(おカネが)足りなかったから一枚返しちゃったんで一枚だけだけど」と言う・・・。てことは、ステーキ肉だな、と思ったらビンゴ!
正札がそのまま付いていて、「北海道産黒毛和牛サーロインステーキ用」274g、2685円(税別)、グラムあたり980円で、けっこういい肉、もちろん霜降り。それとは別に、「長野産ナガノパープル」一房1207円(税別)、とキウイ3個も。ただし、購入したのが隣町のスーパー、というのが不思議だけど。
国勢調査の用紙を預かって私が記入して郵送まで済ませたが、所要時間は10分。その対価にしては高すぎる。私にとってはそういうのも仕事のうちなんだし、ましてや相手は生活保護の老婦人。上前を撥ねるようで気が引ける。感謝してくれるのは嬉しいが程度問題。保護費は自分の為に使ってほしい。辞退すると怒るのでいつも有り難く頂いていて、そうすると凄く喜んでくれる。あ・・・、私と似てるわ (滝汗
いくらなんでも、それでは申し訳ない。そんなんでいいのかなあ・・・、いいワケないよなあ。
毎度「そのうち埋め合わせを」と思っているのだが、まだ果たせていない。いや、その必要は無いんだろうな。私もそうだけど、この老婦人は元々「見返り」や「お返し」など全く求めていない。相手が喜ぶ顔を見て自分も嬉しくなる、まあ自己満足だけで生きているような。その代わり、それも私と一緒だけど、もし裏切られたなら怖い人に変わると思う。頼まれたことを快く引き受けていれば大丈夫だろうけど。