2020年11月03日

親子にして、この違い

うちのお隣の小塚さん(仮名)ちの一人息子のAさん、頗る人柄が良いのだが・・・、

父親は真逆の人。近所の鼻つまみ、とも言える人で、とにかくうるさくて、それがためにお向かいのBさん宅は数年前にブロック塀を建て直す際に高く作り直したほど。私も、イチャモンとも言えるクレームを受けたり、不快な思いをしたことは何度もある。今の家を購入して引っ越してきた際、ご近所さんに挨拶に伺ったら「隣の小塚さんのオヤジには気を付けなよ、とにかくうるさいから」と忠告されたほど。

「なんでそんなことで文句を言われなくちゃいけないの?」と思えるようなことで頭ごなしに小言を言う人らしい。奥様は数年前に長い闘病生活の末にお亡くなりになっていて、口うるさい旦那も認知症で、1年ほど前から施設に入っている。そういうのが隣人なら今の家の購入を見送っていたかも知れないのだが、そういうのは先には分からない。Bさんだって、目隠しみたいに高い塀を作らなくても良かっただろうし。賃貸だって、部屋が気に入って引っ越して来たら上下左右が嫌な奴、なんてことはよくある話。

で、うちの家は前面道路に約1m幅しか接していない10mほどの私道がある再建築不可の、所謂「旗地」、隣の小塚さんも同じ地主からの借地で、私道を共有して使っている。小塚さん宅は前面道路に接しているのだから私道は必要ないのだが、私道を利用する権利はあるみたい。

問題は、その私道の草取りをどうするか、である。真ん中はコンクリートが打ってあるが、両サイド15cmの部分に草が生える。それを隣の親父が勝手に「うちの土地に接しているほうだけこっちで草取りをするから反対側はそっちでやってくれ」と決め、毎年、庭師に頼んで庭の樹木の剪定をしてもらう際に私道の草取りを依頼していて、庭師が両方とも草を取ろうとしたら「そっちはやらなくていい」と言っているのを私もうちのも聞いている。代金としては両サイドやっても変わらないと思うのだが。

それに、反対側はうちの敷地には全く接していない。だから交互に草取りをすれば良さそうなものだが、とにかく自分で仕切りたがる。こちらからは提案もできない。まあ、「ヨイショ、ヨイショ」していれば何の問題も起きないのだが、それも癪に障る。

だから、庭師が帰った後、片方(うちの分とされたほう)だけ草が伸びている。「そっちも早く草取りをしろ」と無言の圧力を掛けられているみたいで実に感じが悪い。そして、親父はいないが今年も草が伸びてきた。息子さんは親父が勝手に作ったルールをご存知なんだろうか、知らないとしたなら、うちが片側だけ草取りしたら感じが悪いもの。さて、どのタイミングでやろうか、両側ともすべきか悩んでいたら・・・、

昨日、両側ともキレイに草取りしてあった。もちろん、息子のAさん、である。

昨夕、お菓子を持ってお礼を言いに伺ったら、「気にしないでください、どこまでやっていいのか分からなかったので、そちらの敷地の入口のところまでやったのですが、あと(うちの敷地の中)はお願いします」と仰る。他にも、以前、私道に庭の木の枝が伸びていて通行に支障があるので切ってくれるようお願いした際も、直ぐに対応してくれて驚いた。なぜ驚いたのか、と言うと・・・、

Aさんは引き籠り、と聞いていたから、である。それが事実だとすると、そうしてしまったのは偏屈な親父ではなかろうか。今、親父は施設にいて、Aさんは広い家に一人で暮らしている。寂しいかも知れないが、精神的には楽だと思う。今まで親父に抑圧されていた分、これからの人生を楽しんでもらいたい。

ところで、数年前に私のほうから管理を降りた家主さんのお宅でも似たようなケースがあった。ご主人が細かくて「私の言うことを聞いていればいいんだよ」という接し方をする人で、20年ちかく付き合っていたけど奥様の笑顔を見たことが無い。管理を降りる前に一度だけ笑顔を見たことがあって、「ああ、笑うんだ・・・」と思ったほど。うちら夫婦と違って「本音が飛び交うし気にしない」なんてことは無いんだろうな。

さて、人柄が頗る良くて、普通に常識的な隣家の息子さん、機会があればいろいろ話をしてみたい。余計なお世話だろうけど、失われた40数年を取り戻してもらいたい、そう強く願っている。

posted by poohpapa at 05:51| 私の街 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする