うちの店にはガスが通っていない。お湯が必要なら電気ポットでも足りるが、ホットコーヒーなんかを入れるスペースも流し台も無い。だからお客さんが来店しても、真冬でもペットボトルの冷たいお茶や缶コーヒーしか出せない。「すみません、冷たいものしか無いのですが・・・」と謝りながら出している。
と言っても、飛び込みのお客さんは年間で4〜5人しかいないし、新規の契約や更新契約も年間100人に満たないほど。それでも半年おきくらいに缶コーヒーを6ケース(180本)購入している。「コーヒーは飲まない」という人もいるからお茶も用意していて・・・。なぜそんなに要るのか、と言えば・・・、
荷物を届けてくださった宅配便のお兄さんや郵便配達のお兄さん(オジサン)にも差し上げているから。幸い、宅配のお兄さんたちは「いや、冷たいほうが助かります」と喜んでくださる。コロナ禍で、ひと頃、宅配便の会社や配達員さんにも理不尽な批判が寄せられていたことがあって、そういう「現場で物流を支えてくださる人たちがいて日本の経済が廻っているのに」と悲しくなったので、「いつもご苦労さま、有り難う。一息ついてください」という感謝の言葉を添えて必ず手渡している。それは以前からだけど。
他にも、飛び込みでやってきた異業種の営業マンにも「うちは買えないけど、どうぞ」とか「廻っていてメゲるようなことがあったらいつでも寄ってもらって愚痴を零していいよ。いない時もあるけど、いれば缶コーヒーくらい出すから」と言って渡している。飛び込み営業の辛さは私も体験しているから。
比率は・・・、いろんな宅配便さんや郵便配達員さんが5割以上、お客さんが3割、残りが飛び込み営業マン、てところ。一箱は家にも置いていて、どちらに届けてくれてもなるだけ渡すようにしている。だから、店が不在の時には自宅に届けてくれたり、道ですれ違うと車の中から会釈して手を挙げてくれる。
昨日、新規の契約をしていて、たまたま宅配便のお兄さんが荷物を届けてくれたので、いつものように声を掛けて缶コーヒーを渡したのだが、私としてはいつものことなんだけど、お客さん、私に対して少し好印象を持ってくれたのではないかな、と思う。缶コーヒーは時としてそういう効用もある。
ちなみに、用意している缶コーヒーは何人かが口を揃えて「缶コーヒーならそれが一番」と言っているキリンの「ファイヤー微糖」で、それなら「ブラックしか飲まない人」にもどうにか飲んで頂ける。以前はファイヤーのブラックも用意していたが、箱買いすると消費期限までに消化しきれないからやめた。
半年前に6箱買った在庫もそろそろ尽きそうだから近いうちに注文しなければ・・・。
そうそう、うちの入居者さんが、お隣の元スナックで来月から珈琲豆を販売するが、コーヒーも淹れてくれるようだから、これからは温かいコーヒーも提供できるかも。宅配便さんには無理だけど。
ところで、今朝起きて、こんな記事を見掛けた。
「アマゾンのロゴを見るだけで吐き気が…」需要が増え続ける宅配業界の悲惨な実情とは
文春オンライン 刈屋 大輔 2020/11/21
「どんな仕事にも苦労は付き物、それが仕事だろ」と言ってしまえばそれまでのこと。例えそれが相手の方の仕事であっても、相手に対する心からの感謝や敬意は忘れてはならない、と私は思っている。