スーパーの総菜で転び、賠償命令 店側の安全不備認める、東京地裁
共同通信社 2020/12/08
なんでも訴えればいい、というモンじゃないだろうに、と思う。建築現場の下を歩いていて上から工具が落ちてきた、とか、何かの看板が風で飛ばされて落ちてきて怪我をした、というのとは違うからね。
その昔、(当時)外資系企業に勤めていた同級生から「アメリカでは『道で転んで怪我した人、サムまでお電話を』なんてCMがテレビでよく流れてるよ」と聞いた。もちろん、サムというのは弁護士。それくらいだから、電線にとまっていたカラスが糞をして洋服に落ちてきたのも電力会社に対して「そんなところに電線があったから」とイチャモンを付けて賠償金をふんだくるんだろう。日本とは桁が違うし。
あ、アメリカは電柱など無くて電線は地下か・・・。ま、どうでもいいや。ともかく、日本が、そんな「何でも損害賠償請求」なんて国になったら住みにくいことこの上ない。常に誰かの粗探しをして「賠償金で食っていこう」という人間が出てくる。この原告は実際に怪我しているけど、「精神的に傷ついた」なんてことだと、実際のところは本人にしか判らない。傷ついてなくても傷ついた演技はできるし。
だいたいが、カボチャの天婦羅が落ちていたのが総菜売り場の前でなくレジ付近・・・。てことは、店のスタッフでなく、客が落としたものだろう。「カゴの中から落ちちゃったけど、拾って買うのも嫌だから知らん顔しちゃえ」だと思う。店員が落としたならその場で気付いて廃棄しているだろうし。
140万の訴えに対して、本人の不注意分を差し引いて店側の責任が4割の57万。カボチャの天婦羅を落としたのが他の客だとして、その分の責任は計算されていない。誰がやったか分からないものについては考慮せず、店の安全管理責任を認めて57万・・・。その半分でいいだろうに。でもって、訴訟費用はどっち持ちなんだろう。満額認めてもらっても割に合わないから訴えた理由は他にもあるのかな。
責任の所在を明確にするのは良いことだけど、何でも欧米に倣う必要は無いと思う。昭和の頃の日本人なら「怪我して痛かったけど、足下に注意を払っていなかった自分の所為、これからは気を付けよう」と、ほとんどの人が思っていただろうな。生活は今より苦しかったけど心は豊かだったような・・・。
そう言えば、昔の一コマ漫画ではバナナの皮で滑って転ぶ場面がよくあったな。それにしても、この原告、どんな転び方をしたんだろ・・・。私も最近は平らなところで躓くから他人事ではないけどね。