すみませんが、事情がありまして、コメントの返信、ご猶予ください。
昨日の午後、モノレールの高架下を立川北駅からグリーンスプリングスに向かってゆっくり歩いていたら、小柄な外国人女性が寄ってきて、私に話しかける。「すみません」と言いながら、15cm角くらいのオレンジ色の紙を私に見せる。汚い字で「私は日本で介護の勉強をしています。学費のためにフィリピンのお菓子を買ってください」、とあった。だが、そんな紙を見せなくても流暢な日本語を話している。
肩から提げた袋にも、手に持った袋にも、何やらお菓子が入っている。真面目そうな女の子だったから協力してあげたい気持ちはやまやまだったが、うちは今お菓子は間に合っている。台所の食糧庫にはうちだけでは食べきれなくて(個別包装になってないから)お裾分けもできないお菓子がいっぱいだし。「お菓子はともかく、寄付だけしてあげよう」という気にもならない。どこかに不信感があるからだろう。
私のカード入れには「何かあっても家に帰ることができるよう」千円札が2枚入っているが、こういう時のために入れているものではない。「ごめんね、僕は現金は持ち歩かない主義なので・・・、まさかクレジットカードは使えないよね、paypay なんか使えるワケ無いよね」と言うと笑っていた。
「いつもこの辺りでお菓子を売っているの?」と訊くと、「ここは火曜日だけ。あそこにいる従妹と二人で売っている」と少し離れたところで営業中の従妹を指差す。さらに「1時ころから夜まで売っている」だと。「どこで日本語を覚えたの?」と訊いたら「西八王子・・・」と言う。火曜日以外は他の場所で午後から営業活動(?)をしているようだ。それじゃ学校に行ってる時間など無いだろう。
ますます怪しい・・・。学費のためとはいえ、それだけのお菓子をフィリピンから仕入れている。背後に反社的な組織が付いているのではないか。個人でそんなことを思いつくワケもなく・・・。
「どんなお菓子を売ってるの?」と訊くと、バッグの中を見せてくれた。どこにでも売っていそうなチョコレートだった。と言うか、似たようなお菓子は先日ある家主さんから頂いて、うちにもある。「これをいくらで売ってるの?」と訊くと、「一つ500円、3つで千円」だと。閉店セールかよ!?
ふつうは一袋200円、せいぜい300円くらいのチョコ。まあ、学費分が乗っているとしても高い。可愛くて感じのいい娘さんだったし、カード入れの緊急事態用予備費で買えないことは無かったが、やめた。
その娘さんと離れて、目的地であるフェーバースに行って、馴染みの店員さんにその話をしたら、「最近、立っているみたいですね。若い女性と高齢の男性にだけ声を掛けるみたいですよ」とのこと。言ってから「しまった!」と思ったようで口に手を当てていたがもう遅い。はい、私は高齢者ですよ、解かってますよ。
たしかに、中年以上の女性や若い男性は買わない、と言うか、協力してはくれないかも。しかも、「ゆっくり歩いている人に、道を尋ねるかのように近づいてくるらしいですね」とも。私もそう感じた。
こっちが納得して購入するのなら、お菓子を売っているだけだから詐欺とまでは言えないかも。だが、子供の頃の思い出が蘇った。私が小学生の頃、近所の橋のたもとで傷痍軍人と思しき男性が乞食をしていて、立てている札に「戦争で大けがを負って歩くこともできません、お恵みを」みたいなことが書いてあり、見るからに「いざり」だったのだが、夕方になって人気(ひとけ)が無くなると、その日の「上がり」とゴザを持ち、立ち上がって2本の足でサッサと帰っていくのを見たのだ。
きっと、介護の勉強をしている、というのは嘘だろうな。個人でお菓子を売って学費の足しに、なんて効率の悪いことを思いつく、実行する、なんてことも無いだろうから、感じの良い娘さんだっただけに、そういう組織に利用されているなら早く抜け出してほしい、と思ってしまった。
それより、これから火曜日の午後は、もうモノレールの高架下は歩けない ^-^;