季節的に、もう間もなく青果店の店頭から消えるであろうシャインマスカット・・・、私の大好物だ。
ただし、値段が頗る高い。出始めは贈答用でなくても一房4000円〜5000円くらいする。旬の時期でも一房2000円くらい、たまに980円くらいのが店頭に並ぶが、粒は小さいし甘味に欠けて水っぽいだけ。生産農家が30年もかけて産み出したので高価なのは仕方ないと思う。石川県のルビーロマンと同じか。
うちは、秋口から11月の終わりくらいまで食卓にシャインマスカットは欠かさない。それを、喉が渇いた時とか、食後、朝起きがけに2粒ほど、ま、ちびちびと食べる。贅沢をしている割に根が貧乏性なので。
昨日、まだ一房あるけど何となく心細くなったので、いつもの青果店に物色しに行った。すると、二房セットが、およそ半額の2500円で売られていた。一房はいつも見かけるシャインマスカットなのだが、一房は赤い色の葡萄で、シャインマスカット、とシールが貼ってある。お店の人が間違えたんだろう、と、余計なお世話で女性の店員さんに声を掛けたら、「いえ、そちらの赤いのもシャインマスカットです」だと??
「実は、黒いシャインマスカットもあるんですよ」とのこと。嘘でしょ!?、と思ったが、丁寧に説明をしてくれて、本当だと理解できた次第。だが、その店員さんが「でも、今(この時間)は買わないほうがいいですよ。夕方になれば値引きしますから」と親切に言う。それで夕方5時前くらいに出直したのだが・・・、さっきあった場所に赤いシャインマスカットの姿は無い。別の店員さんに訊くと、「売れてしまいました。そもそも店頭に並ぶこと自体が奇跡のようなものですから、見かけたらすぐに買ったほうがいいです」とのこと。
なんだよ、さっきの話は何だったんだよ、である。せっかく来たし、仕方ないのでシャインマスカットの二房セットを買おうと思ったが、どう見ても抱き合わせ販売のような組み合わせ。片方は粒が大きく美味しそうで、もう片方は粒が小さい。それだと、どれを買うか悩む。店員さんに「どれがお勧めですか?」と訊くと、「そうですねえ、難しいですねえ、両方が美味しそう、という組み合わせはありませんもんね」、と言う。
正直である。そこまで正直に言われたら仕方ない、適当に選んで買うしかない、と、思っていたら・・・、
店員さんが私の後ろで、二房セットになっている組み合わせ2パックをバラして、両方とも美味しそうな房でセットにして、「どうぞ、これでお持ちください」と言う。めっちゃ嬉しい話だ。そこに、お昼の店員さんが、「黒のシャインマスカットならありますよ」と一房持ってきてくれた。それも買うことにした。半額だったし。
だが、2人とも初めて会う店員さんで、お菓子を届けたりもしていない。なのに、なんでそこまでしてくれたのか・・・。思い当たるフシがある。私が最初に、「立川には駅ビルにも伊勢丹にも高島屋にも青果専門店があるし、スーパーでも高級フルーツを入手できますが、こちらのお店が一番品質も良くて値段も適正ですね。うちのといつも話しているんですよ」と褒めていたのだ。それは普段から本当にそう思っていること。
店員さんは凄く喜んでくれていたから、「このお客さんに(さらに)喜んでもらおう」と思ったんだろう。性格が私と似ている (爆
心からの賛辞は、元手も掛からず、思いがけない利益をもたらせてくれるし、相手も幸せになる、と実感。そうだ、あの二人の店員さんにも今度美味しいお菓子かチョコレートを届けてあげよう (^^♪
家に持ち帰って黒いシャインマスカットを食べてみたら、味は「馴染みのある緑のシャインマスカット」の系統を受け継いでいて、なおかつ、もっと甘い。その色から「巨峰みたいかな」と想像していた皮も薄くて柔らかく、食感も良く、とにかく美味しくて大当たりだった。来年からはもっと店頭に並ぶかも。価格は(今のところは)緑のと同じくらいだが、巷で評判になったら高くなるかも。見かけたらぜひ購入してみてほしい。