今、当社は別の大手保証会社と提携しているが、どうも私の価値観やポリシーと合わない。以前はそんなことを感じたことは無かったのだけど、年々そう思うようになって悩んでいた。この際、保証会社を替えるか、(傲慢な言い方になるけど)2社を使い分けていくか、悩むところである。保証会社を替える、と言っても、今、従前の保証会社を使っている入居者がいる限り「縁」は切れないのだが、ゆくゆくは切れる。
私が決定的に「イヤになった」のは、うちの入居者で二人暮らしの母子家庭があって、娘さんが長く母親の介護をしていて、数年前にその母親が亡くなり、それまで連帯保証人になっていた姉と疎遠になったことで、娘さんから正直に「もう連帯保証人では有り得なくなったのですが、どうしたらいいでしょう」との相談を受け、「費用が掛かるけど、保証会社を使う、という方法もありますよ」と説明したら同意してくれた。
その入居者、苦しい暮らしの中から家賃を支払っているのだが、15年も入居していて、タダの一度も家賃が遅れたことは無い。それどころか、前月の月中15日くらいには翌月分を振り込んできてくれるのだ。
家賃なんて「カネがあるから払える(払う)」「カネが無いから払えない(払わない)」というものではない。カネが無くてもちゃんと約定通り払ってくる人もいれば、カネがあっても払わない奴もいて、人格の問題。
保証会社に申し込みをする際、そのあたりの事情を伝え、「全く滞納の心配のない娘さんです。何なら私が連帯保証人になってもいいくらい信用できる人ですから宜しくお願いします」と私見を添えて申し込んだのだが、結果は「非承認」で再審査不可。保証会社には保証会社の規定や基準があるとしても冷たい。
「非承認」には「どうしたところで受けませんよ」という拒絶型の非承認もあれば、何かの不備が有ったりして「こういう書類を追加で送ってください」という内容のものもある。だが「再審査不可」と有れば無理。
私からすれば、保証会社の存在意義は、ワケあって連帯保証人が立てられない人が「最後の砦」として利用してもらう、というものでもあると思う。そりゃあね、保証会社も商売ではあるのは解かる。だが、いくら代位弁済することになった際に後々の取り立てが可能かどうかが重要だとしても、ガチで安全な人しか承認しないなら保証会社の存在意義がない。多少のリスクは負って然るべきではないのか、と私は思う。
日ごろから、その保証会社は「ハートが無いなあ」と思っていた。なので、他社さんから申し込みが入って、当社の保証会社に申し込みをして審査が通らなかった場合には客付け業者さんが使っている保証会社で申請してもらうのだが、ほぼ100%通っている。当社からすればどこの保証会社でも、通ればOK。
べつに「審査が緩い保証会社が良い」と言っているワケではない。あまりにビジネスに拘る「ハートの無さ」が気に入らないだけのこと。それでずっと「他に理想的な保証会社は無いものか」、と探していて、古くからのブログ仲間である同業者「はなくろ」さんのブログで日本賃貸保証という会社を知り相談することにした。その会社の営業さんは何度か当社を訪問してくれていたが、たまたまなんだけど、私が留守にしていて会ったことは無い。だが、その際に名刺の裏に丁寧なメッセージが書かれていて、たいていは「突然にお伺いしてすみません。またお伺いいたします」というメモなのだが、日本賃貸保証の営業マンの名刺には印象に残る言葉が書かれていて、「こんな営業マンなら話を聞いてみたい」と思わせてくれていた。
まあ、それでもこちらから連絡することは無かったのだけど、ここんとこ「再審査不可」が続いていて、そろそろ潮時かな、と思った次第。審査が厳しいのは逆に安心、と言えなくも無いけど程度問題。はなくろさんからも「人情味のある会社ですよ」と聞いていたので、ようやく重たい腰を上げた。立川駅北口に支社があるので一昨日訪問して詳しい話を伺ってきた。ご担当は名刺に素敵なメッセージを残してくれた人。
これから新規の申し込みは全て日本賃貸保証さんにお願いすることにしよう。はなくろさん、有り難うね。