うちのと1時半にファミレスで待ち合わせをしていて、1時15分に店を出ようとしたら、高齢の男性から声を掛けられた。「住宅供給公社はどこですか?」と言う。うちの店からは遠いが、うちのと約束していたファミレスに行くための通り道でもある。だが、口で説明したり紙に地図を書いてあげても解かりにくい場所。
「ちょうど私もそっち方面に行きますから、一緒に行きましょう」と言って、目的地までショートカットする裏道を一緒に歩いていたのだが、男性の両膝は曲がっていて、一歩一歩の歩幅も短い。私がゆっくり歩いていても引き離されてしまう。うちのに「こういうワケで私のほうが遅れるかも」と電話したら、「なら、他の用を足してるからゆっくりでいいよ」とのこと。後ろを振り返りながらかなりゆっくり歩いていたのだが・・・、
私が横に並んでいた男性に「もっとゆっくり歩いたほうがいいですかね」と声を掛けた「ゆっくり歩いた」のあたりで男性が前のめりに倒れた、と言うか、こけた。「大丈夫?」と言って、抱えて起こそうとしたけど男性は相当に重いし自力では起き上がれない。そこへもってきて私は腰痛。困っていたら、立川女子高校の警備員が通りかかったので協力を求め、二人で両腕を抱えて起こそうとしたが二人掛かりでも無理。
こけた際に両方の手を擦りむいたのか血が出ている。言葉もハッキリしない。そこに別の男性(立川女子高の先生っぽかった)が通りかかり、3人で抱えて起こそうとしたけど、とにかく重い。それで、そのまま地面に横にならせて救急車を呼ぶことにした。私が119に掛けると、「火事ですか、救急ですか?」と訊かれた。状況と場所を説明して救急車に来てもらうことになり、警備員さんが道路の角に立ってくれた。
待つことしばし、救急車が到着して救急隊員と高齢男性との会話で、男性は鈴木さんという名前で82歳だと判った。救急隊員がストレッチャーに乗せて救急車の中に入れたけど、さすがに慣れている、我々が3人掛かりでも起こせなかった男性を2人でサッサと担いで乗せる。私は親族ではないし病院までは同行しなかった。直ぐに出発するかと思いきや、受け入れ先の病院を探しているのか、なかなか出発しない。
警備員の姿も消え、別の男性も「私はこれで」と去っていったので、あとは救急隊員に任せて私もその場を離れた。だが、男性が言っていた「住宅供給公社はどこですか?」という言葉が気になったので、途中で出向いて、「今日、こちらに鈴木さんという82歳の男性が来ることになっていたでしょうか?、もし約束していたなら、(こういう事情で)病院に向かっていますので遅れることになると思います」と伝えてきた。もし約束していたとすると、約束の時間に姿を現さなかったことで不利益になるといけないから、である。
男性が持っていた茶封筒には判読が困難なクシャクシャの文字で「住宅供給公社」「セブンイレブンのとなり」と書いてあって、あの様子では自分で住宅供給公社に電話することもできないだろな、と思ったし。
だが、それは杞憂であった。女性職員がいちおう調べてくれたが約束はとくにしてなかったようである。「ご覧の通り、こちらは予約して来てもらうことはなく、皆さん飛び込みでいらっしゃいますので」とのこと。
男性がその後どうなったか、用が足りたのか、は不明だが、身寄りもいないんだろな。明日は我が身か。