駅前の銀行に行って店に戻ると、椅子に座る間もなく直ぐに飛び込みのお客さん。中年の女性だった。
「移転先を探しています。75000円くらいまでで、広めで犬が2匹いるんですが・・・」とのこと。この界隈の不動産屋は概ね訪問していて、うちの店が最後らしい。たかさんに言っとくけど、「潰れそうな店だから行くだけ無駄」と思って、じゃないよ。たまたま(と言うか、いつも)私が不在だったから、だかんね (^◇^)
「他の不動産屋さんでこんな物件を紹介してくれたのですが・・・」と、さっき内見したばかりの物件の広告を出す。見ると、私もよく知っている物件なので、その物件の長所と短所を正直に伝えた。「この辺りでその条件より良い部屋は無いと思いますね。私からすれば80点くらい付けられる及第点の物件です」とも。
すると、「物件の、良いところも悪いところもハッキリ指摘してくれる不動産屋さんは初めて。信用できます」と喜んでいた。私は当社管理の物件でも長所と短所は伝える。今は、どこの不動産屋でも「いいところだけ話して勧める」、なんて商売はしていないと思うけどな・・・。信用してくれるのは嬉しいことだけど。
私は、「部屋の真下がスナックだから、遅くまでカラオケの音なんかが聞こえてくる心配は無いかなあ。そのマンションの壁は厚いから隣から犬の鳴き声の苦情が来ることは無いとは思うけど」と言うと、「私もそこが気になりました」とのこと。「本当は、夜遅くに室内に入って確かめられるといいんだけど、管理会社が難色を示すでしょうね」と言うと、「夜、自分でスナックの前まで行って外から確認してきます」とのこと。
念のため、管理会社に物件の有無を確認するため電話すると、「今日だけで何件も内見して頂いているので、もう決まってしまうかも知れません」とのこと。そりゃそうでしょ、そのうちの一人が目の前にいるし。
今日の午前中には「昨晩、様子を見に行った結果」を知らせてくれるだろう。「いろいろ回って、最後に『いいオジサン』に出会えて良かったです」という言葉を残して出て行った。オ、オジサン・・・、まあいいや。
それはお互い様、私のほうこそ、二日続きで「気持ちの良い」お客様に出会えて幸せ。なんでも、店頭の貼り紙、広告ではなく「間違いない部屋探しをするためのアドバイス」なんかを見て、「この店には必ず来よう」と思っていたとか。見た貼紙が違っているからだろうけど、感じ方は人それぞれ、それは仕方ない。