昨日の午前中に退院してもう帰宅した。手術が取りやめになったのでなく、まるで、4泊5日弾丸「肺癌手術ツアー」みたいな話。30日に入院して5月1日に内視鏡手術、翌2日の朝に1階の放射線科でレントゲンを撮って、3日の朝もレントゲン撮影、8階に戻るとナースステーションに主治医のМ先生の姿が・・・。
「お、調子いいみたいだね。だったら管を外しちゃおうか。そしたら明日にも退院できるよ。ま、5日までいてもいいけど、どうする?」とのことなので、体に着いた管を外してもらい、凄く楽になった。TVドラマの病院のシーンで点滴の下がった金属製の器具を曳いて歩く老人の姿そのものだったし。何よりトイレが楽。1日と2日の夜は2時間おきにUBのトイレに行っていて、その都度、点滴器を持って行くのが辛かった。
入院する際に安いほうから2番目の個室を希望したけど空きが無く、4人部屋に入ることに。ところが私以外は患者がいなくて4人部屋を一人で使っていた。2日目に空いた一泊16500円の個室より快適。風呂付と言ってもビジネスホテルなんかのUBと同じ。しかも手摺が付いているから便座に座りにくい。4月30日に家を出てから退院するまで、ついに「大」はしなかった。帰宅して最初にやったこと・・・、トイレの大。
仕方ないので3日間は個室に入ったけど、めちゃくちゃコスパが悪い。賃貸だったら家賃4万円だと思う。ビジネスホテルなら3泊できそうな金額だもんね。しかも、もっと綺麗で。ほぼボッタクリじゃなかろうか。
それ以外は素晴らしい病院だった。病室まで主治医と若い医師二人とで挨拶に来てくれ、驚いたことに薬剤師さんも挨拶に来た。さらに、手術室の前で待っていたら、手術室の看護師さんまで挨拶に来た。皆が患者に寄り添ってくれて、コロナ禍で家族でも面会禁止だけど、お陰で寂しくならず凄く有り難かった。
自分では全く違和感が無くてオチンチンの先から管が入っていることを忘れていたけど、1日の夜はしっかりお小水がビニール袋に溜まっていた。管を入れてなければそのままお漏らししていたワケで、有り難い。で、剃毛はしなかったけど、誰が管を入れたのかな、と気になっていて、そういうことは知らないほうが幸せだろうけど、3日の朝に看護師さんが管を外してくれた時に「どなたが管を入れてくださったのですか?」と訊いたら、「入れたのは先生ですよ」とのこと。でも、外した後で小用を足すのは今も痛い・・・。
ところで、手術室の看護師さんに、「私は主治医のМ先生を信頼して手術を受けることにしました。先ほど病室まで二人の若い男性医師を伴って挨拶に来てくださいましたが、もしМ先生が傍で見守っていてくださるなら、私の手術は若い先生にして頂いても結構です。生きている患者の練習台も必要でしょうし、結果に文句は言いませんから」と伝えたら、それでかどうかは不明だが、若い先生が執刀なさったみたい。
今から36年前に防衛医大病院で腎結石の手術を受けるべく入院した際、病棟の婦長さん(今の師長さん)に、「この病棟で一番注射のヘタな看護婦さんは誰ですか?」と訊くと、「そりゃあYさんでしょうね」とのことで、「でしたら私の入院中の注射は全てYさんにしてもらってください」と伝え、「いいんですか?、本当にヘタですよ」と言っていて・・・、本当にヘタだったなあ。血管が見えてるのに針が入らなくて (^-^;
そうそう、入院中に面白いことがあった。私がナースステーションの前の病室から出てきたら、「入館証」の札を下げた女性が私に「坂口さんですよね」と声を掛ける。「入館証」を下げているのだからスタッフではなく入院患者の家族だと判る。見覚えが無いけど、親しみやすい感じの人で、「こんなお客さん、いたっけかなあ・・・」と悩んでいたら、「お父さんがこちらに入院していらっしゃると聞いていましたし、息子さんとそっくりですから直ぐに判りましたよ」とのこと。長男の同僚のOLさんで、お母さんが私と同じ病気で入院していらっしゃるようだ。ただし、「お父さんとそっくり」という言葉は禁句である。長男が最も嫌がる言葉。
まあね、粗探しをしたならキリがない。言えてるのは、先生も看護師さんも薬剤師さんも、手術室担当の看護師さんも腰が低く、常に患者に寄り添ってくださる姿勢で、私なんかは「医療の現場こそ最高のサービス業」と思っているから、もし病気になって自分で病院を選べるなら災害医療センターはお薦めだろう。
患者の立場からすると「お薦め」だけど、ネットで見ると過去にはいろんな問題を抱えていたみたい。少なくとも、私が接した看護師さんたちは医療の最前線で患者のために真摯に働いているのは間違いない。