中学時代の恩師の奥様が、心臓弁膜症の手術を受けられて、長く入院なさっていた病院から昨日無事に退院なさった。恩師が「6月の頭に退院するみたいだわ」と仰っていて、もうそろそろかな、と思って電話したら、いつもと同じ明るい声で奥様が出られた。恩師が「俺が今日迎えに行っただがん」と嬉しそうに言う。奥様が入院中、家事を息子さんと分担してこなしていたが、「味噌汁を作るのがやっとだがん」だと。
退院したとはいえ十分な安静が必要で、まだ男たちの家事仕事は続くみたい。「だで、もしも女房が先に死んだら男は大変だわ、アンタんとこもそうだら」と笑っていて、それは私も(世の男たちはみんな)同じ。
以前も書いたけど、北海道新幹線が開業する日に合わせて、往きは飛行機で、帰りは新幹線で帰る日程で北海道を旅して、途中、小樽の駅前の三角市場の武田鮮魚店に寄って毛ガニを送らせてもらったら、後で「物凄く旨かったぞ」と、本当に嬉しそうに電話を頂いたので、以来、毎年毛ガニを送らせてもらうことにした。私は、お子さんたちも独立して今はご夫婦二人だと思っていたので2杯送っていたけど、息子さんが親の世話をすべく帰って一緒に生活しているとのことなので今回から3杯にしよう。3人で2杯じゃね。
たまたま武田鮮魚店から夏のギフトのカタログが送られてきていて、それを見ると毛ガニの値段は落ち着いてきたみたい。去年は500〜600gの毛ガニは一杯1万円していたけど、今年は概ね元に戻っている。タラバと違って日本の近海では獲れずロシアからの輸入に頼っていて、ロシアのウクライナ侵攻の影響でここ数年は入荷が激細りしていて、その分高騰していたようで、市場に入ってこない日もあるとか。
今日あたり武田鮮魚店のKさんに電話して注文しよう。その武田鮮魚店、請求書をうちに送ってくる際、ホタテのヒモ(乾物)なんかを同封してくれて、なかなか気が利いている。それも楽しみになっている。
ところで、私が毎年毛ガニを送らせて頂くのはもう一人、高校時代の一年先輩のМ君ちにも。高校時代から今もお世話になっている。52年前に上京して、会社の寮生活に馴染めず悩んで相談したら、「じゃあ、俺のアパートに来ればええが」と言ってくれて、池袋の風呂無し4畳半の部屋に呼んでくれた恩人。そのM君、今も会社の社長をしていて、過去には市の教育長、地元のロータリークラブの会長も務めていた。
私は昔から「いい先輩、後輩、同級生や恩師」、そして今もいい仲間、最高の女房に恵まれていて幸せ。たぶん残されるであろう女房の生活だけが気掛かりだけど、私個人はいつお迎えが来ても悔いはない。