店番をしていると、いろんな飛び込み営業マンがやってくる。うちに来る頃までには心が折れそうになっているだろうから、どうせ暇でもあるし、この季節にアイスで申し訳ないけど缶コーヒーを出して、話は聞く。
先日、名前は聞いたことがある不動産会社の営業マンが2人してやってきた。会社の名前と名刺の苗字が同じだったのと、一人が年配だったので、「もしかして社長さん?」と訊くと「親族です」だと。もう一人の若いほうの営業マンは創業社長の息子なんだと。ではあるが、腰が低くて好青年だった。いい跡取りだ。
で、うちに若い飛び込みの営業マンが来ると、必ず(読むように)勧める本がある。
カーネギーの「人を動かす」だ。
私は、この本を50冊以上も購入している。うちに来た営業マンに読むよう勧めて貸して、それが返ってきたことが無いから。「まあ、役に立っているんだろう」と前向きに考えているけど、自分でカネを出さないと読まないのかもね。メルカリで千円で購入したとしても5万円・・・、相当な額になる。私は本もバラ撒く。
数日後その営業マンが再びやってきて、「こないだお薦めして頂いたカーネギーの『人を動かす』、買いました」だと。どうやらメルカリでなく書店で定価で購入したようだ。そんな営業マンは初めて、凄く嬉しい。
その営業マンはこうも言う。「先日頂いたビアードパパのガレットサンドも凄く美味しかったです」だと。そっか、お菓子もあげてたか・・・。若いけど結婚していて、お相手は高校時代の同級生とか。「安く纏めやがったな」と嫌味を言ってやったが爽やかな笑顔。いちいち覚えてないけど、前回はパラで一個ずつ差し上げたんだろな。なので6個入り一箱を「家に持って帰って奥さんと食べて」と持たせた。うん、私は優しい。