2009年02月13日

それは私でも「無理」かも・・・

マル暴専門の弁護士さんから「こと取立てに関しては、貴方は我々弁護士より腕がいいですね」と褒めて頂いたこともある私だが・・・、

その私が「これは、さすがに無理」と思える取立てを依頼された。

依頼したのは当社の管理物件の家主さん。近場に2棟のアパートをお持ちで、A棟を当社で、B棟を大手のエイ◎ルで管理している。

滞納者はB棟に入居しているK一家。平成11年から入居していて、当初から家賃が滞りがちで、その都度エイ◎ルに連絡して督促を依頼していたが一向に埒が明かず、何故か更新契約もしないまま10年経ってしまったと言う。まあ、大手は担当者がコロコロ代わるし。

たまたまA棟の入居者の更新契約書に記名捺印を頂くために訪れた私に、家主さんは切り出しにくそうに話を持ち出した。

過去10年の入金記録を見せながら、「呆れられちゃうだろうけどさ、こんなになっちゃってんだよ。どうしたもんかねえ・・・」、と言う。

どれどれ、と手書きの書類を見て「ああ21万8千円ですか・・・、ン?違いますね。なに、これ、2182000円じゃないですか」、と「0」の数を確認しながら訊くと、「そうなんだよ・・・」と声を落とす。

家主さんは人柄が滅法いい。気の毒だから、と言いそびれているうちに桁外れの滞納額になってしまったようだ。当社の管理物件でなくても、どうしてもっと早く相談してくれなかったのか、と悔まれる。

と言うか、家主さん、「余裕ありすぎ」である。それだけ滞納されていてケロッとしているのだから。当社に管理が替わる前のアパートや貸家などにも滞納者は何人もいるようだが、「少しずつでも頑張って入れてくれてんだし・・・」、と督促は積極的にはしていない。

私はハッキリ申し上げた。「この入居者、このまま入れておいても滞納は膨らむばかりでしょう。218万は諦めて直ぐ(と言っても3ヶ月ほどの猶予を与えて)出ていってもらうか、毎月必ず家賃に少し上乗せして払わせるかですが、毎月2万上乗せしてもらっても100ヶ月以上かかります。気が遠くなる話ですし、それは無理でしょうね」

100ヶ月・・・、その頃には火星に人類が降り立っているかもわーい(嬉しい顔)

実は、入居時に立ててもらった連帯保証人である実父は既に亡くなっていて、それもエイ◎ルには伝えたのに新たな連帯保証人を立てさせることもしなかったとか。明らかに「すべき業務の怠慢」である。

今まで、私が取立てを依頼されて受けた最高額は「このケース」で、それも相談を受けた時には140万だった。その後、立ち退きまでに200万近くにもなっているが、それでも、150万は回収できている。ただし、ワケあって(上記過去ログ参照)、その後は判らない。

次いで120万で、そちらは予定通り全額取り立てに成功している。「アンタ、平気な顔してキツイこと言うね」、と言われながらも^_^;

で、今回のケース、残念ながら取立ては難しいだろう。何故なら、

会社に戻って入居者に電話してみると未就学児らしき子供が出たのだが・・・、「お父さんかお母さんに代わってください」と言うと、何やら喋りながらガチャンと切られてしまった。もう一度電話すると母親が出たので、人柄を探るべく、名乗った後で、こう言ってみた。

「今さっき電話しましたが、お子さんが出て切られちゃって・・・」

すると、ふつうなら「あ、すみませんでした」と言いそうなものだが「何でしょう?」と無愛想に訊く。それで、「家主さんから委託を受けている業者なんですけど、お家賃の件です。奥様は滞納額がどれくらいになっているかご存知ですか?」と訊くと、「主人がちゃんと払っていると思います(だから無いハズ)」と言う。ならば、と率直に滞納額が218万にもなっていることを話したのだが、とくに驚かない。ということは、全く知らなかった、ということはないだろう。

だいたいが、一緒に暮らしていれば、いくら「家賃は旦那が払うことになっている」と言っても、払っているかいないかは気配で判る。

私は、その滞納者、「払えなくて払わないのではない」、と見た。子供が元気で明るすぎる。自分たちは「食うものは食っている」のだ。

「主人が毎月少しずつ返しているんじゃないんですか?」と惚けるんで、「この3ヶ月は6万4千円の家賃に対して7万払ってもらっていますが、例え毎月2万ずつ上乗せしても100ヶ月以上かかります。それでは追いつきませんよね。今後どうするか相談する必要がありますので、なるだけ早い機会に当社までお越しください」、と伝えた。

旦那は家主さんの督促に「その場凌ぎの言い訳」をしているとのことで、旦那も旦那だが、まあ、女房のほうも「相当な玉」である。

私が「無理」だと思う理由、ハートも責任感も無いから、である。

言葉や様子から「ご迷惑をお掛けしています」「申し訳ありません」という気持ちが全く伝わってこないのだ。家主さんの「人がいい」のに乗じているようにも取れる。それは少なからずあるだろう。

全く払ってこない、のでなく、少しずつ払ってきて結局は滞納が嵩んでいく、というのが一番まずいパターンでもあるし、本当に難しい。

だが、かっこイイことを言うようだが、賃貸管理をしていて「私にしか出来ない仕事」「他の誰にも真似できない仕事」というものがある。

先日退去したA棟の入居者も36万滞納しているが、そちらは私が確実に回収するつもりだし、間違いなく出来る。余裕で出来る(*^^)v


家主さんの依頼は困難、と判っているが、最善を尽くして、家主さんに「大手より、ちっちゃい不動産屋のほうがいいな」、と言わせたい。
posted by poohpapa at 05:14| Comment(6) | 嫌な客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapa様おはよう御座います。
自分自身には甘く、他人には無関心で冷淡な人がいますよね。
私は人と会話する事が好きですが、横柄、傲慢な方、頭の回転の鈍い方に、話しを続けるのは苦痛が伴います。

相手が理解出来る様に言い回しを変えてみたり、身振りを加えてみたり、声の大きさを変えてみたり、会話のスピードを落としてみたり…

でも、相手がウンザリした顔をして『もうエエわ!』と吐き捨てると、無力感で心が寒くなります。
とてもパパ様の様には、私はなれそうもありません
{{{{(+_+)}}}}


パパ様には【必殺取り立て人《人情派》】の称号を謹呈させて頂きます
m(_ _)m ヘヘー
Posted by 街のクマ at 2009年02月13日 08:08
クマさん、おはようございます

私は「怖いほど短気な面」と「気が遠くなるほど気が長い面」の両方を持っています。もちろん、お天気屋、というのでなく、それを相手によって使い分けるんですね。その辺りはクマさんと同じです。

ただね、セオリーどおりにやれば「人は必ずこう動く」というなら、誰も苦労しませんよね。相手も生身の人間で、個性もあります。

言えるのは、どうしたところで「通じない相手には通じない」ということで、その場合は「いかにして被害を最小限で止めるか」になります。

ま、ここからが腕の見せ所、であります(*^^)v
Posted by poohpapa at 2009年02月13日 08:16
今まで120か月で滞納してきたものなので、100か月で回収できるかも。
でも管理会社のエイブ○は、頬被りしたままお咎めなしなんですか?
不良賃貸者大絶賛の管理会社ですね。
Posted by ハリケーン at 2009年02月13日 10:10
ハリケーンさん、こんにちは

歯医者さんで、よく言われる台詞と同じですね、

「なんで、こんなになるまで放っておいたの!?」、であります。

40万の貸家の家賃を5ヶ月滞納した、ってんじゃなくて、10年間のうち(更新料も払ってないし保険も入ってないし)3年間もタダで入っていたことになります。500円のラーメンに換算すれば、無銭飲食4364回分になります。立派に実刑モノですね。

6万4千円の家賃に対して毎月10万振り込んできても5年以上かかります。金額も無理だし、毎月も無理です。契約解除しかありません。

1週間以内に話し合うつもりでいますが、これだけの金額ですから、家主さんとしても債権放棄はツライでしょうね。それにしても、エ◎ブル、「ちゃんと仕事しろよ!」、と言いたいものです。
Posted by poohpapa at 2009年02月13日 12:42
私も先日32万円の回収に成功したところです。
その入居者も、滞納するようなタイプの人ではなかったので、話し合いをして月2万上乗せで払っていただくことで了承していただいていたんですが、ソレすら1度か2度で止まってしまって・・・
「友達の車をぶつけてしまって修理費が」とか「車に置いたバックを盗まれた(←給料がソックリ入っていた)」とか。たくさんの言い訳を聞いてきましたが埒あきませんよね。

切り詰めて家賃を少しずつでも払っていこうという意思を見せてくれる人はこっちだって言葉を選ぶし色々事情もあるんだろうと長い目で見れるんですけどね(−ω−)

不景気が続くと不動産屋は苦労しますね。。。

あ。

大手より町の個人の不動産屋の方がいいね  って言われたいですね♪それに関して激しく同意ですww

私も父の会社をこのまま引き続きやっていくことになると思いますが・・・

父が健在なうちはいいですが、父が亡くなった後に関しては・・・

わからないことがあった時等に頼れる人がいないのでコレからも参考にさせていただきますね。
Posted by はなくろ at 2009年02月17日 13:35
はなくろさん、おはようございます

32万の回収・・・、凄いじゃないですか(*^^)v

払ってこない奴って、いろんな言い訳を次から次へと考えますよね。「お、今度はそう来たか」と呆れます。でもって、バレない、と信じているんですよね。

こちらも、時には騙された(信じた)フリをしたり反論したり、ま、大変な思いをします。

この記事の入居者も、家主さんにいろんな言い訳をしていて、どれも「そんなの家賃を払わなくていい理由にはならんだろ!」というものばかりですが、本人は「充分に家賃が遅れても仕方ない理由になる」と思い込んでいるようです。ウソであるにもかかわらず。

月末までに一度連絡を貰うことになっていますが、こちらから連絡しないと何も言ってこないと思います。そのほうがいいのですけど。

なまじ連絡をくれると叱れませんから。先ず「どうして連絡してこないんだ!」から始めたいですもんね。

3月上旬に、家主さんの御宅で話し合う予定でいます。後で「言った」「言わない」を避ける意味でも。

元々が当社の管理ではないし、当社で入居させたワケでもないので、その分気楽ですが、家主さんの為に出来る限りのことはしたいと考えています。なんせ、人柄の良い家主さんなので。

また経過は記事でご報告させて頂きます。ぜひご覧ください(*^^)v
Posted by poohpapa at 2009年02月18日 08:57
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]