もう16年もの付き合いになるTさんもそんな一人である。
最初は西国分寺の新築同然の2DKに夫婦で入居していたが、会社が傾き、夫婦仲も冷め始め、徐々に酒に溺れるようになった。
奥さんと離婚すると、家賃の滞納が始まるようになった。当社で家賃管理をしているアパートなので家賃を何度も立て替えて、何ヶ月分か溜まると仕方なく連帯保証人(姉)に払ってもらったりしたが、とうとう連帯保証人と相談して(当社で家賃管理をしていない)もっと家賃の安い部屋(1DK)に引っ越させることになった。もちろん、家主さんには事情をちゃんと説明して、全て私にお任せ頂いた。
引越し先でも、一人暮らしの寂しさからか益々お酒に依存するようになったので、お姉さんと私とで専門病院に相談に行ったりもした。
その間、また数ヶ月分の家賃の滞納は続いていたが、家主さんも理解して気長に待ってくださるので、私も根気良く付き合っていた。
酒に酔うと、よく夜中にクレームの電話を掛けてきた。電話を切っても直ぐ掛け直してきて、しつこく絡むので閉口したものだった。
そのTさんが、最近はすっかり立ち直っている。お酒も以前のように滅茶苦茶な飲み方はしなくなったし、たまに自分のほうから「家賃、あとどれくらいで追い付きますか?」と訊いてくれるようになった。
それで思い出した。以前も書いているが、うちの家主さんで、ずっと以前「金融業」を営んでいた方がいらっしゃって、その方のお話。
借金をして、その後に破産などして返せなくなった時、何年かかってもきちんと返済した人は、その後に何か事業を起こしても成功するけど、踏み倒してしまう人は、何をやっても上手くいかないもの。風の便りに噂を聞くと例外なくそうなっているんだとか。当然だろう。
私は、お姉さんがTさんに「アンタねえ、ここまで面倒みてくれる不動産屋さんなんてそうはいないよ。感謝しないと罰が当たるよ!」、と叱っているのを聞いている。もちろん、お世辞だと判っているけど、お姉さんに頭の上がらないTさんは神妙な面持ちで聞いていた。
そうだよ、感謝しないと、ホント、罰が当たるよ〜

最近は、たまに商店街で行き違う度に愛想よく挨拶してくれる。お酒の臭いもしないし、性格もずいぶん丸くなった。
Tさんと根気よくお付き合いしてきて本当に良かった、と思える。
私の周りにも、酔って醜態を晒した挙句、人に責任転嫁する輩は何人もいる。Tさんは「謙虚」だったから、必ず立ち直ると信じていた。
そうだ・・・、近いうち「人材再生不動産」と社名変更しよう(傲慢

ホッとする話です♪
世話を焼いて来た方の『冥利に尽きる』出来事ですよね?
(o^-')b
私の実家も、兄の失業と貯金〓0間近問題に加えて、
弟の、前職の共同経営者破産に伴う、債務肩代わり問題など、
ゲッソリする問題が次々と発覚して来て…
ホンマ、どないしょう?
|||(-_-;)||||||なのでした。
私も今後、速やかに病院費用を精算し、収入の殆どを実家に渡す事になります。
両親が死ぬ時に、惨めな思いだけはさせぬ様に頑張らないと…
先に逝く親不幸を回避出来たついでです(爆)
みんな、いろんな問題や悩みを抱えて生きているんですね。そんな中で、周りの人から「力になってあげよう」と思わせる人徳が備わっている人が生き残れて、幸せな人生を歩めるんだと思います。
Tさんも、そういう人だったんです。そして、Tさん本人より、お姉さんが偉かったと思いますね。あのお姉さんが連帯保証人でなかったなら、私も、ハナから見切りをつけていたかも知れません。
誠実に人と接し、対応していれば、天も人も見放しませんよね(*^^)v
うちでも、自社物件に入居していた男の人で、一時は丸1年分くらいの滞納がありましたが、給与天引きで会社に払ってもらうようにしてなんとか追いつきました。時間はかかりましたけど。
それも途中でその会社を辞めてしまったので半ば諦めていたんですが、ソレまでとはウソのように「○日に必ず入れるんで待って下さい」って電話をしてくるようになったんですよね。
会社を辞めてからも1年半ほど支払ってもらってやっと追いついたところで退去しました。
無断でネコを飼っていたこともあり、補修代も嵩んだんですが・・・
それも退去後に振り込んでくれました。
何が彼を変えたのか知りませんけど(←残念ながらはなくろ不動産のおかげではないです)今のアパートでは滞納も無く立派に生活しているんだろうと思うと・・・親心のような気持ちになりますね〜(^^)いい年のオサーンだけどw
立ち直ってくれるのは嬉しいものですよね。この仕事していて良かった、と心から思えますもん(*^^)v
それに対して、いろいろ便宜を図ったり、上手く家主さんとの間に入って調整していたりしたのに裏切られたりすると、ガックリきます。
それにしても、はなくろさんも気が長いですね。仰るように、何か心境の変化に至る「きっかけ」があったんでしょうね。私には知る由もありませんが、その真相にはとても興味があります。
きっと、今はもう滞納なんかしてないでしょうね。
ま、そういう人は「払えるのに払わなかった」のでなく「払いたくても払えなかった」のでしょうし、本人はさぞかし辛かったことでしょう。
はなくろさん、本当にお疲れ様でした。