先日、えびけんさんのコメントに、「テレビで追い出し屋特集というのをやっていた」とあったので、自力救済について書こうと思う。
「自力救済」というのは、合法的な手続きを踏まずに「実力行使」に訴えることをいい、我々の業界ではよく用いられる手段である。効果は大きいのだろうが危険も伴う。暴力的に、でなく、法的に。
一番多い例が、家賃滞納者のドアの鍵を交換して部屋を使用できなくすることで、次いで、ドアへの貼紙。どちらも、何度連絡をしても支払いが無く折り返しの連絡も寄こさない、というケースに多い。
だが、鍵を交換する為にはドアを開ける必要があるから、居住権の侵害だけならまだしも、不法侵入を問われることにもなりかねない。
以前問題になった「スマイルサービス」のように、「当社は、部屋ではなく鍵をリースしているのであって、鍵のリース料を滞納されたから鍵を交換しただけ」なんて言い訳は、もちろん通用しない。
ドアへの貼紙も、「至急連絡乞う ◎◎不動産」までならギリギリでセーフだが、「家賃の件」とか「まだ振り込まれてないので至急振り込んでください」などと具体的に書いたらアウト。第三者が見て「ここの住人は家賃を滞納しているな」と連想されるような内容だと名誉毀損で訴えられかねない。「名誉毀損」は刑法の犯罪になる。下手をすると免許に傷が付く。以前も書いたが、悪質な入居者は「それを知っていて、業者や家主の失点を待っている」可能性もある。
言うまでもなく、悪いのは振り込みも連絡もしてこない滞納者のほうなのだが、それでも、法的な手順を踏まないで排除しようとすると、逆にこっちが犯罪者にされる可能性もあるから、何とも理不尽だ。
私がこの業界に入った頃、先輩業者から「家賃を滞納されたら、本人と連帯保証人の両方の職場に内容証明を送ると殆ど払ってくるよ」、と教えてもらって、やってみたら連帯保証人が直ぐ振り込んできた。先日の講習会で弁護士の先生が言うには、それも「自力救済に当たる」とのこと。滞納者が法律に明るくなくて私は救われた^_^;
では小額訴訟という方法はどうか。「債権が60万以内なら普通の裁判より簡単」なのでよく利用されるが、小額訴訟ではあくまで「債権の存在を認めてもらえる」までのこと。支払うかどうかは相手次第で強制力もない。強制執行まで求めるなら裁判を起こすしかない。
ならば普通に裁判して立ち退かせるまでに最低どれくらい掛かるかというと、執行官の人件費、運送代、貸倉庫代等で約200万とか。執行までにも滞納額は嵩んでいくだろうから全く割に合わない。
だから「ついつい自力救済という危ない橋を渡ってしまう」んだろう。
だが、それで逆に訴えられたら、滞納家賃を貰い損なうだけでなく、損害賠償まで支払わされて、免許にまで傷がつくことにもなる。
要するに、悪質滞納者にかかったら殆ど「お手上げ」になるのだ。
まともな入居者も悪質滞納者も同様に居住権がある、というのが間違いであって、義務や約束を果たさない者に同じ権利が認められているのはどう考えてもおかしい。まともな入居者は「居住権」などと騒がない(騒ぐ必要が無い)が、滞納者はやたら人権を盾に取る。
昔と違って、必ずしも「家主は強者で借主は弱者」、とは限らない。貸す側にも「同じ重さの人権」を認めなければ不公正になるだろう。
我々も自力救済なんて好き好んでするものではないし、したくはないが、どうにも不誠実な入居者にはしたくなる時もある。滞納したまま連絡も寄こさないような悪質な入居者には「無銭飲食」と同じように刑事罰を与えられるようにならないものか、と、いつも思っている。
って、何ら具体的な提言も無く、最後は愚痴だけど・・・
そういったヤカラの法的保護は、ちょっと公平性に欠ける感じですね。
というか、家賃にしろ給食費にしろ、何故払わない?(ヤカラだから?・・・トートロジィ・・・・・)
私の中では、「本当に払いたくても払えない状況」にあって、なおかつ「連絡をちゃんと頂ける方」は、家賃が滞っていても「悪質滞納者」とは思っていないのです。
払おうと思えば払えるのに払わずにいて、連絡も寄こさない入居者が「悪質滞納者」ですね。
同じように滞納していても全く別物です。なので、当然に保護されるべき内容は違ってきて当り前だと思うのですがねえ・・・。
やらなくて良かった…。
こんなご時世ですから、払いたくても払えない人って多いと思います。そういう人達が"悪質滞納者"と同じ扱いされてたら辛いですね…。
でも。
やっぱり、払うべきお金な訳だし。無銭飲食は捕まるのに、家賃滞納は…。
久しく使ってない頭がパンクしそうです(^_^;)
やりがいもあるでしょうが、大変なお仕事ですね…。
ははは、やらなくて大正解でしたね(*^^)v
たぶん、逆に訴訟を起こすだけの知恵もカネも無かった、とは思いますが、危険なことはしないほうがいいですもんね。
「払いたくても払えない」のか、「払えるのに払わない」のか、は直ぐ判ります。なので、誠実で気の毒な滞納者にはうるさく催促しません。
ま、連絡をくれるかどうか、で判断します。こっちから電話するまで知らん顔しているようじゃダメですね。アウト、です。
最近も凄く嫌なことがありまして、正直なところ「殺したろか!」くらいに腹が立ってますけど、まあそれでも、生まれ変わっても私はこの仕事してるでしょうね。私の天職だと思います(*^^)v
入居審査する時に、この人は悪意ある滞納をするかもしれない・・・と思い始めると正直怖くなります。
この業界歴がまだ浅い私には尚更です。(素人に近い・・・)
とんでもない輩にこの先出会うでしょうが、不安な反面、楽しみ?でもあります^_^;」
これもpapaさんのおかげ?なんですけどね^^
本音では、毎日何度も「自力救済」したい衝動に駆られています。おかしな「人権」の解釈によって真っ当に生活している人の権利が脅かされることなど有ってはなりませんもんね。
悪質滞納者(入居者)に共通してるのは、「自分さえ得をすればイイ」、という考え方。「自分がこういうことをすると、同じ会社の人、同じ業種の人、同じ状況や立場の人に迷惑を掛けることになる」なんて意識はサラサラないのです。
私も、明日の記事で書きますが、生活保護者の部屋探しに協力するのは止めようかな、と思い始めています。「一人ダメなら皆ダメ」、ってことはないのですがねえ、あまりに酷くって・・・。