2009年03月02日

余計な知恵を付ける奴がいて困る

先日の「人の好い家主さん」の滞納家賃請求の話。

もっとも、エイ◎ルが管理していたB棟の218万のほうではなく、A棟の退去者の36万のほうの話。ま、どっちにしても凄いけどわーい(嬉しい顔)

私が精算書と請求書を移転先に送ると、「住所に尋ね当たりません」ということで還ってきてしまったので、仕方なく連帯保証人である母親の元に送ったのだが・・・、直ぐ母親から抗議の電話があった。

「息子がそんなに滞納していたなら、もっと前に言ってくれるのが当たり前じゃないですか。知り合いの誰に訊いても『そんなものは払わなくていいんだよ』と言っています。だいいち、時効でしょう?」

それだと「払いたくない」と言っていることになるのだが、この母親は元々そんなことを言うような人ではない。話せば解かる人である。

だが、こういう場合には例え正論を言っても理解はされない。

それで、一通り言い分を聞いた後で、こう話した。

「そうですよね、私も、いきなりそんな請求書を送ってこられて『さあ払ってくれ』と言われたら納得はしません。元々その請求書は息子さんに送ったもので、戻ってきてしまったので仕方なくご実家にお送りしています。なので、お母さんに払って頂くつもりはありません。本来は滞納していた息子さんが自分で払うべきものです。それに、家主さんはよく間違えます。もしかすると、請求内容に錯誤があるかも知れません。お母さんのほうに振込みの控えは揃ってますか?」

既に成人して結婚し子供も設けている息子の家賃を母親が時々振り込んでいたことも、この母親が振込みの控えを全部取ってあることも知っている。だが、知っていてあえて訊いたのにはワケがある。

照合してもらって家主さんに間違いがあったなら、間違いを修正してやれば「払わない」とは言えなくなる。「間違ってなかった」と言ってきたなら尚のこと。「滞納」を相手に確認をさせるのが目的なのだ。

つまり、自分で確認したなら「そんなの払わなくていい」との言い分は吹っ飛ぶことになるから、確認作業をする約束をした時点で、相手には自動的に「支払う」という選択肢しか残らない

ま、「分割にしてくれ」くらいは言うかも知れないが。

控えはちゃんと取ってあるのだから、近いうちに連絡をくれるだろう。そうすれば、一括が無理でも必ず払ってくれる人なのだ。

私は、こうも言っておいた。

「家主さんはお母さんのことをとても信用していますから、家賃の遅れがあっても督促などせずに気長に待っていたんだと思いますよ。他の入居者のケースでは直ちに私に督促の依頼がありましたから」

他の入居者には直ぐ請求してるのに自分には請求せずに待っていた、と言われれば優越感をもつだろう。ふつうの人間なら「信用している」と言われて「払わない」とは言えなくなるだろうし。

本来は息子がきっちり支払っていれば何の問題も起きなかったのも事実だし、以前、風呂釜を空焚きして浴室を燃やしてしまった時も、本来は入居者負担になる修理代を家主さんが出してくれている。

そんな話を遠回しにしたが、説得しようとはしなかった。すれば逆効果になる。理屈で説得しようとするのは一番拙い方法である。

まあ、母親も、言うだけ言ってスッキリしたことだろう。不甲斐ない我が子にぶつけたい憤懣を私に向けてしまう気持ちはよく解かる。


こんなケースでは、「解かったようなこと」を言って無責任に知恵をつける輩が必ず何人か現れる。それで更に話が拗れてしまっても、そういう奴が「ちゃんと責任を取った」などという話は聞いた例がない。

その母親も、「悪い知恵」を付けられたりしなければ、お詫びと共に直ぐ振り込んできたであろう。結局は払うことになるのに、つい乗ってしまって評価だけ下げられるのだからつまらない。

自分に都合の良い進言をしてくれる人は「その時は有り難い」ものだが、やがて災いをなすことにもなりかねない。

私は「滞納家賃を払わせよう」としているのでなく「滞納家賃を清算することが自分の為にもなる」ということを解かってもらえるように話しているだけである。それこそが三者の利益に繋がるのだから。
posted by poohpapa at 05:00| Comment(6) | エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いくら自分の賃貸料じゃないにせよ、本来払うべきものに対して「時効でしょう。」は凄いですね。
これを逆ギレと言わずして・・・
ゴネ得というのを、本当に得だと思える倫理感のなさはどうなんでしょうか。
Posted by ハリケーン at 2009年03月02日 10:00
今日のお話、大変参考になりました。
母親にされたお話の進め方は流石です。
無責任に横槍を入れてくる輩や
理不尽な言い訳をする入居者には
私も参っております。
でも、それが仕事ですからね〜^^;
Posted by cisco at 2009年03月02日 11:12
ハリケーンさん、こんばんは

実は、この「時効」という言葉、長期に亘って滞納している入居者がよく口にする言葉です。「お前が言うか!」って思います。当事者が言える話(言葉)ではありませんよね。

だいたいが時効にはならないのです。順々に詰めていきますから、もし家主さんが全く督促を怠っていたとしても、1年以上滞納していて、なおかつ1年以上前の分だけが時効になるだけの話です。そこまで滞納する人、ほとんどいませんし、いたら追い出されます(*^^)v

※ 「家賃の時効は1年」でよかったでしょうかね??^_^;

ゴネ得、という言葉は、たしかに「得」という感じを使いますが、あくまで一時的な「得」でしかない、と私は思います。

Posted by poohpapa at 2009年03月02日 21:11
ciscoさん、こんばんは

これね、滅茶苦茶な言い分であっても、先ず相手に言わせるだけ言わせないとダメなんですね。

以前は私も、明らかに相手が間違っていると思われた時には相手の話を遮って自分の主張を展開していましたが、愚の骨頂でしたね。

正悪は別にして先ず相手の立場や気持ちに同情するところから始めないと、導入部分から対決姿勢一辺倒になってしまって、解決の糸口さえ見つけられなくなります。

この母親は、子供をとても可愛がっていて、結局は自分が出すしかない、と判っているのです。ですが、ただ請求されたから払う、ということに納得がいかない、悔しい、と思っているから、私が鬱憤のはけ口になってあげることで諦めがつくんですね。払ってもいいけど言わせてくれ、って思いでしょう。だから聞いてあげればいいだけのことですね。

要は、「払う気にさせれば勝ち」なんですから。

と、偉そうに言ってますが、ここに至るまでにはどれだけの失敗をしたことか・・・^_^;

「参考になった」と仰って頂けたなら記事を書いた甲斐があります。
有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2009年03月02日 21:54
家賃の時効は支払い期日から5年ですよ!
飲み屋のツケは1年で時効です(汗)

私もとあるアパートの1年半の一部分家賃未納について困っています。

話飛びますが質問させてください、うちの県は既存住宅の住宅用火災警報器の設置期限が今年の5月末までなんですよ。
関東はH22年だったような。

そろそろ動いてますか?
面倒臭い・・・
Posted by mallory at 2009年03月03日 15:16
malloryさん、こんばんは

へえ〜、そんなに長いんですか??
なら、滞納家賃が時効になるなんて、現実的には有り得ませんね。と言うか、自分で滞納しておいて、或いは連帯保証人が「時効では?」と言うのはマズイでしょうね。時たま言われるんですけどね、私は^_^;

滞納は、少しでも払って欲しいと思いますが、なまじ中途半端に払われても(裁判になった時に)不利になったりするんで、複雑ですね。

火災報知機の設置完了義務・・・、東京はH22年4月1日になってますね。千葉県全域と埼玉県の殆どの市町村では期限切れになってるみたいです。神奈川が一番遅くてH23年です。

家主さん自らが早めに設置なさっているケースが多いですね。

ご教授、有り難うございました。助かります(*^^)v





Posted by poohpapa at 2009年03月03日 19:46
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