家庭裁判所の審判には傍聴席は無く、証人は待合室で待たされます。審判の具合では長時間待たされることもあります。私の場合は審理が始まって1時間ちょっと待たされた後に呼ばれまして、出番はわずか3分ほどでした。トホホ、であります(*^^)v
待合室にはテレビも新聞も無く、スチール家具の本棚に雑誌が少々。漫画の「コロコロ」とか「ペットの育て方」とか・・・^_^;
8畳くらいのスペースの待合室にいると、そこには、別の審判で審理を受けている子の両親や家族と思しき人も出入りしていて、人目を憚らず号泣してました。肩を震わせて泣いていた家族も・・・。
あるご夫婦と弁護士さんが入ってきて、私の前で戦略を練っているのが聞こえてしまうのですが、中には弁護士さんのこんな話も・・・、
「何がイケナイって、タバコはいけませんよ、タバコは。何といっても彼はまだ16歳なんですから、タバコは止めさせないと・・・」
両親は「ああ、そうですね」と答えてましたが、オイオイ!、です。
とくに「親に問題アリ」という感じの人はいなくて、ごく普通の親なんですね。その普通の親の子が、何かのボタンの掛け違いで非行に走ってしまうのですね。いろんな人間模様を垣間見た気がします。
で、私が最も驚いたこと、それは・・・、
裁判所の調査官も裁判長も、それはそれは人間味豊かで、ある意味、実の親よりその子のことを考えている、と思えるくらい行き届いていたことです。私は、自分では「よく気が付くタイプ」と思っていますが、とてもとても「そんなレベル」ではありませんでした。
正直なところ、法に則って事務的に対応しているもの、とばかり思っていましたが、「どうすることが一番本人の為になるか」をいろんな角度から考え、そして本人や家族ともよく相談しながら進めるのですね。皆さん「ハート」があって親身で、とても感動しました。
裁判所のお世話にならないで済めばそれに越したことはありませんし、一般市民は滅多に接する機会がありませんので、稀に冤罪事件などが起こると、その部分だけで裁判所を批判したりしていますが、こういう方々の陰の努力で日本の裁判制度とか法治国家としてのシステムが支えられているんですね。裁判所を出る時は清清しい気分でした。
空室募集広告を打った初日でしたから、開店休業になるのは辛いものがありましたが、とてもいい経験をさせて頂きました。
と言うより、「全部ひっくるめて、これが私の仕事」なんですね。
私は、「人間、50歳を過ぎたら、そこから先は、自分の仕事を通じて社会に恩返しすべきもの」、と思っているので、こういうことで時間を割かれても全く苦にはなりません。
いつもは、家主さんに対して「不動産屋をタダで使おうとするな!」と心の中で怒っていますが、それとこれは別物です。
綺麗事でなく「困っている人の役に立って、心から喜んで頂ける」、ということだけで、「生きていて良かった」と思えます。
ま、私も常に正しいことだけして生きているワケではありませんので、ただ帳尻を合わせているだけの話、なんですけどね(*^^)v
【関連する記事】
> 自分の仕事を通じて社会に恩返しすべきもの」
ウチの親父は商売人なんですが、その親父の名刺に書かれてある言葉を思い出しました。
確認してみると、親父が作ったのか「商売十訓」というのが書かれてあって、
1. 欠損は社会の為にも不善と悟れ
1. 店の発展を社会の幸福と信ぜよ
などと書かれてありました。
私はまだ修行中なのでそこまで悟りを開けていませんが、どの業種にもいえる共通のものってある気がしました。
裁判所、法律の先生のすすめで見学に行ったことがあります。犯罪を犯した人というのが、どのように裁かれているのか・・・。大人であれば、一度だけでも見学すべきだと感じた次第です。それだけ得られるものがある、と。
裁判員制度はいろんな意味で情報が正しく伝わっていない制度だなと感じています。高校生ぐらいからは、見学を義務化する「教育の一環」にしてほしいとも。
社会に生きるという根本的な教育が、今不足しているのではとも感じた次第です。
・
・
・
うーん、堅い文章を書いてしまいました。スミマセン(^^;>
商売には(正しい)ポリシーというものが絶対必要ですね。基本的に、忠実に守っていれば、波はあっても潰れたりはしません。
大切なのは「ぶれない」こと。ぶれたらお仕舞いです。
<<裁判所、法律の先生のすすめで見学に行ったことがあります。犯罪を犯した人というのが、どのように裁かれているのか・・・。大人であれば、一度だけでも見学すべきだと感じた次第です。
全く、仰るとおりです。社会科見学で工場などを見るのもいいですが、裁判の模様や刑務所等を見学するのはとても意義深いことですね。
<<裁判員制度はいろんな意味で情報が正しく伝わっていない制度だなと感じています。高校生ぐらいからは、見学を義務化する「教育の一環」にしてほしいとも。
中学生くらいでは理解することが難しいでしょうけど、コロラドさんが仰るように高校生になったら是非とも見学してほしいものです。
どうもテレビドラマの影響からか、裁判所に対して固定のイメージが出来てしまっていて良くありません。
そうだ・・・、裁判所のことを心配しているより、不動産業界のイメージを何とかしなければ・・・(*^^)v
私も今年、大家さんを相手に支払督促訴訟を
経験しました。
残置物処理費用の督促でしたが
裁判長が人格者で、大家さんを諭してくださって
請求通りに支払って頂けました。
弱きを助けの言葉通りの裁判長でした。
「不動産屋をただで使うな!」
激しく同感します。
今日も定休日なのに、鍵交換に行ってました…
シリンダーだけ買ってきて
オタクが交換したら安いやん。
確かに。。。
愚痴ばっかですみません。
早寝の私が、この時間もまだ起きています。ゴミ処分代を出させておいて、約束を守らず踏み倒そうとしている退去者の連帯保証人との遣り取りを思い出していて、どう取り立てようか、と思案していました。
カネだけでなく、精神的な苦痛に対する慰謝料でも請求したい思いです。最近はこんなのばっかで嫌になりますね。
ところで、ciscoさんのケース、訴訟の相手が家主ということでは、その後の付き合いも切る覚悟だったんですね。不動産業者がそこまで思いつめるのはよくよくのこと、とお察しします。
裁判長がいい人で良かったですね。判事さんて、けっこう良識的、常識的なんですね。今回の件で私も認識を改めました。
鍵交換・・・、簡単なんですから家主さんが自分で憶えて、自分で取り替えるとかローテーションすればいいのに、とは思いますね。幸い、当社の場合はリフォーム業者がやってくれるので助かっていますが。
お休みをつぶされて大変でしたね。休んだ気がしませんよね。私は、休日には極力、店の前を通らないようにしています(*^^)v
ホント、お疲れ様でした。
裁判所のイメージを悪くしているのは最高裁とか一部頭のお堅い人のせいかもしれませんね。もちろん裁判内容にもよるのでしょうが。
いえ、ホント、実に物腰柔らかく、腰が低くて驚きました。審理に先立って調査官の方と打ち合わせさせて頂いたのですが、とにかく「先ず本人の為にどうすることが一番良いか」を親身になって考えてくれて、その間にも「これらの費用は皆さんの税金で出させて頂いてますので、無駄なく有意義に使わなければ」、などと仰います。
頭が下がります。
これ、地方(裁判所)→高等(裁判所)→最高(裁判所)、て感じで、次に行くほど格が上がる、というイメージなのがイケナイのでは、と思いますね。一次→二次→三次、でいいですよね。
家庭裁判所はそれらの枠から離れているので、審理を差し戻されることもないし、比較的大らかでいられるのかも知れませんね。
たしかに、それでも、あまりお世話にはなりたくないものですが^_^;