2009年06月15日

いずこの町も同じなのに・・・

夕方、そろそろ帰ろうかな、と思っていたところに来客。

当社に何度も来ている障害者の女性である。仔細は書かないが、いろんな事情が有って、よその市から転入してくる際に相談に乗っていた。最初に来店したのはひと月ほど前のことである。

生活保護も受けているし、一定の条件を満たさなければならないから慎重に話を進め、何件かの物件も案内して、中には気に入った部屋も有ったようだが、数日して電話があった。

「市役所の担当者が『福祉で負担できる条件などを改めて検討するから部屋探しは急がなくてもいい』と言うので、もう少し落ち着いてから改めて伺います」、とのこと。もちろん了解した。

それから3週間ほど経った一週間前の或る日、再びやってきて、

「あの後、他の不動産屋さんで部屋を決めて引っ越したんですが、市の担当者から『その家賃だと全額を福祉で負担することは出来ないので差額の15000円は自己負担してください』と言われて困っています。そんなこと今言われても困るんですけど、どうしたらいいですか」と言う。てことは、最初の電話の内容はウソで、3週間後に既に引越しが完了してトラブルまで発生しているのだから、断りの電話の直後に他社で部屋を決めて契約していたと判る。

私は障害者の方に部屋を案内する時には、管理会社や家主さんに相談して先に了解を取りつけていたりする。部屋を気に入ってもらっても審査が下りないケースがあるからだ。問い合わせや交渉の様子はお客さんも側で聞いていて当然に知っている。

でありながら、何事も無かったかのようにトラブルの相談だけ持ちかけてきているのだ。それは、いくらなんでも図々しいだろう。

私は生活保護の方の部屋探しは何度も手がけているので条件等はよく解かっているし、相手の状況を見ながら物件を選んで紹介しているが、部屋を決めた業者はお構いなしに部屋を勧める大手である。トラブルは業者と起こしているワケではないが、業者にも責任があると言えよう。

「だからあれほど説明したではないか」と言いたい気持ちを抑えて話を聞いていると、このお客さんは勝手なことばかり主張し始めた。きっと市役所の職員も閉口していたであろう。

市、というより市役所を転々としていて、それぞれの市の担当者への不満を口にする。自分がいかに大変な思いをしているか、市の担当者が無理解(??)であるかを延々と語る。

「自分はまだ若いから、1階の部屋だと事件に巻き込まれる可能性だってあるじゃないですか?」とも言うが、私からすれば心配しすぎであって、被害妄想にも思えた。福祉の世話になっている、という自覚に欠けているような気もした。感謝の言葉が全く無いのだから。

で、昨日も一昨日も、「こちらが一番相談しやすいから」とやって来たのだが、本来なら、契約した業者に相談すべきである。

本人は、「差額は払えないから、新しい部屋に移りたいので紹介してください」と言うが、また「担当者と話して条件が変わったから要らない」と言われる可能性もあるので、どうも気が進まない。

差額も払えないし引越し費用も無い、とのことだから、どのみち福祉の世話にはなるのだが、本人は市の担当者と話したくないと言う。

「上から目線で『そんなこと言っても、知りませんよ。これ以上の負担など出来ませんからね』って怒るんですよ、考えられますか。今までどこの町に行ってもそんな言われ方したことありませんよ」と言うので、「だったら引っ越さなければ良かったじゃないですか」と言えば、「前の町でも別の意味で嫌なことがありましたから」だと!

要するに我が侭なのである。せっかく就職したのに僅かなことで不満を抱いて職を転々とする人に似ている。税金での負担が無いだけそのほうがよっぽどマシだが。

それで、「どこの市でお世話になって、どこの町で暮らしても嫌なことはあります。どこに行っても不満はあるものだろうから、少しは辛抱しなければなりません。先ず担当者に、今より安い物件への引越し費用を市で負担してもらえるかを訊いて、それが無理なら、なんとか差額負担を免除してくれるよう頼んでみてください。どちらも断られたらお手上げになります」、と伝えた。

「だって、15000円も自己負担したら友達に会うことも子供に会うことも出来なくなるじゃないですか」と言うが、私は知らない。

冷たいようだが、そもそも役所の担当者の話も私の助言も聞かずに勝手に部屋を決めてしまった本人の責任である。それを税金で尻拭いさせられるのは、私としても本音では納得いかない。

相談してくるのは全く構わないが、親身に相談に乗っていたのに他社でサッサと決めていたのだし、(トラブルが起きるまで)連絡も無かったし、何より、断ってきた電話にウソが有ったのが赦せない。トラブルが起きてなければ一切の連絡もしてこなかっただろうし。

儲けさせてくれなくても構わないのだが、この客も・・・、




「俺は依頼者の嘘は赦さない。俺が依頼者の前に二度姿を現す時は依頼内容に嘘が有った時だけだ」ズン!(←銃の消音器の音)

くらい言って消してしまいたいくらい不快である爆弾



posted by poohpapa at 06:23| Comment(16) | 嫌な客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よく分かります。
さんざっぱら干して置いて困った時だけ、「仕事をお願いします」と電話してきて、挙句の果ては、「安くして下さい」、というのがあるんですよね。
本当は受けたいんだけども、「お得意さんよりも安くするわけには行きません!」、と断ったりすることがありました。
おかげで、その会社から電話がかかってこなくなりましたが。
Posted by occhan at 2009年06月15日 08:04
ワタシの場合、そういう客にはずどんと一発撃つことに…じゃなかった、理詰めでじっくり話をした上で、「裏切ったのはあんただ」とはっきり申し上げてお取引をお断りしてます。もう今やお客様が神様だった時代は終わっていると言うのが自分の持論です。
Posted by びくやま at 2009年06月15日 08:19
Aさん「どこの社会(学校や会社など)でも、いつも上司や教師からいぢめられるんです。」
老師「どこでもかのぉ?」
Aさん「どこでも、いつでも、誰からもですっ!」
老師「・・・(それは、社会の方に非があるんじゃろうか?)」

結論、自分はもっとできる子なので、認めない社会が悪に違いない。
・・・マジで?
Posted by ハリケーン at 2009年06月15日 09:16
生活保護の打ち切りとか良く問題になりますが、これは役所の担当者を応援したくなりますね。

碌に相談せず勢いで決めて後からゴネられてもねぇ〜 まぁお客にならなくて良かったと言うことで!ズン!(爆)
Posted by おやぢ at 2009年06月15日 11:00
はじめまして。いつも楽しく見ています。

生活保護もらって生活できているだけで国には感謝していいと思うんですが・・・。
ましてや自分のミスを国になすりつけようなんて。
自分のミスだとも思ってないんでしょうけど。
そんなに友達と遊びたいのなら、友達に負担してもらったらいかがでしょうかねえ。

私にはこのような人に対して、冷静に対応することなんかできないです。
怒りを抑えきれずにこんな駄文を書き込んでしまうぐらいだから。
ストレス溜まるでしょうね…。
Posted by 3ster at 2009年06月15日 13:18
保護してもらっているということに麻痺してるのかな?
どういう理由で生活保護を受けているのかわからないので
迂闊なことは書けませんが・・・

Posted by けろけろ at 2009年06月16日 03:48
occhanさん、おはようございます

よくありますね、そういうの。普段は音沙汰なしで、困った時だけ頼ってきて、それも落着するとまた長いこと音信普通になる人。

ただねえ、それで「安くして」はどうよ、と思います。そういう場合は「言い値」で受け入れるか、もっと言うなら「色を付けて当たり前」だと思います。向こうからそう言ってくれれば逆に「吹っかけたりはしないもの」ですよね。それが人情ですもん。

最近は、そういう「心」が解からない人、増えましたね・・・。
Posted by poohpapa at 2009年06月18日 07:17
親方、おはようございます

「お客様が神様かどうか」と言うより元々が「対等」なんだと思います。おカネを払うのは客ですが、店側もそれに見合った商品やサービスを提供しているのですから、どちらが上、は有りません。

個人商店なので、お引取り願う、ということまでは出来ませんが、あまり相手したくない客であることだけは事実です。

他社で決めた、ということが、でなく、平気な顔で来られることでアウトですね。しかも、閉店時間に、ですから。

三波春夫・・・、歌は好きですが、とんでもない非常識な価値観を遺してくれたもの、と私は怒ってます(*^^)v
Posted by poohpapa at 2009年06月18日 07:28
ハリケーンさん、おはようございます

ご本人は真剣に「暴漢に襲われたら怖いじゃないですか」と言います。おそらく「私はまだ捨てたモンじゃない」と言いたくて、相手(私)にも認めてもらいたいんだと思います。ま、女心としては解からないではありませんが、現実が解かってないと部屋探しも難航します。

私は、今までいろんな市役所の福祉担当者から冷たくあしらわれた(?)のが解かるような気がしますね。不平不満を言う前に、「お世話になっています」という感謝の心を持ってないと、結局損をしますね。
Posted by poohpapa at 2009年06月18日 07:42
おやぢさん、おはようございます

<<これは役所の担当者を応援したくなりますね。

実は本音では私もそう思っています(*^^)v

立川市の市役所、とくに生活福祉課は「あまりいい仕事はしていない」と日頃から思っていますが、それも担当者によるところが大きいのと、最低限のルールに基づいて動いてはいるでしょうから、不満を言ったらキリがありません。

「足りるを知る」、という考え方をしてくれたらいいのですが・・・。
Posted by poohpapa at 2009年06月18日 07:56
3sterさん、おはようございます、初めまして(^^♪

この方は、自分は重い障害者、と一面では思っています。実際には日常生活は介助なく一人で問題なく送れるのと、仕事も出来ますが。

「自分はこんな大変な状況であるから市役所が自分の要望どおりの結論を出してくれないのは納得いかない」と不満に思っていますね。

私も、各人の障害の度合いに応じて社会が援助することは当然だと思っていますが、全員の希望を叶えたなら公平公正でなくなります。

障害者も、自分で出来ることは介助や保護を求めず、ある程度は自分ですることも必要になります。福祉に頼り切っていてはいけません。

「仕事をした収入は保護費から引かれる」と不満も漏らしいましたが、障害者の方が働くことの一番の目的は収入ではありません。ましてや保護費の原資は税金ですから差し引かれるのは致し方ないでしょう。

って、そういうことを書いていたら、以前、他の人のサイトで「あの人は自分が五体満足だから障害者の気持ちが解からないんでしょう」などと書かれてましたが^^;

3sterさんが仰るように、 大切なのは、先ず感謝の心、ですね。

私も、気が短い一面を持っていますが、それでもこの仕事を続けていられます。3sterさんにも出来ますよ、きっと(*^_^*)
Posted by poohpapa at 2009年06月18日 08:21
けろけろさん、おはようございます

私のことを「相談しやすい」と思って頂けることは嬉しいのですが・・・、たぶん、いくら相談に乗っても感謝はされない、と思いますね。

私は、そういうことで見返りも手数料も求めませんが、感謝の気持ちが伝わってこないと非常に虚しいものがあります。

自分が福祉のお世話になっていることで卑屈になる必要はありませんが、謙虚である必要はあると思います。不満が先に立つから何をしてもらっても感謝もしません。

キツイようですが、障害があるのは体ではなく心、だと思います。
Posted by poohpapa at 2009年06月18日 08:51
うわー・・・・なんか歪んでますね(汗)
市の職員も契約の際には条件とか説明してるはずですし、本人が聞き逃していた、もしくは勘違いしていた可能性も充分ありそうなケースですよね。

全ての娯楽を捨てろ というのは鬼かもしれませんが、国に生かされてる以上は多少の不自由はしょうがない という心はないんですね(汗)

ただの生活保護者と障害者は違うとは思いますが、ちょっと心が異常な気がしますね。

私も同じ状況になったときそうならないように・・・・

人のふりみて我がふりの参考にしようと思います。
Posted by はなくろ at 2009年06月19日 17:05
はなくろさん、おはようございます

私も、相手をしていてだんだん不快になっていきました。と言うのも、自分の都合だけしか頭に無くて、たぶん、それぞれの市の担当者も出来る限り対応してくれていたと思うのです。でも、感謝が無くて不満ばかりが先立っているので、嫌気が差してしまったと思います。

はっきり言ってしまうと、「他の市に引っ越す」と言われたなら喜んでいるくらいではないかと・・・。今までお相手した障害者の中には「福祉のお世話になるのだから、なるだけ安い部屋でお願いします」という人もいました。そうすると私も一生懸命になります。

いえ、みんなそうだと思うのですよ。ここんとこ来店してないので、家賃の差額の件は決着したのかも知れませんね。来ないのが片付いた証になるものでしょうね(*^^)v
Posted by poohpapa at 2009年06月20日 07:31
いつも記事を楽しみにしています。
私も、不動産関係の為、色々な方とお会いします。

全員ではないけどこの記事の福祉のお世話になっている様な方を見ると「自業自得」と強く思います。
自分のダメなところは一切見えないのでしょうね。
Posted by 美雪 at 2009年06月20日 14:58
美雪さん、おはようございます

正直なところ、「この人が、ちゃんと計画性や目標を持って生きていたなら、今頃福祉の世話になることもなかっただろうに・・・」(そうすれば無駄な税金の支出もなかった)と思うことがよくあります。

定年くらいまで真面目に働いていて、それでも現在は不遇というなら保護して頂くのはかまいませんが、私なんかが見ていて、「こんな人まで皆の税金で保護しなくちゃならないのかよ」という人、けっこういます。本当に保護する必要がある人、半分もいないでしょうね。

もちろん、私の感覚では、ですけど。

少なくとも、卑屈にならなくてもいいのですが、「福祉のお世話になっている」という気持ちくらいは持っていてほしいものですね。
Posted by poohpapa at 2009年06月22日 07:37
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