だいぶ前に録画しておいた「おくりびと」を去年の秋になって観た。
今さら、ではあるが「おくりびと」のお話。
今も山形では「ロケ地巡りツアー」が大人気だとかで、「そんなモン見たってしょうがねえじゃないか」と思っていたくらいだが・・・、途中からずっと泣いていた。登場人物が皆やさしいから、である。
あまりに感動したので、ヤフオクでDVDを落札してしまった。
実は、うちのお客さんに貸して観てもらったのだが、そのお客さんも途中からずっと泣きながら観ていた、とのこと。
シナリオも味わい深く、主役はもちろん、脇役陣も演技派ぞろいで作品を締めていた。随所で「うん解かる解かる、その気持ち」と思えたり、「田舎でよくありがちな会話」があって、リアルで、観終えた余韻も素晴らしく、久々に感動的な映画に出会えたように思う。
唯一の不満は、主人公が奥さんに心配を掛けまいとして、大切なことも奥さんに相談なく自分で決めてしまって隠しているのが不自然かな、と思えたことで、世の中にはそういう夫もいるかも知れないけど、ちょっと水臭い夫婦に描かれていたこと。「それくらい、腹を割って話せばいいじゃん」と思いながら観ていた。
実生活では分からないけど、広末涼子演ずる奥さんがいじらしくて可愛くて、「こんな奥さんだったら最高だよな」と思ってしまった。
それと、自分が死んだ後の状況を何となく想像できるのもいい。うちのや子供たちがどう対処するか、想像するだけでも楽しいし、死ぬのが怖くなくなるように思う。私は元々「死んだら無、あの世も神も無い」と思っていて、死ぬのが怖いとしたなら「どんな苦しみ方をするのか解からない」ということくらい。あ、あと、焼かれるのって本当に熱くないんだろうか、ということ。あれだけは不思議だ。「歯科医院で虫歯を削られる」のと「死んでから焼かれる」のでは、私なら虫歯治療を選択するくらい恐怖、である
そして、もし余命一ヶ月と分かったなら、私は身の周りを整理して、静かにその時を迎えようと思う。「おくりびと」を観た後にインドを旅したからこそ、そう思えるのかも知れないが。
たぶん、これから死ぬまで毎年何回かは観るだろう。心が荒んだり傷ついている時に観ると安らぎを与えてくれる映画だと思う。
鬼平犯科帳にも出てくるが、人間、生れてきて唯一判っていることは「いつかは死ぬ」ということだけ。納棺師・・・、私は「葬儀はしない」と決めてはいるが、それでもお世話になるかも知れない職業だ。
短くても長くても、ま、充実した人生を送れたなら幸せ、と思った。
合格していたのですが、通知が来たのが二日後位で、
その時にはもう就職決めてしまった後だったので納棺士にはなりそびれました
(^^)v
代わりに今は、病院の特別警備やってますから、仕事の日には霊安室の前も一日に六回はウロチョロしますが(苦笑)
この【送りびと】の脚本を書かれた小山薫堂氏は、
たまに飲みに行く南海電車難波駅ガード下に有るたこ焼き屋のオーナーでもあり、
店の女の子と一緒に撮った写真が店内に飾ってあったりします。
小山氏は出身地が父と同じ熊本県の天草なんですが、良い仕事してらっしゃる様です。
送りびとはホント良い映画でした。
大嫌いだったシブがき隊の一員だったモッくんが、こんな凄い役者になるなんて、
映画【シコ踏んじゃった】まで分らなかったです。
映画の中で、主人公が葬儀屋さんに面接に行った時、「給料はとりあえずこんなもので」と片手を示されて、5万かと思ったら50万だった、という場面が出てきますが、本当にそんな給料がもらえるんでしょうかね、気になりました。
納棺師・・・・・、クマさんにはピッタリの仕事だったかも知れませんね。病院の警備と聞いて美人看護婦さんに会えるかも、と期待して病院の仕事を断らなかったのが間違いだったりして(*^^)v
映画の中で、主人公がチェロを弾くシーンが何度も出てきますが、そういう場面ではほとんど音と運指が合ってなかったりして「オイオイ」になることが多いものですが、自然で上手かったですね。そういうところでも「おくりびと」は点数が高かったです。
<<脚本を書かれた小山薫堂氏は、たまに飲みに行く南海電車難波駅ガード下に有るたこ焼き屋のオーナーでもあり、
羨ましいですね。もし私が大阪に行く機会がありましたら連れて行ってください。その時は宜しくお願いします(^^♪