2009年10月30日

日ごろの行いが大切、という見本

あるマンションの家主さんからご相談の電話を頂いた。

「103号室のIさん、どうも内緒で犬を飼っているようですが」

当方から確認して、もし飼っているなら(飼っているのは判っているのだが)「ここはペット不可なので飼わないように」と注意してもらえないか、という依頼だった。

家主さんも以前は犬を飼っていて、動物に対する慈悲や愛情は深いお方だが、約定で決められているのだから黙認するワケにもいかないし、家主さん自身が訊いて「飼っている」と認められたなら可否を直ぐ伝えなければならなくなる。そこで、私の出番となった。

実は、家主さんは「(このまま黙認する形で)認めてもいいかな」とも思っていらっしゃったようだが、結局「認めない」ことになった。

その理由、というのが・・・、

Iさんは以前から「上の部屋の物音がうるさい」とクレームを入れてきたり、マンションの駐車場に、契約していないのに勝手に車を停めたりして他の入居者(契約者)に迷惑を掛けていたりしたからだ。

そのマンションは、家主さんが各入居者に部屋番号を書いた大きな札を渡し、「家族や友人が車で訪ねてきた時にはフロントガラスのところにその番号札を置いて空いているスペースに停め、契約者が戻ってきた時に声を掛けて別の場所に移動してもらう」という合理的なシステムになっていて、入居者の方々から好評だったのだが、Iさんはそれを自分に都合よく解釈して家主さんに断りなく、移動しながら停め続けていた。そうなると臨時ではないのだから契約してもらわねばならない。結局、それが発端になって廃止されることになった。



家主さんが注意して不法駐車はしなくなったものの、今回ペット飼育を黙認してしまえば更に「あつかましくなる」のは目に見えていた。

私の問い合わせに、Iさんは「友人から数日預かっていただけ」と弁明していたが、ペット不可なんだから一時預かりも不可である。「友人は仕事でしばらく帰ってこないので、うちで預かるしかない。今はうちの家族のように可愛く思っていて、どうしてもダメと言うなら引っ越すしかない。保健所に連れて行くワケにもいかないし・・・」と、暗に私に圧力を掛けるが、家主さんからは「空室になってもかまわない」との了解を頂いているので、こっちも引かなかった。

年末までの猶予を与えて出て行ってもらうことにしたが、本音で言えばこういうのは私も家主さんも後味が悪い。

これ、もしIさんが「些細なことでクレームを申し立てる人」でなかったり「無断駐車を重ねる人」でなかったなら、たぶん家主さんも「結構ですよ」と認めてくれていたであろう話で、人間、「日ごろの行い(誠実さ)が大切」、と強く認識させられたケースであった。
posted by poohpapa at 05:00| Comment(0) | 嫌な客 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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