2009年11月06日

約束のお米

以前、記事にさせて頂いた生活保護の老婦人Tさんに関するお話。

入居中からいろんなお気遣いを頂き、退去する時も「お世話になったから」と、僅かな保護費の中から工面して商品券などくれたりしたので、「うちの女房の岩手の実家で細々とお米を作っているんで、秋になって新米が届いたらお裾分けしますね」、と約束をしていた。

入居中、当方に管理上の手違いなどあってもけっして責めるではなく、感謝の言葉だけしか頂かなかった。そういう入居者は珍しい。

で、今月の初め、実家から待望の新米が届いた。天候不順を心配していたが例年並みの収穫だったようだ。気候や虫の発生、稲の病気などで作柄も収穫量も影響を受けるので、簡単に約束してはならないものだが、ダメだった時は何か他で考えるつもりでいた。

実家に「分けてもらえるか」問い合わせると、「大丈夫」とのことなので、お裾分けでなく30kgでお願いした。以前、「月末になると塩むすびだけで空腹をしのいでいたりする」と聞いてはいたが、まあ、たしかにお年寄りの一人暮らしには多すぎる量かも知れない。

Tさんに電話して「30kgで頼んでおいたからね」と言うと、案の定「ダメダメ、食べ切れないから5kgにしてよ」とのこと。実のところ当初は私も、うちに届いた分からお裾分けすればいいかな、と思っていたが、Tさんは自分で食べ切れない分は友だちに分ける人である。間違っても自分だけで抱え込んで食べる人ではない。なので当然に、仲良くしている友だち何人かに分けてあげることになる。

それが私の狙いであった。どういうことかと言うと、聞けばTさんの友だちもまた義理堅い人ばかりであって、お米を分けてもらったなら、それが何らかの形でTさんに返ってくることになる、と容易に解かる。ということは、多めに送っても無駄にはならずに生きてくるのだ。

電話でしきりに「多すぎるよ」と遠慮するTさんに私の意図を伝えると、何度も「図々しくてごめんね」と謝って泣いていた。「また何か持って挨拶に行くね」と言うので、「嫌だよ、来なくていいよ。俺は生活保護の上前なんかハネたくないよ」と憎まれ口を叩くと、「お茶菓子くらいならいいだろ?」と訊く。「それも嫌だね。手ブラなら来てもいいよ」と言うと、ようやく「分かった、じゃあそうするよ」とのこと。

私は「年寄りいじめ」「恩の押し売り」をしているだけかも知れないたらーっ(汗)

電話では「4年前に手術した癌が転移したんだか、最近は背中が痛くて寝られないことがある」とも言っていて、ちょっと心配だ。来年も元気でいてくれたら、また新米を(今度はお裾分けで)届けてあげたいと思う。それなら、余計な気を遣わせなくても済みそうだし(^^ゞ
posted by poohpapa at 05:00| Comment(0) | お客さん(入居者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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