2009年12月09日

貧乏くじを引かされてしまったような・・・

当社で管理をさせてもらっている多摩郊外にある古いアパートの家主さんのご子息から電話があった。

家主さんはご高齢で神奈川県にお住まいになっていて、息子さんは千葉で暮らしている。家主さんとは15年以上の付き合いだが、一緒に暮らしている娘さんの存在は知っていたが、息子さんがいるとは知らなかった。その息子さんが初めて電話してきたのである。

用件は、「何年も前にアパートの前面道路まで本下水の本管が通っていて、アパートは現在は浄化槽水洗なので市役所から『早く本下水への接続工事を済ませるよう』勧告があったから、何社か見積もりを取って送ってもらいたい」、というものだった。

相見積もりを取り、比較してどこに依頼するか決めよう、ということなのだが、見積もりを依頼するのは簡単な話ではない。このご時勢、どこも見積もりまでは無料だが、人が動けば経費はかかるものだし、うちは一社としか取引していない。しかも飛び切り良心的な業者である。吹っかけるようなことは一度もした事がなく、給湯器の修理なんかでも安易に新品交換を勧めたりはしない業者である。頼むかどうか分からない見積もりで隣町まで行ってもらうのも気が引ける。率直に言って、何でもタダでやってもらって当たり前のように思われることが多い私としては尚のこと相見積もりでの依頼はしたくない。

「(こういうふうに)とても良心的な業者さんですから一社だけの見積もりでも大丈夫だと思いますよ」と息子さんに話すと、「じゃあ、その会社だけでもいいから、とにかく頼んでみてくれ」とのこと。

先日、見積もりが上がってきたので郵送したのだが・・・、

「私は以前そういう仕事をしていたので分かるんだけど、この見積もりは高すぎるんじゃないの?。68万てことになっているけど、細かく見ていくと38万くらいで出来る工事内容だよ」、とのこと。

私は、けっこう大掛かりな工事だから妥当な数字と思っていたので、まさかそんな話になるとは思ってもみなかった。息子さんの話では、高い部材もあるし、人件費が高く計算してある、とのこと。

それで、途中、こんな話が出た。

「オタクが乗っけてる(バックマージンを貰っている)とは思わないけど」、だと。「思ってるじゃねえか!」である。全く思ってなければそんな言葉は出てこないし、そんな発想にもならないものだ。以前そういう仕事をしていて不動産業者からバックを要求されていたかも知れないが、こっちの業者は誠実だし当社も乗せてなんかいない。だが弁解すればするほどそういう話は怪しく思われてしまうから、反論したい気持ちを抑えて、あえて聞き流した。

当然に当社から断りを入れることになったのだが、私は菓子折りを持ってお詫びしてきた。どうでもいいような付き合いをしているなら電話で済ませるが、誠実な相手だからこそ誠意を持って応えたい。

社長は恐縮していたが、そうするのが当然なのだ。こっちの付き合いの為に結果的に社員に無駄働きをさせてしまったのだから。

だが、本当の理由は伝えなかった。「家主さんが思っていた以上の金額になってしまって、資金不足のようです。家主さんもよく解からないもので今回はご容赦ください」としか言っていない。ありのまま話したなら、良いことなど何もない。ただ不快になるだけだ。

どういう計算かは不明だが、その業者で68万と言うなら他所でそれ以下になる可能性は少ないものだろう。いくら不景気でも38万なんかで受ける業者はいないと思う。そのアパートは築年数も古く駅からも遠いのだが、この賃貸不況の中でも現在満室である。率直に言わせてもらえば、(息子さんはご存知ないだろうが)家主さんには見えないところで私もいろんな努力をしている。もちろんそれは当然のことであって当社に限ったことではないが、ある程度の差額なら管理会社の顔を立てて飲み込む度量や配慮も必要ではなかろうか。もっと言うなら、管理会社が利益を乗せていたとしても当たり前のことなのだ。手間隙かかるし、何らかの責任も負わされるのだから。

まあ、向こうは「38万で可能」と思っているから「ある程度の差額」にはならないのだろうが・・・。

家主さんであるお母さんは普段とても私のことを気遣ってくださるし腰の低い方で、今すぐ何かの影響が出るとは思えないが、ご高齢でもあり、もしもの時にはうちとの付き合いがどうなるか分からない。

これだけは自信を持って言えるが、そのアパートを他の不動産会社に任せたなら、よっぽど値下げしない限り満室になることはないだろう。息子さんの言葉遣いや態度などはとくに失礼というほどではなかったが、結局、私は疑われ、手間と若干の経費と余計な菓子折り代も掛かり、頭を下げに行く破目になっただけで、得るものは何もないのだから、ただ貧乏くじを引かされたようなものであるちっ(怒った顔)





posted by poohpapa at 05:00| Comment(4) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。

ううむ。
これ読んでいろいろな意味でわが身を振り返りました。
>本当の理由は伝えなかった。
これ、私だったら本当の事言っちゃったんだじゃなかろうか?
とか。
分からないですけど。
poohpapaさんのこういう気遣いがほんと、人間関係を良くしているんだなぁ、とつくづく心に染みとおって来ました。
自分で飲み込むって・・・すごいです。

もう一つは・・・
息子さんのこと。
実は・・・昨日母とけんかしちゃいました!(たはは
訪問・電話セールスについてです^^;
あちらの気を悪くしないように、いえ、はっきり言えばこちらを悪く思われないように母は対応するんですね。
なので時間もかかりますし、はっきり断らないので同じ人が何回も訪問、電話してきます。
結構高い物買っちゃったりで後悔もしてるんですよね。
で、何回も訪問・電話が来て困る・・・とか文句を言うのですよ!
そんな事言うなら、きっぱり断れ!と!(爆)
その方が相手の時間を無駄にもしないし、と私は怒っちゃったのですねー
そういう場面に私が出くわすと、私はきっぱり断りを入れます。
そしてそれは往々にしてきつい物言いになってしまいます(反省)
そしてその私のきつい物言いに母は心を痛める・・・という^^;

家主さんの息子さんも(私の母とは例えが違いますが)普段お母様が生活全般において、あまりに人が良くて損しているんじゃないか?と(誤解でも)思っていて、俺が守ってやらなくちゃ!とか必要以上に防衛心が働いたのかしら、とふと思いました。
子供が口を出す事で却って母の立場を悪くする事にも思い至らなくて。

普段疎遠にしている子供程その気持ちが強いんじゃないか、とも思ったりします。
私がそうだった(爆)

悪人はいないのに(?)、良い事を逃してしまうって悲しいですね。

長年親はその生き方でやって来たのですから、子は信用しなくちゃいけないんですよね。

あぁ・・・
でも年取ってても変な奴いるし・・
あら、困った(笑

長くなってしまいました!
ごめんなさい!
Posted by 葉山猫 at 2009年12月09日 09:17
葉山猫様おはよう御座います。

ご自分の事を反省なさる必要は全く無い様に、私は思います。

キツい言い方≠無礼な言い方
ですからヾ(^_^;

相手を侮辱するので無くて、『これこれの理由でお断りします』とはっきり言ってあげるのは優しさです。

『御茶漬けでも食べていっておくれやす』の《京都のぶぶ漬け》って、
風習を知らなければ思い切り恥かいちゃいますからね

大阪の『まぁ、考えとくわ』も、断りの言葉(笑)
彼らが本気やったら『…で、なんぼ負けてくれるんや?』やから(爆)


含みを持たせるのは、表面的な人付き合いをギスギスさせぬ様にする方便でしょうが、
パパ様の言動は、相手が後で(あ、あの人の言った通りだった)と腑に落ちる《善なる大人の配慮》に満ちている様に感じます。

poohpapa様褒め殺しプロジェクト…只今実行中(爆)
Posted by 街のクマ at 2009年12月09日 10:02
葉山猫さん、こんにちは

<<poohpapaさんのこういう気遣いがほんと、人間関係を良くしているんだなぁ、とつくづく心に染みとおって来ました。
自分で飲み込むって・・・すごいです。

いえいえ、とんでもない。飲み込みはしますが、ホントは直ぐ戻したいくらいなんですよ。というか、他で戻してたりします(爆)

これ、本当のことを伝えてしまうと、下手すると「責任転嫁してる」ように思われてしまう危惧があります。それと、息子さんとは当面は一回限りの遣り取りですが、その設備屋さんとは今後も長く付き合いますから、例え発注しなかったとしても気持ち良く終える必要があります。

次の見積もりや仕事をお願いする時に頼み辛くなるのは嫌なので、その都度ちゃんとケリを付けておく(借りを作ったままにしない)必要があるんですね。それは、自分の為だけではありません。別の家主さんや入居者の為でもあります。要はトータルで均して利益があればいいものですが、今回のケースは掛かった経費より(たぶん)疑われていることが嫌ですね。おカネと違って均しようがないですもん。

息子さんがどこか他の業者で見積もりを依頼して同じような金額とかそれ以上の見積もりが出たりすれば解かってもらえるのかも知れません。ひょっとして「やっぱりオタクの業者に依頼してくれ」と言ってくる可能性も無いとは言えませんので、その時の逃げ道というか可能性は残しておく必要があったりします。なので、まだ潰せません。

こういう話だけでなく、業者や家主さんや入居者の言葉や、いろんな出来事を相手に伝えず私の胸で留めておくことなんてザラにあります。言ってしまえば人間関係が壊れてしまうのは解かり切っていて、ひょっとすると理不尽なことを言っている人も、一晩寝て目覚めた時には後悔していないとも限りません。伝えることはいつでも出来ますが、取り消しは出来ませんもんね。

正直なところ、洗いざらいブチまけたい時もありますね、まあ器が小さいもので^_^;。でも、それで得する事は何もありません。ただ相手を不快にさせるだけですもん。こっちも後味が悪いですし。

私生活でも、本当のことを洗いざらい話したいことってありますが、飲み込んでいたりします。そのうちブログで爆発するかも知れません。

で、そういうことは、私だけでなく、ほとんどの業者がしていることなんです。なので、不動産屋は仲介業でなく仲裁業、なんですね。

<<家主さんの息子さんも(私の母とは例えが違いますが)普段お母様が生活全般において、あまりに人が良くて損しているんじゃないか?と(誤解でも)思っていて、俺が守ってやらなくちゃ!とか必要以上に防衛心が働いたのかしら、とふと思いました。
子供が口を出す事で却って母の立場を悪くする事にも思い至らなくて。

そういうこともあるかと思います。たしかに人が良すぎる家主さんなので。ただし、一緒に暮らしている「しっかり者」の娘さんが守っているので、そういう心配はなくて、かつて自分がしていた下水道工事の話なので「俺がやってやる」と前面に出てきたのでしょう。


ところで、お母様と訪問販売の話、失礼ながら笑ってしまいました。お年寄りというのはそういうものなんですね。もしかすると、たまたま寂しかったりすると、営業マンが聞き上手の場合は買ってしまう、なんてこともあるかも知れませんね。自分が決めたのに後で営業のせいにしたりしてね。

お年寄りって、自分は「いい人」でいたいものらしいですね。そんな話は私の周りでもよく出ます。孤独になりたくないからでしょうか。

あ、この家主さんち、葉山猫さんちの構造と似ているかも・・・(*^^)v



Posted by poohpapa at 2009年12月09日 11:49
クマさん、こんにちは

<<poohpapa様褒め殺しプロジェクト…只今実行中(爆)

ダメ!、気色悪いことせんといて(*^^)v

<<相手を侮辱するので無くて、『これこれの理由でお断りします』とはっきり言ってあげるのは優しさです。

それはそのとおりなんですが、実行するのは難しいですよ。ハッキリ言うにしても相手の気持ちに配慮して言葉は選ばなければなりません。それが出来る人、私の周りでも実に少ないものです。

ま、親子ならね、多少キツイこと言っても大丈夫ですね。愛情や好意が根底にあれば、言葉のキツさなんてどうでもいいものですね。私なんかもハッキリ言ってくれる人のほうが断然好きです。

私生活では、ほとんど丸ごと悪意で、友情も信頼も何も無くキツイ言葉を投げかけてくる人が何人かいて、それには閉口しています。

それでも、言葉は柔らかくても口と腹が違う人よりマシですが(*^^)v

Posted by poohpapa at 2009年12月09日 11:59
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