
宅建主任の資格を取らせたのは私だが、私も逆に世話になっている。歳は離れているが、電話ではお友達感覚で話ができる。毎年、彼女のお父さんが旧知の長野の果樹園には巨峰をお願いしてたりもする。
余談だが、その農園は気前がいい。注文すると、正規の品物とは別に、何らかの事情で売り物にはならない(普通に美味しい)巨峰をサービスで大量に送ってくれる。うちの注文量なんて高が知れてるのだから、きっと彼女のお父さんの顔で、なんだろう。凄く有り難い。
で、「猫が2匹いるのに2DKの部屋を6万以下で探せって言うんですよ。短期だし、有りっこないですよね」と、無理な注文をされて彼女もかなり頭にきているようであった。気持ちはよく解かる。
ペットがいて短期貸し、というのは確かに難しい。短期であっても傷みは当たり前に予想されるワケで、例え特約を付けたとしても、退去時に気持ちよく原状回復費を負担してくれるとは限らない。相手は家を建てるんで何かと物要りなんだし。
彼女は自分で問い合わせてきながら、「断っちゃいましょうか?」と言う。単に頭に来たから、というのでなく、私に断らせて「客に現実を認識させる」のが狙いだと解かる。彼女の会社は建替えのための短期貸し物件を探す専門業者だから、この後、どこかで見つけはしたのだろうが、少なくとも、それは当社ではなかった。