2年に一度、幸運な青年が、また更新契約にやってきた。
今から8年前、初めて入居した時には彼女もいたが、入居後すぐに別れたようで、今はずっと一人で暮らしている。家主さんは地続きの敷地に母屋を構えていて、入居者の様子には注意を払っているが、プライバシーに干渉するようなことはない。
その家主さんが、青年の最初の更新契約の時に、「彼女にも逃げられちゃったみたいだし、見ていて気の毒になっちゃうから、更新料、うちの分はいいですから」と言い出した。
実は、その青年の仕事は公務員である。可哀そうどころか、もっとも収入が安定しているし、私が知る限り、他の入居者のほうが日々の暮らしに切迫したものが感じられる。だが、家主さんは疑問に思うことなく、更新の度に「うちの分は結構ですから」と繰り返す。
いや、今になって「やっぱり貰うことにします」と言われても困ってしまうのだが、以来この入居者だけは、ずっと更新料が半分である。
そういえば以前、近所の資産家が、税務署に申告しに行く時だけ箪笥からヨレヨレの服を出して着て行き、窓口で「息子が脳膜炎で、ずっと介護をしていて、疲れきってしまって・・・」と涙ながらに訴えている、と聞いた。本当かどうかは知らないが、税額が違ってくるらしい。
その母親から「脳膜炎」ということにされている長男は、実は東大出のバリバリのキャリアで、今も毎日、颯爽と霞ヶ関に通っている。嘘だと思われるだろうが本当の話だ。なまじっかの演技力では通用しないだろうし、税務署でも「今年もまた来たよ」くらいに判っているワケで、それで「中央突破を果たす」のだから、その母親は凄い!
「そこまでするか」という話だが、「マルサの女」でも伊東四朗演じるパチンコ店経営者がマルサ相手に名演技をする場面があった。
演技力、とまでは言わないが、人様から適当に同情をかう雰囲気くらいは持っていたほうが、時として得することがあるかも知れない。
税理士の、「なんだ、うそ泣きだったのか?」
と言う問いに、
「いや、本当に泣いたんだ!これで税金が100万でも200万でも安くなるんだったら、いくらでも泣いてやる!」、と応える。
でしたっけ?
おもしれーなー、と思いました。
うそをつくのと、駆け引きをするのとでは大違いですね。
管理人さんは駆け引きはできても、うそをつくのはだめでしょう。
それができるぐらいだったら、とっくに大金持ちになっていますよ。
認知的不協和の緩和の一端でしょうけど、行き過ぎると乖離性人格障害になってしまうんじゃないでしょうか。
インチキしてでも得したい人はどこにでもいるんですけどね。
あんまり友達になりたくないなぁ。
凄いですね、正確に憶えていらっしゃいますね。そのまんまですね。
<<うそをつくのと、駆け引きをするのとでは大違いですね。
ホント、全くその通りですね。似ていて非なるもの、です。
<<管理人さんは駆け引きはできても、うそをつくのはだめでしょう。
これも仰る通りです。でも正直な話、実は大人になるまでけっこうウソをついたりもしました。何かのきっかけで180度変わりました。
今、私は知人がついているウソで迷惑しています。知人は「自分がウソをついている」という認識がありません。話す度に内容が変わっていったり大袈裟になっているのですが、本人はそれが真実だと思い込んでいます。だからやっかいです。私のことを知らなかったり、知っていても、人は最初に聞いた話を先ず信じてしまいます。
判断は相手の言い分を聞いてからにしよう、とはしませんもんね。
そういうことなど有って、私はウソをつくのもつかれるのも嫌いです。自分はオープンな性格ですから、(ウソつきでなくても)クローズな人とは付き合いたくありません。生理的に合いませんし・・・。
営業一筋40年ですから、もっとウソを活用すれば、occhanさんが仰るように一財産遺していたかも知れませんね(*^^)v
<<あんまりウソを真剣に吐いていると、自分でも本当にそうだと思うんでしょうね。
これね、私の愛読書「鬼平犯科帳」に出てきます。
「女って生き物は、嘘をついているうちに、やがてそれが自分の中で真実になっていく」
最初は「そんなものかねえ・・・」と思っていましたが、私が離婚をした頃から「なるほど」と思えるようになりました。そして今は、池波正太郎先生の言葉通りに確信しています。もちろん、男にもいます。
<<認知的不協和の緩和の一端でしょうけど、行き過ぎると乖離性人格障害になってしまうんじゃないでしょうか。
専門的なことはよく判りませんが、私も、そういうのは一種の精神的な異常、心の病、と思っています。
インチキしてでも得したい人、払ってない家賃を払ったと言う人、けっこういるものですね。私も、友達にはなりたくないものです(*^^)v
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