2010年09月14日

金銭感覚が真っ当な家主さん

昨日、ある用件で家主さん(奥様)にお供することになった。入居者との間で抱えているトラブルの解決の為に法律相談に同席したのだが、管理会社としての責任もあるので同行するのは当然だった。

同行した時間は、ドア・ツー・ドアでせいぜい1時間程度。どれほどの手間でもないし、解決に向けて「ある程度の合意」を私が既に入居者から取り付けていたので、弁護士さんも「それならもう心配は要らないのでは」と仰っていて、話も簡単に終わった。たぶん、そんなに遠くない将来、一番良い方法で解決を見ると思う。トラブルの内容の詳細は決着してから記事にするつもりでいる。


で、法律相談を終わって、少しお話をさせて頂いた。

互いの病気のこととか、過去に行った海外旅行の話とか・・・、まるで老人ホームで日向ぼっこしながら話すような他愛もない内容である。何と言うか、「僕には 夢がある 希望がある そして 持病がある」みたいな話だったが、話の途中で家主さんが封筒を取り出して、「これ、取っといてください」と私に渡そうとする。金一封、である。

「手間を掛けさせちゃったから・・・」と言うのだが、それが私の仕事である。「それは頂けません」と辞退すると、私の手提げカバンの中に押し込もうとする。尚も辞退すると、家主さんはこう仰る。

「主人がね、いつも言ってるのよ。『おまえな、男が動くといくら掛かるか知ってるか?。男に何か頼んでおいて、タダでいいなんて思うなよ』って。だから主人に叱られるから、お願いだから取っておいて」、と。そのご主人は今、病に倒れてリハビリ中である。

それで、金一封は有り難く頂戴することにした。


ハッキリ言って、不動産屋をタダで使おうとする家主さんは多い。タダで使うならマシなほうで、むしろ「利用する」と言ったほうが合っていたりする。ひとつには、家主さんが「どういうケースで対価が発生するか」ということを知らない、ということもある。「管理を任せているんだからこれくらいはサービスでしてもらえるもの」と思い込んでいるケースもあって、家主さんの所為とばかりも言えなかったりする。不動産屋が教えてないのもイケない。


以前書いているが、ずっと当社で管理していて、「今度、友人が不動産会社を興したからこれからはそっちで頼むんで、もういいから」と管理を切られて、その不動産会社が数年で倒産したら、「またオタクで管理してくれ」と言ってきて、その後すぐに「アパートは(別の不動産屋に頼んで)売ることにしたけど、入居者が退去するから立会いだけやってくれ」と言ってきて、その立会いは当社の定休日である水曜日の朝9時だった。

向こうは何とも思ってないだろうけど、こちらは休日出勤で、しかも早出させられて、オマケにその入居者は当社で契約していないから会ったこともない相手で、その場で敷金清算までして、美味しいところ(売買の手数料)は他の不動産屋に持っていかれて、立会いが終わったら「はい、どうもご苦労さんでした」とだけ言って去っていった家主もいる。金一封どころか菓子折りの一つもない。もちろん、言葉に心が篭っていない。「不動産屋をナンだと思ってるんだ!?」と怒鳴りつけたい衝動に駆られたけどグッと我慢をした。丁寧に「お手間だけ取らせて申し訳なかったですね」と言ってくれたらそれだけで良かったんだけど・・・、嫌な休日になったっけ。

その家主に比べたら、雲泥の差、天と地ほどの開きがあるのだ。


家主さんとの話は「お墓の話」にまで及んだ。若い頃に墓地を買い、ご主人が39歳の時に墓石も建立した。敷地は7uと広く、私が「それって400万くらいしたんですか?」と訊くと、「お墓は1u百万て言われてるでしょ、そんなもんで立ちませんよ」とのこと。

遺産も3人の子供たちには一銭も遺さないようにして、既に遺言書を公正証書にしてあるんだとか。「ヘタに遺すと子供の為にならないから、遺留分は仕方ないけど、私が全部使い切っちゃうのよ」と笑う。

私と同じ考え方だ。ただ、違うのは、家主さんは「財産は有るけど子供に遺さない」のであって、私は「遺したくても遺せない」ということ。お金の使い方、生かし方はよく心得ていらっしゃる。


帰って、うちのに「今日、大家さんから金一封を頂いたから、明日(本日)二人で飲みに行く費用に充てようか」と渡すと喜んでいた。

私は単純だから、「よし、もう一踏ん張りしよう」と決意したわーい(嬉しい顔)

posted by poohpapa at 07:17| Comment(10) | 家主さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お早うございます。

>おまえな、男が動くといくら掛かるか知ってるか?。男に何か頼んでおいて、タダでいいなんて思うなよ。

心得た家主さんで良かったですね。
そうゆう対応をしていただけると、105%の対応をしたくなりますよね。(笑)

私も一応あちら側の人間ですが、こちらとかで勉強させていただいているので、「専門職の方の知識を活用させていただく時」に対価が必要だと思っております。

しかし、本当に近年は「黙って座っていれば、お金が入る」状況ではないですね。家主側においても、益々「経営」という概念が必要です。

Posted by AMAKUN at 2010年09月14日 10:06
いいなぁ金一封…

いいなぁ

いいなぁ♪


私が頂いたなら…
奥様に
『エネルギー充填120%! 波動砲撃てぇー♪』
(*~ρ~)

とか(爆)

 _| ̄|〇…ダメポ
寸志に変わっちゃう
Posted by 街のクマ at 2010年09月14日 12:38
お疲れ様です。
poohpapa様。
そういう分別と常識のある人ばかりだと、不動産業も
ずっとやりやすい仕事になるんでしょうね。
実際、不動産業者はタダで動くと多くの方は思って
いるようで・・・
先日も弊社で二十年近く前に分譲したマンションの理事会に
施主として出席してくれという依頼が来ました。
週末の19時からそれも他市のマンションに。
しかも施主が出席しなければならないような重要な
案件があるわけでもなく。
どうも理事の1名が思いつきで言い出して管理会社に
指示したみたいなのですが。。。
幸い?他県で夕方から契約が決まっていたのでそれを
理由に断りましたが。。。
最近そういう話が増えています。
(当然そういう立会いは全て無料でさせられます)
私どもはお金に見合う物件を売っているつもりでも
先方は高い金を出して買ってあげたのだからいつまでも
サービスするのは当然と思うようです。

因みに弊社で販売している墓地では7平米ぐらいだと
土地の永代使用料だけで250万ぐらいです。
(地方の郊外ですが)
それに墓石ですから600〜700万ぐらいに膨らむと思います。
(墓石の特注度にもよりますが)
それがさらに都心部となるとひょっとして大台になるかも
しれません!?
Posted by タスク at 2010年09月14日 13:34
コメントお久しぶりです。

家主さんの奥様、まったく同感です。
立場的に私は奥様側ですが、
常々人を動かす(失礼、手伝っていただく)時はかならず心づけをするように心がけています。
そのように感じない方はそれはそれでいいでしょう。
価値観は人それぞれで。
その価値観も育った環境や親の考え方に影響されるものと思っていたら、意外とそうでないこともわかってきた。

兄弟でも理解できないことが多々ありますし・・・。

・・・なのに自分が行動する時ははいつもボランティアだと思って行動してます。というか勝手にお手伝いしてます、主義。

結果奥様のお気持ちにも、poohpapaのお気持ちにもなりうる、複雑な心境。

poohpapaの最後のお言葉決定的。
又がんばろうって気になりますよね、正直。

Posted by 桜 at 2010年09月14日 23:54
AMAKUNさん、おはようございます

対価、というのも微妙なものでして、同じことをするのでも、「この家主さんからは頂けない」「この家主ならこれくらいの額はもらいたい」と、こちらの認識も違ってきますね。

それは、相手(からして)も同じであって、当然に要求してくる(対価を求める)であろう人にはこちらも求めたくなるし、求めないであろう人には求めようと思わない、ということですね。もっと言うなら、日頃、こちらの業務に理解を示してくれる、ちゃんと苦労が解かっていてくれる家主さんには気持ちの上でも対価を求めるようなことはしないのです。

そうは言っても、逆に気を遣わせることにもなりかねないし、かえって高くつく、なんてこともあるでしょうから、(事務的に)適正な基準で料金とか手数料が決まっていてくれると有り難いですね。

<<しかし、本当に近年は「黙って座っていれば、お金が入る」状況ではないですね。家主側においても、益々「経営」という概念が必要です。

仰るとおりです。空室が増えてきて、空いてもなかなか決まらなくなって、ようやく家主さんも「アパート経営がビジネス」だと認識し始めた、というのが実情でして、それでも、ご年配の家主さんですと、まだまだ理解が追いついてない有様です。

立場が違うのと理解力に差があるのとで、説明を誤ると「ただの言い訳」になってしまいますし、難しいものがあります^_^;
Posted by poohpapa at 2010年09月15日 08:02
クマさん、おはようございます

昨晩は、うちのと久しぶりに二人で飲みに行きました。と言っても、私は和三盆梅酒のロック一杯だけでしたが(*^^)v

数日前から「今度の火曜日は飲みにでも行こうか」と話していたので、その費用に充てさせてもらいました。

たまに金一封なるものを頂いたりしますが、自分のヘソクリにしてしまう、なんてことは無いですね。たいていはうちのと山分けするか、何かの費用に充てていて、正直、一息つける時もありますね(*^^)v

Posted by poohpapa at 2010年09月15日 08:10
タスクさん、おはようございます

ははは、家主さんの墓石代、たぶん700万越え、だと思いますね。床は全面大理石とのことでしたので大台もアリかも、です。

ところで、客や家主さんが、不動産屋をタダで使おうとする風潮は困ったもので、日本では「サービスはタダ」「タダでしてくれるのが良いサービス」と思われていますが、自分が損しなければ良し、という価値観は改めるべきでしょう。

販売して20年も経つマンションの会合にお呼びが掛かるのは辛いですね。断れば角が立つし、面倒見が悪い、とのレッテルを貼られかねませんもんね。大義名分が立って良かったですね。


<<私どもはお金に見合う物件を売っているつもりでも
先方は高い金を出して買ってあげたのだからいつまでも
サービスするのは当然と思うようです。

それは実に多いですね。先日も、入居者と意見の衝突があった時に、「俺は家賃を払っている客だよ」と言った人がいて、うちが家賃を頂いているワケではありませんし、「カネを払っている」というだけで「自分は客」(だから自分のほう立場が上)と考えてしまうのは浅慮もいいとこ、ですね。「カネを払っている」のと「良い客でいる」こととは別の問題で、だからこそトラブるのですが。

必要以上に気を遣わせないためにも、料金体系というものはあったほうが良い、と思えてなりません。

Posted by poohpapa at 2010年09月15日 09:02
桜さん、おはようございます

こちらではお久しぶりです(*^^)v

<<自分が行動する時ははいつもボランティアだと思って行動してます。というか勝手にお手伝いしてます、主義。

それ、よく解かります。

私も常に対価を求めているワケではありませんで、ほとんどのケースではボランティアになりますし、それで良いのですが、それも相手によりけり、なんですね。

で、道で誰かと会った時、先ず最初に考えるのは「この人にお礼を言わなくちゃいけないこと、あったかな?」ということなんですね。忘れてしまうと大変失礼をすることになるし、後の付き合いにも影響しかねません。ほんと、頭の中で目まぐるしく記憶が回ってます。

でね、相手は、こちらが何か気を遣っても、ほとんど覚えてなかったりします。それでも、こちらが不義理をしてしまうよりいいものですね。そういうことは相手は覚えてたりしますから^_^;

といいますか、いくつか不義理しているのが解かってることが現時点で何件かあります。なんとかしないと・・・。

生きるのは辛いことの連続ですね、ほんと。



Posted by poohpapa at 2010年09月15日 09:25
こんにちは。
お墓のことがあったので一言。

今年、父の一周忌に墓を建立することになった。
昨年お寺さんに予約をしておいたのだが
『お代金は建てる時でよい』とのことだったので場所と金額を確認しておいた。
市内の住宅地のはずれの丘の上にある500年の歴史のある古いお寺。
いまどきのお寺にはない静かで地味なたたずまいで自宅近く。
お寺の奥様に半世紀ほど昔日舞を習っていたご縁で(私がです!)お世話になることに決まった。
場所も造成部分ではなく昔からの裏山の一角に決めた。三尺×三尺で30万円。
で一年がたちいよいよ墓を建てる事になり改めて金額を確認した。『10万円でしたね。』との住職の言葉に素直に素直に従いお支払いした。
間違っても問いただすことはしませんでした。

その後お墓は普段お世話になっているというかお世話をしている『石や』さんに
『予算がね、ないんですよ。予算に合う立派なお墓をお願いします。』と申し出ると『いいよ、いいよ』とのことなのでお任せすることに。
お任せしたくせにあれやこれや注文をつけ出来上がってびっくり。
田舎では中くらいに立派なお墓が出来ました。
よその石屋さんのものと比べてみたら三分の一の金額で出来てしまいました。

お寺さんの親戚筋が並んでいる墓所隣に
100万もせずに立派な囲い付の大きなお墓が出来ました。値切っていません。

さて私は罰当たりでしょうか?
田舎に住んでて良かった〜〜。

ちなみに春日部に住んでいるおばは
仏壇+お墓で400万円かかったそうで・・・。

Posted by 桜 at 2010年09月15日 15:29
桜さん、おはようございます

<<場所も造成部分ではなく昔からの裏山の一角に決めた。三尺×三尺で30万円。
で一年がたちいよいよ墓を建てる事になり改めて金額を確認した。『10万円でしたね。』との住職の言葉に素直に素直に従いお支払いした。

ん??、それ、安くなったんでしょうかね?

<<住職の言葉に素直に素直に従いお支払いした。

とありますから、「高くなっちゃったけど黙って支払った」ようにも取れますが・・・、ちと悩んでおります(*^^)v

でも、安く墓が建立できて良かったですね。世の中に、葬儀費用ほど中身が不明瞭なものはありませんで、我々の業界の更新料や礼金なんかの比ではありません。一桁違いますもんね。

それは「値切りにくい」「言い値で注文してくれる」のを業界が承知しているから、なんですね。

うちの次兄は以前、仏壇を購入する際に値切ったら、店員さんから「仏壇を買う人から値切られたのは初めて」と言われたそうです^_^;

私は・・・、子供の頃よく家族全員で釣りをした郷里の川にでも散骨してくれたらそれで充分だと思っています。なまじ墓に入ると遺された者に気を遣わせたり手間を掛けさせることになりますから。それに、自分が先に死んで、20〜30年もすれば友だちも子供たちも皆亡くなるのですから。

死んだら「無」、元々(自分にとっては)自分が存在しなかった世界に戻るだけのこと、です。

ただし、私の付き合いの中で「位も高く偉いご住職」を存じ上げていますので、たぶん私のほうが先に逝くでしょうからお経だけ上げて頂こうと思っています。そうだ、忘れないうちに遺書にしないと・・・(*^^)v
Posted by poohpapa at 2010年09月16日 07:35
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