2010年12月11日

商売人の鑑

先日、お店が終わってから、うちのに「今日は帰りが遅くなる」とだけ伝えて埼玉の浦和にある或るお店まで出掛けた。私がこの歳まで生きてきて、初めて訪れる業種の店だった。

と言っても、ピンクサロンとかではない。そんなのなら我が町にもある。もっとも、「近場だと店を出た時に知り合いとバッタリ、なんてことも有り得るから遠くに行く」てことも考えられるがわーい(嬉しい顔)

訪ねたお店は・・・、




質屋さん、である。

ネットオークションでダンヒルの婦人物の金時計を見つけ、現物を見に行ったのだ。本体もベルトもK18でベゼルに12個のダイヤがあしらってあって、日本ではあまり見かけないデザインのもの。それを、うちのに贈ろう、と思い、オークションで見かけてからずっとウオッチしていたのだが、なかなか踏ん切りが付かなかった。だが、「買わないほうが後悔するもの」と考え、思い切って出掛けた。

私が躊躇っていたのには別の理由もあった。ベルトの長さがうちのには少し足りなかったのだ。1ヶ月ほどして、同じ出品者(その質屋さん)からベルトのデザインがそっくりの別の時計が出品されていて、そちらは婦人物にしてはベルトがかなり長い。お店に電話して「2コマくらい移動して頂くことは可能でしょうか」と訊くと、「大丈夫です」との返事。それで決心がついた。

私が、その時計をうちのに贈りたかったのにはワケがある。うちのはそんなモノは欲しがらない。以前も訊いたことがあるが「絶対に要らない」と言っていた。だが、前妻にもそこそこの時計を贈っているので、それ以上の時計をどうしても贈りたかったのだ。他人からすればつまらない理由だろうが私にとっては大事なのである。だからけっして「優しさ」とか「愛情」とかではない。それと、専業主婦といっても、それなりに苦労はあるもの。ましてや私の職種はストレスや事件の宝庫で、家で聞かされるのもまたストレスに違いない。面白い話ばかりではない。いや、嫌な話のほうが多いものだ。

自営業であっても安月給なのだが、私の場合は幸い副収入もある。それを全部自分のヘソクリにはせず今までも適当にお小遣いとして渡してはきた。だが、時には何かのプレゼントもしたかった。

新品だと高くてとても買えないが、質屋さんでの程度の良い品物なら安心だし新品の2割以下の予算で買える。うちのは新品かどうかは気にしない。で、現物を見させて頂くと、全く無傷で、PCの画面で見るより遥かにキレイだった。それで、別の時計から2コマ移して頂く追加料金も含めて支払いを済ませ、翌々日の宅急便での到着を待っていたのだが、質屋さんの奥さんから電話が入った。

「実は、コマの移動をしてみたら、微妙に幅が合わず、触るとほんの少し引っかかるのです。高級な時計でもありますので、それではご満足頂けないでしょうから、今回は見合わせて頂けたらと思うのですが・・・」とのこと。残念ではあるが仕方ない。領収証を送り返して振込で返金して頂く事にしたのだが・・・、

昨日、通帳を確認したら、千円多い金額で振り込まれていた。私が「振込料を引いてもらってかまいません」と話してあったのに、である。直ぐに電話して「金額が違うのですが」と言うと、「遠くから来て頂いてお役に立てなかったし、いろいろご面倒をお掛けしたので気にせずお納めください」とのこと。

うちのに話したら、「商売人の鑑だね」と言う。私もそう思う。

もう二度と来ないかも知れない客に対して「その対応」である。町の小さな質屋さんだったが、いい勉強をさせてもらった。今回は残念だったが、いつか機会があれば(購入で)お世話になりたいと思う。



posted by poohpapa at 07:44| Comment(4) | 出入りの業者、各種営業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは☆
では母親でも連れてビアンコさん行ってみますかねー(^▽^)
本当はビアンコさんの中で母親に紹介出来るような女性が一緒なら尚良いんですが(笑)


>>いつか機会があれば(購入で)お世話になりたいと思う

こうお客様に思わせることこそ商売の極意ですよねー☆
目先の利益を追うのではなく、人間同士の信頼関係を構築することがかならず自分の利益になるんだという良い例ですね♪

日本の大企業や政治家にも見習って欲しいものですねー(−−;
Posted by 犬猫☆ at 2010年12月11日 12:16
犬猫☆さん、おはようございます

ビアンコさん、今年のクリスマスシーズンは混んでるみたいですよ、予約して行かれるか、ランチタイムのほうがいいかも知れません。

ところで、この質屋さん、息の長い商売をしてますね、目先の利益に捉われません。もちろん、私みたいに「機会があれば是非」と考える客のほうが少ないとは思います。ですが損得はカネだけに限りません。

少なくとも、経営者と商売人は別のもの、だと言えます。強いて言うなら、東京には経営者が多く、大阪には商売人が多い、ということでしょう。客もまた、同様に色分けされると思います。ただ代金を払って商品を受け取るだけならとくに問題があるワケではありません。ですが、それでは味気ないものでしょう。私は、大阪気質のほうが好きですね。

質屋さんの奥さん、関東生まれであっても立派な関西人ですね(*^^)v

さて、ビアンコさんのお食事、ゆっくり楽しんできてください。仙台牛も牡蠣もいいのが入っていました。オニオングラタンスープもまだあります。お母様、喜んでくださるといいですね。
Posted by poohpapa at 2010年12月12日 06:46
先日はありがとうございました。なんとか連絡は取れて2ヶ月分集金でき、今後はいかなる場合でも連絡は取れるようによろしくっ!ってことになりました。ありがとうございました。
(あ、その時印鑑持ってなかったこともあって契約書はまだなのですが、まぁなんとかなりそうです)

今回の質屋さんの対応ってすばらしいですね。普通だったら客に言われたとおりの作業をしてるんだし、多少引っかかるなんてことを言わずに商品を渡すでしょうねー。

私も以前、ペンションを予約したものの、身内に急病人が出て前日にキャンセルをしたんですが、
「キャンセル料を振り込むので振込み先を・・・」って言ったら

「またご利用ください。キャンセル料は結構ですよ」


って言われました。

この時深く感謝したのに、そのペンションにもう一度足を運べていない自分がいます。。。(´−ω−)

もともと旅行が好きではないのでなかなか腰が上がりません(笑)
Posted by はなくろ at 2010年12月14日 16:02
はなくろさん、こんにちは

なんとか解決を見そうで良かったですね(^^ゞ

ご同業のはなくろさんに「釈迦に説法」みたいな解かり切ったアドバイス(?)をして申し訳ありませんでした。

はなくろさんの「ペンションのお話」もいいですね。そういう宿なら、お客さんも快適に過ごして満足してお帰りになることでしょう。

ペンション、と言えば・・・、以前、伊東の或るペンションに行った時、割引してくれた上に、料理がこれでもか、というくらいに出てきて、雰囲気も良く、感激して帰り、十数年後、再び訪ねたら、ご主人は亡くなっていて見る影もなくなっていました。黙っていても客が来る観光地なので、サービスも悪く、料理なんて、とても「ペンションの料理」ではありませんでした。行く末が想像できますね。

商売は目先の利益に走ることなく長い目で見据えないとダメですね。私の信念ですけど、「利益は追いかけなくても、お客さんが喜んでくれれば後からついてくるもの」、であります(エヘン!)

でもねえ・・・、最近はその信念にも曇りが出ています。お客さんの所為にするワケではありませんが、意気に感じてくれる客、というものがめっきり減ったのです。なので、お客さんは喜んでいても利益がついてこないんですよ^_^;

世も末ですね、みんな心にゆとりが無くなってしまって・・・。

お互い、頑張りましょうね(^^ゞ
Posted by poohpapa at 2010年12月14日 17:03
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