2006年05月08日

米トヨタ社長元秘書、セクハラ訴訟の妥当性

米トヨタ社長元秘書が、セクハラ訴訟を起こしたが、これも或る意味「自己評価の誤り」、つまり、法外な値踏み、だと思う。

損害賠償請求額たるや、日本円にして約215億円。平均的な日本人の生涯賃金が1億5千万と言われているので、約143人分。


私は旅行が好きで飛行機にもよく乗るが、定員158人のボーイング737や定員265人のエアバスA300が、ほぼ満席で墜落した場合の賠償総額より多額であろう。もっと言うなら、墜落したのが中国の航空機であったなら、航空会社からの賠償額は一人当たり200万程度、満員で68機もの墜落に相当する額である。

さらに、水俣病の被害者に対する賠償と比べてみると、

水俣市に住んでいて、その後関西に移住した患者(全体の一部)が起こした所謂「関西水俣病訴訟」判決の賠償額が、対象51人、賠償請求29億に対し、総額たったの3億1950万円である。長年にわたって死ぬほどの苦痛や社会からの理不尽な誤解を受けて苦しんでいた人たちでさえ、51人で3億ちょっと、である。

ちなみに国の基準を満たさない未認定患者の場合、チッソが一人当たり260万円の一時金を支払うことで政治解決が図られている。


どんなセクハラをどれだけ受けるとそんな額になるんだろうか??


もし、訴訟相手がトヨタでなく個人企業であったならどうか。
されたセクハラは同じでも訴訟額は違ってくるであろう。相手によって請求額が大きく変わるなら、慰謝料が適正かどうかは疑わしい。喧嘩を売られて骨折して、加害者が医者の息子だから賠償請求は一億円、貧乏人の子供だから50万、というのでは、相手の懐具合を計算して足元を見ているだけのことではないか。

たしかに、アメリカと日本という国情の違いはあるものだろう。ただ、いくらアメリカが訴訟社会と言っても、「獲れるところからシッカリ獲ってやろう」というのでは著しく人間としての品性に欠ける。それがセクハラ訴訟であって、どんなに相手が破廉恥極まりないことをしていたとしても、である。

こんな常識外れの賠償請求訴訟を起こしているのが日本人、というのが何とも寂しい。一流の(?)悪徳弁護士も付いているんだろう。




っか・や・・ろ・・・オ!、と言いたい気持ちを飲み込んで、





この女性、いったいどのような教育をお受けになったのでしょう。
泣き寝入りしないのは良いことです。世の中には同じような立場で諦めて泣いている人も多いでしょうから励みにもなるかも知れません。訴訟を起こすこと自体は反対しません。ですが、ものごとには「妥当な値段」というものがあるでしょう。

たぶん賠償額は減額されるものの裁判には勝てるでしょう。それを見て、泣き寝入りをしている多くの被害者たちが心から祝福してくれるものでしょうか。勇気を与える結果になりますでしょうか。私は、「単に悪しき前例を残すだけ」、だと思いますよ。泣き寝入りしている多くの被害者の励みになるのは、妥当な訴訟額の場合のみ、だと思います。

訴訟を起こすなら、同じ被害を受けながら訴えることが出来ないでいる人の共感も呼べるような内容にすべきでしょう。
「人は人、私は私」も結構ですが、場合によりけりです。

少なくとも、今回の訴訟は、同じような目に遭って泣き寝入りしている被害者を勇気付けたり喜ばせる、という結果には繋がりません。むしろ、悲しませることになるでしょう。もちろん、「だから訴えるな」、と言っているのではありませんし、加害者を擁護しているものでもありません。アメリカに暮らしていても、「妥当な額で訴えなさいよ」、と言っているのです。



私は、どんな場合でも、「自分を殺す」「自分を抑える」という方法での周囲への配慮は必要だと思っています。それによって他を生かすことが出来る、ということも往々にしてあります。


そしてそれは、女にとっては一番難しいこと、なんでしょう。







あ、そうそう、この女性が裁判に勝ったとして、得られた賠償金で「私と同様の被害に遭われていながら、訴訟費用やその後の生活費などが理由で訴えを起こせないで泣き寝入りしている人たちの為に、セクハラ被害者基金を設立します」、とでも発表したなら、私は即座に丸坊主になりますよ、本当に。(ただし、寄付ではダメです)
posted by poohpapa at 06:56| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする