「ほとんどタレント」と言っても良いくらいの橋下徹弁護士が、3年間で約2500万円の申告漏れ、とのこと。これ、脱税ではないのか。
「申告漏れ」というのはよく聞かれる言葉であるが、「脱税」との違いは何だろうか。単に、「最初から所得を隠そうとする意図が有った」か「うっかり」か、の違いだけだろうか。
「申告漏れ」を指摘された個人や法人は、必ず「税務署との見解の相違」という弁明のコメントを出すが、まず100%と言っていいくらい税務署の指摘に沿って申告しなおして直ぐに納税している。ならば「見解の相違」ではなく「脱税」であろう。
橋下弁護士は、分野に得手不得手があるとしても、税法も含めて法律の専門家なんだし、当然に「その申告内容で通るかどうか」判っていなければならない。「申告漏れを指摘される」ようでは恥ずかしい。
最早、タレントや講演活動が本業で弁護士としての仕事は副業のようになっているのがそもそもの間違いである。そりゃあ一回たったの一時間くらいで、しかも内容は「楽屋の裏話」程度の講演で普通のサラリーマンの月収の数倍の謝礼が貰えるなら、地道な「判例や資料や証拠集め」が必要な弁護士という本業など疎かになるのは当たり前であろう。
それは例えて言うなら、悪質な客や(稀にいる)理不尽な家主に悩まされながらも賃貸の仲介管理を堅実に営んでいた不動産屋が、何かのキッカケで莫大な売買手数料を手にしたことですっかり一発屋の不動産屋に変わってしまうようなものである。
人も企業も、分をわきまえる、本業に専念する、ということは生き方の基本中の基本であろう。バブル時に副業や海外投資に走った企業の多くが、今も負の遺産を引き摺って苦しんでいるではないか。
私は、「行列のできる法律相談所」という番組の当初のレギュラーだった久保田弁護士の見解が好きだった。個性的ではなく地味ではあるが、解説は一番解かりやすく納得できる内容だった。テレビ的には橋下弁護士のキャラの方が面白く茶の間受けもするものだろうが、その橋下弁護士だって、浮かれていればいつ何時不祥事で降板させられるかも知れない。「明日は我が身」、である。(と書くと誤解されそうだが、久保田弁護士は「不祥事で降板」した訳ではない)
で、ここで、ふと気付いた。私は過去にこんなことも書いていた。
明らかに、今日の記事とは矛盾する内容である。
人間、内に矛盾を孕(はら)みながら生きているもの、でもある(爆)