不動産屋がお客様から菓子折りを頂く機会としては、圧倒的に退去時が多いのですが、正直なところ、それ、絶対お得です。いえ、貰った不動産屋が、ではなく、菓子折りをくれたお客様が、です。
ここから先は人間性を疑われるようなお話になりますが・・・、
どういうことか、と言うと、「敷金精算に手心を加えることがある」、ということであります。
引越しの立会いでは、ほとんどの退去者は「敷金がいくら戻ってくるか」だけを気にしていて、不動産屋を気遣うことはありません。ところが、稀に、「お世話になりました」と仰って菓子折りをくださる方がいらっしゃいます。そうすると、不動産屋だって人間ですから、「敷金精算に手心を加えてあげよう」と考えるものです。もちろん、許容誤差の範囲内ではありますが、それでも菓子折りの代金よりは大きくなります。
私は以前、引越しの立会いの時に、素敵なハンカチーフを一枚くださった方がいて、「いろいろご迷惑をお掛けしたので敷金は戻してくれなくて結構ですから」と言われましたが、ちゃんと計算して4万ほど返金する内容で家主さんに精算書を送付したことがあります。そのケースでは敷金を全額没収しても問題はありませんでしたし、当初はそのつもりでしたが、奥様から丁寧なご挨拶を受けて気が変わりました。
これは、私が意地汚いのではなく、いえ意地汚いのは認めますが、人間そんなもの、ということなんです。露骨に「いくら戻ってきますか?今はほとんど返すようになってるんですよね」、と訊かれれば、「そんなことはありません、ケース・バイ・ケースです」、と答えます。
でもって、最悪のパターンは、立会いに行って、明らかに菓子折りの袋があるのに、不動産屋へのものではなく、後で家主さんに届けるもの、というパターンね。いえ、くれなくてもいいんですよ、本当に。
ですが、不動産屋には用意してないなら、「見えるところには置いておかないほうが良い」、ということです。妙な期待をさせてはいけませんよ、ということなんです。敷金没収になったりもします(冗談^_^;)
これね、実は、私は菓子折りを貰い慣れているんで、目の前に置いてあれば「私あての」と思っちゃうだけのことなんですけどね、って、くれなくてもいい、というのが嘘っぽくなっちゃいますが^_^;
重ねて言います。立会い時の菓子折りは代金以上の効果があります。え?「それじゃ家主さんが損することになるだろ!」ですって?
そんなことはありません。許容誤差の範囲内でしか変わりませんから誰も損をしないのです。菓子折り一つで退去者も不動産屋も少し得をしますが、だからと言って、その分は家主さんが損をしている、ということにもなりません。
え?今度は何?
「許容誤差って、アンタが勝手に言ってるだけだろ!」ですって?
悪いけど、あまり突っ込まないでくれる!?
