2011年04月19日

災害時の生命保険金、損害保険金の支払いについて

昨日、msn.ニュースを巡回していて、たまたま「災害時の生命保険金、損害保険金の支払い」についてネクスティア生命保険株式会社のCFP金村聖正さんが解かり易く解説している記事がありました。

同様の記事はいろんな方が書かれていますが、いちばん解かり易いのでは、と思います。長くなりますが全文を貼らせて頂きます。


災害時の保険について2011年03月23日

はじめに
 この度の東北地方太平洋沖地震および長野県北部を震源とする地震で被害を受けられたみなさまに謹んでお見舞いを申し上げますとともに、犠牲になられた方々とご遺族のみなさまに、深くお悔やみを申し上げます。そして、被災者救助や災害対策に全力を尽くしている関係者の方々、それを支えるご家族の方々にも、心からの敬意を表します。

 私自身は都内で大きな揺れを体験し、地震の恐ろしさを実感したものの、被災地の方々の恐怖や、これまで積み上げてきたものを一瞬で失ってしまう悲しみがいかほどかは、当事者以外には想像もつかないほどと思います。本コラムを執筆している今日で震災より11日が経過しましたが、いまだ被害の全容は見えず、つらく厳しい状態が続いています。一刻も早く事態が好転してほしいと切に願うばかりです。

 本当にわずかながらではありますが、このコラムでお役に立てることのひとつは、災害時の保険に関することをお伝えすることと思います。生命保険、損害保険横断で、まとめ記事を書かせて頂きます。(未だインターネットをご覧になる環境がない方も多いとは思いますが、いつかお役に立つことを願いまして)

生命保険・医療保険について
 生命保険会社が取り扱っている生命保険や医療保険は、あらかじめ定められた支払い事由に該当する限り問題なく保険金を受け取ることが出来ます。ただし、今回の震災では関係ありませんが、保障名に“災害”と付いている、“災害死亡保険金”や“災害入院給付金”などには注意点があります。これらは一般的に、大規模な地震や津波などで想定以上の被災者が出た場合、保険金を削減したり支払わない場合があると約款上に規定されています。

 今回の震災においては全生命保険会社が削減することなく、全額を支払うと発表していますのでご心配は不要ですが、この点については覚えておいてください。

 そのほか、各社とも保険金請求手続きの簡素化や、保険料払い込みの最長6ヵ月間猶予、契約者貸付利率の引き下げ等、特別な取り扱いを行うことも発表しています。ただし、保険金請求はもちろんのこと、保険料払い込みの最長6ヵ月間猶予も、保険会社に申し出をしなくては適用されないケースもあります。まずは、ご加入中の保険会社へ連絡をしてください。

 しかし、状況によってはすぐに保険会社へ連絡することが困難な方もいらっしゃると思います。保険金請求の期限は、請求事由が発生してから通常3年間あります。また保険証券がなくなっていても契約は有効ですし、請求事由の発生が保険期間内であれば、保険期間満了後に請求をしても問題ありません。

損害保険(火災・地震保険など)について
 今回の震災により、多くの家屋が地震によって倒壊したり、それ以上に津波による被害も甚大でした。地震や、地震による津波で、家屋や家財が被害を受けた場合の保障をするのは、地震保険になります。地震保険にご加入されている方は、まず各保険会社にご相談ください。ただ、地震保険に加入されているものの、どの保険会社なのかわからない方のために、損害保険協会が「そんがいほけん相談室」という制度を作りました。この相談室に連絡すれば、各保険会社に照会をしてくれ、後日保険会社から連絡が入ります。

【相談窓口】

社団法人日本損害保険協会 そんがいほけん相談室
フリーダイヤル  0120−107808
携帯・PHSからは  03−3255−1306

【受付時間】

月〜金曜日 (祝日を除きます) 9:00〜18:00
土・日曜日、祝日 (当分の間) 9:00〜17:00

詳しくはこちら ⇒ http://www.sonpo.or.jp/news/information/2011/1103_07.html

 また、地震保険は家計が壊滅的な状態になるような巨大災害時の補償をする趣旨の保険であるため、補償内容にも注意が必要です。火災保険のように受けた損害額に応じて補償されるのではなく、損害の割合に応じて「全損(保険金額の100%)」「半損(保険金額の50%)」「一部損(保険金額の5%)」の3区分で保険金が支払われます。たとえば家財の場合、家財時価の10%以上の損害がないと一部損にも認定されません。“食器棚が倒れて食器が割れたけど、損害額は家財全体の10%未満だった”というケースでは補償されないということです。また、現金や有価証券、1個30万円を超えるような貴金属や宝石、骨とう品、書画、美術品なども補償の対象外となりますので、ご注意ください。

詳しくはこちら ⇒ http://www.sonpo.or.jp/useful/insurance/jishin/pdf/index/jishinhoken_yakkan.pdf

 それと、火災保険でも、地震による火災で半焼以上の被害が出た場合は補償されるケースがあります。一般的には火災保険の保険金額の5%程度の補償額ですが、まずはご加入中の保険会社にお問い合わせください。また、保険ではありませんが国から住宅を失ってしまった方への支援として、最大300万円までの支援をしてもらえる「被災者生活再建支援制度」もあります。こちらの窓口は各市町村になります。

 最後に自動車の補償です。今回の震災では、津波により多くの自動車が流された衝撃的な光景が忘れられません。しかし残念ながら、ほとんどの自動車保険では約款で、地震や、地震による津波での車両損害を補償しないと規定されています。補償できる特約がある保険会社もありますが、おそらく各保険会社とも積極的な引き受けは行っていないと思います。この点においては、保険で備えることが出来ないという状況です。

最後に
 どの保険会社においても、あらかじめ約款でお支払いできないと規定されている範囲を超えて、お支払いすることはできないと思いますが、お支払いできる保険は迅速簡便にお支払いするよう体制を整えています。繰り返しますが、まずはご加入されている保険会社へお問い合わせください。各保険会社の連絡先は以下を参照ください。

生命保険会社窓口 ⇒ http://www.seiho.or.jp/data/other/110312disaster/contact-list.pdf

損害保険会社窓口 ⇒ http://www.sonpo.or.jp/news/file/00570.pdf

 被災地の方々が少しでも早く日常を取り戻せるように、1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

※本コラムは私的な立場で記載したものであり、会社の見解や戦略、あるいは意見を述べたものではありません。




ネクスティア生命保険株式会社
CFP 金村 聖正
提供:株式会社イマジネーション




本人確認するにも、自分の戸籍さえ回復するのが大変で、誰が保険金受取人(相続人)なのか、権利者は他にいないか、の確認作業も容易ではないと思います。家族も証券も流されていたら保険に入っていたかどうか知る術がなかったり、「金庫の中に証券が入っているから子供たちに言わなくていい」と家族に知らせてないケースもあるものでしょう。まさか金庫ごと流されるなどと思いもせずに。

こんなことを言ってはナンですが、各保険会社がいち早く「減額することなく支払う」方針を固めたのには、請求が全く起こされないケースも相当数見込まれるので、トータルで損益を判断した上での「イメージアップ戦略」という一面もあるのでは、と思います。まあ「それを言っちゃあお終いよ」であって、もちろん、あれこれ理由を付けて減額するより遥かに良いことではありますが。

そんなことを言うのも、その昔、お袋の知人が生命保険を掛けていたのですが、いざ、ご主人が亡くなって請求したなら、支払いは遅いわ減額されるわで大変な思いをしていたからです。「まあ、払う側の対応はそうなるだろうな」とは思いましたが。

そういうこともあって(うちのには申し訳ないのですが)私は現在生命保険には全く加入していません。満期が来ると、親切ごかしに「次からの掛金が高くならないよう満期返戻金を以降の掛金に均して結局は一銭も入ってこないやり方」にも不信感を持ってますし。私が死んだらうちのには何も残りませんが、うちのはそれも承知してくれています。だいいち私の収入で(死亡保険金;事故で1億、病気で5千万として)毎月4万円の掛金などとても払えませんし。

保険会社の事務所の賃料や人件費などの経費や利益を考えると、「高額な保険金を受け取る人」と「掛けた分の合計より遥かに少ない(わずか1〜2百万の)満期返戻金しか受け取れない加入者」の比率は、圧倒的に後者が高くなるのは当然で、私が一定年齢まで生きていれば「ああ、保険なんか掛けてなくて、その分で人生を楽しめて良かったね」と思うことでしょう。それは、そんなに遠い話ではなく、もう目の前ですしね。年金も(加入してないから当然ですが)保険金も当てにしない老後の生活設計はボチボチ考えています。保険金、受け取らないで済めばそれに越したことはありませんが。

と言うか、(妻の立場からすると)旦那が契約者で生命保険を掛けて早く死んでくれるか、(夫の立場からすると)生命保険など加入せず長生きしなければ元が取れない世の中、なんですねわーい(嬉しい顔)


さて、義援金の配分もやっといちおうの金額が決まったようですが、振込か現金か、支給方法や時期はまだ決まっていません。(国か地方自治体か)どこがやるのかも詰まっていないないようですし、保険に何も加入していなければ関係ない話ですが、被災者の保険金がなるだけ早く支払われるよう願っています。





posted by poohpapa at 06:45| Comment(2) | プロとしての見解、アドバイス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も家を建てたときの地震保険をどうするか考えていたとき、約款の隅っこに小さいフォントで「大規模災害の時には支払いが免責されます。」(記憶より)みたいなことが書いてあったので、地震保険に入るのを止めた記憶があります。
大規模災害じゃない地震って何?
個人の家だけピンポイントで罹災する地震なんて聞いたことがない、というかありえないと思うのですけど…(トンデモ超兵器かよっ。)
支払わない気満々じゃないか。
映画『レインメイカー』を思い出します。
Posted by ハリケ−ン at 2011年04月20日 14:48
ハリケーンさん、おはようございます

<<個人の家だけピンポイントで罹災する地震なんて聞いたことがない、というかありえないと思うのですけど…(トンデモ超兵器かよっ。)
支払わない気満々じゃないか。

以前は火災保険など掛けていて、営業の方からそう説明を受け、私もそう思ったので地震保険には加入しませんでした。

保険会社は契約している一社で全て請け負っているワケではないので、その保険会社が集めている掛金だけしか原資がないワケでもないのですが、生命保険では「戦争や騒乱(動乱?)による死亡」も支払い対象になっていなくて、「いっぺんに死んじゃったら払えないよ」ということなんでしょう。

今回、いち早く「全額を支払う」ことに決めたのは(あくまで被災者にとっては)いいことですが、保険会社が良心的だったというのでなく別の事情(計算)があるように思えます。間違いなく、今後保険会社の台所は苦しくなりますから、他で何らかの影響も出てくるものでしょうね。

「加入者が得する話だから良い」とはならないのですよ。例外的に約定と違うことをするなら最初からそのように取り決めておくべきで、今回、約定どおりに査定して減額や不払いがあると、消費者から「だったら保険なんか入らないほうがいいじゃないか」と非難されて加入者が減少するのを恐れた為の措置で、加入者の為でなく自分たちの為なんですね。

被災地の方には申し訳ないのですが、もし今回のケース、約款上「本来は支払えない」ものなら、私は例外的扱いにしないほうが良いのでは、と思いますね。約定に則り決められた額を速やかに払うことで保険会社の責務は果たしているワケで、例外(超法規的措置)が一度で終わる、なんてことは考えられません。今後も似たようなケースの際にその都度払えるならかまいませんが。

ちなみに日本生命はあの三井不動産より(貸しビルなどの)不動産を持っている日本最大の不動産オーナーだそうです。大勢の社員を抱え、一等地に事務所を出し、テレビCMを何本も打ち、国内外に不動産を取得していっていて、その元々の原資は皆の掛金ですから、保険に入って元が取れる人、ほとんどいませんよね。

車の保険もそうですが、私たちが保険に入る目的は「安心を得る」ことで、元を取ったり資産作りではないので、無意味とは思いませんが、加入者(や遺族)が死亡保険金や入院給付金などを受け取れる確率は非常に低いものでしょう。なので、私は(自分の為には)無保険で生きることにしました。車は相手があることなので加入していますが。
Posted by poohpapa at 2011年04月21日 07:44
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