アップする記事の予定を変更して、msn.ニュースより、久しぶりに更新料に関する裁判の話題、
1年ごとに15万円…賃貸住宅の更新料「有効」 京都地裁判決
賃貸住宅の1年ごとの契約更新時に、家賃約3カ月分の更新料を取るのは無効として、京都市の消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」が不動産会社「ジェイ・エス・ビー」(同市)に契約条項の使用差し止めを求めた訴訟の判決で京都地裁は17日、請求を棄却した。
更新料をめぐっては最高裁が昨年7月、「賃料や更新期間などに照らし、高額過ぎるなどの事情がない限り、無効ではない」と初判断。今回は賃料が5万1千円で、1年ごとの更新時に15万円を支払う契約条項が争点。松本清隆裁判長は「高額過ぎるとは直ちに断定できない」と指摘した。
同団体代理人の長野浩三弁護士は「高額ではないとした判決は極めて不当」とコメント。同社代理人の田中伸弁護士は「適正、妥当な判決」とした。
(記事全文 2012.1.17 20:36)
先の最高裁判決があるから、ということかも知れませんが、不動産屋からしてみても、賃料5万1千円で1年毎に更新料15万、というのは合理性があるとは思えませんね。契約時に、たとえば「本来の家賃は7万5千円ですが、月々の家賃負担がキツイのであれば、ボーナス払いのように年一回の更新料で調整する、という方法も考えられますが・・・。その場合、更新を迎える前に退去したなら差額を計算して負担してもらうことになります」といった説明と合意がなされていた、というなら話は別ですが、もしその部屋の家賃5万1千円が普通の家賃相場だとすると、この更新料は常識外だと思います。
上(高裁)に行ったら判決が覆される可能性もあるでしょう。
2年毎の更新がほとんどの東京の慣習で計算すれば、5万1千円の家賃の部屋で、2年毎に更新料30万を請求されるようなものですから、そりゃあモメますよね。二度とその店を使ってくれなくなるでしょう。
ただし、契約時に「それで合意していたという事実」も無視は出来ません。ちゃんと説明を受けてその時は納得していたのに、後になって誰かに知恵を付けられたりして「私は騙された、世の中の相場などを知らなかった」と言い出す者もけっこういるものです。これほどのものではありませんが、私も何人かいました。
「ちゃんと説明して納得していたのに、今になってそんな理不尽なこと言うか!?」、てな輩が。
このご時勢で、数年前の契約であったとしても「住む部屋がなくて困っていた」ということは考えられませんし、契約時に「1年毎に更新料15万」と説明を受けて、その時に何ら交渉などせず受け入れていたとしたら、「知らなかった」ではなく当時は「それで何とも不満に思ってなかった」ということです。いえ、契約時に初めて知ったのでなく物件の広告を見ていた段階で既に「更新料の条件」に気付いていたハズです。
「約束(約定)は互いに守る」、それが先ず大前提ですね。そして、後は「程度の問題」でしょう。最高裁で「更新料そのものは違法とは言えない」との判決が出ていますので、もう「制度の是非を問う裁判」でなく「個別の事例で内容を争う裁判」になりますし。
いつも「ハッ」とさせられるようなご意見を有り難うございます。
私は、更新料などのトラブルが起きるのは「全国的な統一ルールが無いから」だと思っています。それも、誰の目から見ても「妥当」と思われるようなルール、ですね。貸主と借主は立場が逆なので、利害が相反する部分もありますが、双方が納得できる「落とし所」を探ることはできるものでしょう。
鍵交換に関しては、以前のブログでも書いていて、訪問者が一番多い記事でもありますが、その中で「義務付けるのは間違い。その場合は家主負担が当たり前」「入居者が希望した場合は実費で」と私も書いていますので、 B.C.POORさんと同じ考え方であります。うちの地域では「入居者負担で義務付けている」ケースは少ないですよ。
<<そういう人は、貧困に馴染んでしまっている割りには、貧困を恐れているんじゃないでしょうか。川縁にテントで暮らす位の思い切りがないと、現状を打破できないかもしれません。
それは仰るとおりですね。話が本筋から外れますが、私はホームレスの人たちは凄くマトモな人たちだと思っています。「家賃が払えない、自分でそう解かっていて部屋を借りて人様に迷惑をかける」なんてことをしないのですから。一番タチの悪いのは、ホームレスになれない奴、ですね。ホームレスの人たちは社会や人に甘えていないのですよ。ホームレスは弱者ですが、(悪質)滞納者は弱者なんかではありませんよね。
でね、ほとんどの業者は「自分が客の立場だったら」と考えるものです。でなければ続きませんしね。最初から「そもそも不動産屋自体が悪質」と断じる人がどれだけの社会経験を積み、体験を重ねて「そういう結論」に達したかは不明ですが、視野狭窄の状態で人生が渡っていけるほど世の中は甘くありません。伝わってくれたら嬉しいのですが・・・。
この業界も最高裁の判決に安堵してその上に胡坐をかくのでなく、次なる一歩を踏み出すべきでしょう。