そもそも、宅建の試験というのは、どんな内容なのか。
大雑把に分けると、「権利の移動(民法)」「法令上の制限(建築基準法、国土利用計画法、等々)」「宅地建物取引業法」の3分野からなり、最近の本試験は分野ごとの問題数の配分が変わっているようだが、すべて法律の問題。合計50問で、4択形式だから、答えは目の前に書いてあることになる。年度によって違うが、業法の問題数が増えたことから従来の合格ライン(概ね35問)より若干多く正解しないと合格は覚束ないかも知れない。「な〜んだ、簡単じゃん」とお思いのアナタ。アナタは小学校の社会や理科のテストの形式を想像しているのであろう。例えば、「未成年者の権利についての記述で、次の中から正しいものはどれか」とか、「誤りはどれか」と聞いてきて、正解が確実に4つの例文中に入っているのに、どれも正しく、あるいは誤りに思えてくるからア〜ラ不思議、である。それでも、今のところ記述式にはなっていないので、早めの挑戦をお勧めしたい。資格試験というものは年を追って難しくなるものだから。
実際に本試験後に答え合わせをして、「あ、これも正解、これも正解」と、何問も続けて正解している感覚で、35問そこそこ、の正解数である。元巨人の江川 卓氏が「現在のようにローテーションを中4日とか5日とかキッチリ守ってると、今日も勝った、また今日も勝った、というくらいの感覚でやっと20勝ですよ」と言っていたのがよく分かる。
それと、よく「受験することを周りに隠している」人がいるが、それも間違い。誰彼なく公言して自分を追い込まなければならない。落ちたら恥をかく、それが嫌なら頑張ればよい。私は全友人に電話した。
さて、受験することで覚悟を決めたら、先ずテキスト選びである。実は、その段階で、落ちる人は落ちる、と言っても過言ではない。法律の勉強なんて、そもそも取っ付きが悪いもの。それをいかに分かり易く、覚え易く解説してあるかがカギなのだから、テキスト選びでツマズイたなら、のっけから合格に黄色信号が点る。
私がお奨めするのは東京リーガルマインド社(LEC)の「出る順」宅建のシリーズ。「出る順」とは、試験に出題される頻度が高い事柄から順番に書いてある、という意味で、3分野(3冊)に分かれている。このテキストは親しみ易く、非常に良くできている。あとは、過去問(例:過去20年間の本試験問題集)が必要で、厚いほど良い。最低限、これくらいは用意してもらいたい。稀に年の初頭に法律が変わることがあるので、買う時期は4月の下旬あたりが良いだろう。変わったばかりの法律から出題されることはあまりないので、去年までのテキストをそのまま使ってもさほど問題はない。
次に、いつから、どれくらいの時間、勉強したら良いか。
GW明け直後にスタートして、本試験までの間、毎日必ず2時間。必ず、である。続ける自信がなければ諦めてもらいたい。この、「毎日2時間」が守れるなら、合格の可能性はかなり高くなる。
「明日は予定で一杯だから、明日の分は明後日まとめて・・・」は不合格への第一歩。明日できない分は今日済ませなければならない。私も2度、徹夜を経験した。朝になって、子供がリビングに入ってきて、「お父さん、徹夜で勉強してたの?」と聞いてきて、「そうだよ」と背中を向けたまま事も無げに答える。これが教育になる(笑)。だが、落ちてしまったらサマにならない。「いつも偉そうなこと言いやがって、親父だって落ちたじゃねえか」になるから、正直、必死だった(爆)
学校では、1時間目「国語」、2時間目「算数」と科目を変えて気分転換を図るが、宅建は違う。勉強の順番を間違えても「アウト」となる。それは、どれも法律でありながら、主要3分野の勉強の質が異なることによる。「民法」は(理屈)であって、一度覚えたら忘れることはあまりない。「法令上の制限」は(記憶)だから初期に勉強すると忘れてしまう。「業法」は(理屈7割、記憶3割)だからほぼ中間。したがって、「民法」「業法」「法令上の制限」という順番で勉強しなければならない。1つの分野を全部終えてから次の分野に進むのが鉄則となる。科目を変えることで気分転換を図ってはならない。
さぞかし気が重くなってきたことだろう(超爆)
次回はいよいよ完結編である・・・・・たぶん。