うちの会社は、4年ほど前、10年も付き合っていた税理士から、「もう、おたくの会社の顧問はできない」と断られてしまった。
その税理士は、「税務署あがり」の税理士であった。どういうことかというと、一般には、税理士試験に合格しなければ税理士にはなれないが、一定期間以上税務署に勤めると試験を経ずして税理士の資格を得ることができる。税務署を退職した後(実際には退職前に根回しして)、在職中知り合った法人に「税理顧問契約」をお願いすることで税理事務所を成り立たせることができる。これも一種の、形を変えた(都合のよい)「天下り」であろう。ちなみに、たしか、大学の法学部の「助教授以上」を5年間以上務めると、司法試験を経ずして弁護士の資格を得ることができたと思う。
それからすると、「不動産屋に10年以上勤めると資格試験を経ずして宅建主任の資格がもらえる」という話が無いのは不公平というものだ(爆)
で、その税理士の口癖は、「それじゃあ、税務署は納得しませんよ」というものだ。
度々口にするので、6年ほど前、私より一回りは年上のその税理士に対し、私が噛みついた。
「○○さん、アンタは非常に腕の悪い税理士だ!」、と。
「無礼ではないか!私は誰にもそんなことを言われたことは無い!君はなんて無礼な男だ!」
税理士は血相変えて怒った。額の横の血管が見る見るうちに膨らんでいくのが分かった。
「当たり前でしょう。会社が税理士に顧問料を払うのは何のためか考えてごらんなさい。
税金というのは、申告の仕方で、納める額が100万になることも、20万で済むこともある。
私は、脱税を指南しろ、などと言っている訳ではない。節税の仕方を教えろ、と言っているのです。
アンタのように、税務署が納得しないからと言って納税額の幅の中の一番高いやり方で常に申告させるなら、アンタになんか頼まないで税務署の窓口で相談すれば済むことじゃないですか。窓口ならタダだから、そうすればアンタの顧問料が浮くことになる。アンタも税理士なら、せめて自分が受け取っている顧問料分くらいは節税させる努力をしたらどうか!」
私は、ハナからその税理士を怒らせるつもりで言ったのだ。
そのくらいしないと分からないだろう、と踏んでいたから。
うちの社長も同席していたが、我々のやり取りを黙って聞いていた。
実は、この税理士に、今の奥さんを紹介したのはうちの社長である。いわば仲人のようなものだ。
にも拘らず顧問を断ってきたのだから、よほど私の言ったことが腹に据えかねたのであろう。
であろうが、私の言ったことの意味は理解できなかったようだ。
その後も2年くらいは顧問をしていたが、4年前、ついに正式に断ってきた。
社長に、「長年の付き合いを私が切らせてしまって済みませんでした」と謝罪すると、社長は笑ってこう言った。
「いやあ、○○君の言ってるのが正論だよ。気にすることは無いさ」と。
で、社長、今度は大学時代の後輩にあたる税理士を顧問に据えた。
これがまた、前任者に負けず劣らずの「カチカチ頭」で、今も私を悩ませている。
既に「PART 2」を出すことは決まっている(爆)
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