子供虐待のルーツ、かも

不動産屋を、本来の「部屋探し」とは別の意味で「利用する」客がいる。

小学生の娘２人と来店して、「３ＤＫ以上の部屋を紹介して欲しい」という母親がいた。
ご主人と離婚後、公立保育園の保母をして２人の子供を育てていた。
今度、再婚をするらしい。

希望条件に合う物件を見つくろって、車で案内することになった。当社からは車でも１時間近くかかる。物件はレンガタイル張りの築浅マンションの高層階で、造りや広さの割に安いのは、やはり相当郊外にあるからだろう。

部屋に入ると母親は、「こっちが○○ちゃんのお部屋で、あっちが○○ちゃんのお部屋でいいわよね」、と娘たちに言う。娘たちも「自分だけの部屋」がもらえる、ということでとても喜んでいた。それでも、「申し込む」とは言わない。

翌週、「他にも何か見せてください」､と言うので、別の物件も案内した。前より内容は劣る物件だが、その分少し安く、前と同じく、「こっちが○○ちゃんのお部屋で、あっちが○○ちゃんのお部屋で・・・」と言い、また娘が喜んでいる。だが、それも申し込まない。

で、今度は、私の休みの日に、｢職場のＦＡＸは私用では使えないので、勤め先の保育園まで他の物件の資料を届けて欲しい」、と言う。仕方なく休みではあったが何枚かの資料を届けに行った。

数日後、電話して、何か気になる物件があったか聞くと、「もう部屋は必要なくなりましたから結構です」、とのこと。「他で見つかりましたか？」、と聞くと、｢今住んでる２ＤＫに、そのまま４人で暮らすので、もう電話も頂かなくて結構ですから」、とのこと。
人に、「あっちだ、こっちだ」、と案内させておいて、そんな言い方はないだろう（怒）

ことここに至って、私もようやく気が付いた。母親の狙いは別にあったのだ。

母親は、子供たちに、「お父さんではない男」との再婚を納得させるために、｢お母さんが再婚したら、あんたたちには自分の部屋をそれぞれ与える」、という餌をチラつかせたのだ。おそらく子供たちは、母親の再婚に最初は反対していたのだろう。何軒か物件を見ていくうちに子供たちがその気になって、「もう自分の再婚を受け入れる」、と判断できたので、不動産屋が「用済み」になった、ということだったのだ。

母親は元々部屋探しなどする気はなかったのだ。子供が再婚を納得しさえすれば、今の２ＤＫでそのまま暮らすつもりだったのだろう。そのために、客を装って不動産屋を利用したに過ぎない。普通なら、「いろいろとご面倒をおかけしたのに申し訳ありませんでした」、くらいは言う。単に「性格が悪い」だけではないだろう。

私は自分が「利用された」ことより、母親に嘘をつかれている子供が可哀相に思えた。
相手の男には会っていないが、母親のやり方を見ていれば、新しい父親が連れ子を可愛がることは有り得ないと思う。ひょっとすると、子供が邪魔になれば、実の母親も一緒になって虐待を始めるかも知れない。

私は、しばらくの間、とても気が重かった。
今も「幼児虐待」のニュースを視る度に、あの時の子供たちを思い出す。

Comments

　poohpapaさんこんにちわ。
基本的に「自分さえ良ければ」という親が多くなってきているのでしょうね。以前の「自分の家族さえよければ」が更に酷くなって　汗
　子供の前での嘘はホントに子供を傷つけますよね。
　以前ウチの貸してるトコの駐車場でオバサンが子供に「そこでしちゃいなさい」って言ってるので、何するのかと思ったら立ち小させて（滝汗）怒鳴りつけてソコ行ったら母親事もなげに「あらその子が勝手にしたのよ、私関係ないでしょ？」って事あったの思い出しました。
　当然オバサン叱りつけてやりましたが、子供が酷く怯えてて。
　きっとこのオバサン、後で子供に辛く当たるんだろうなと思うと悲しくなってきて　泣
　あ??今思い出しても腹が立つ　苦笑

　poohpapaさん、お休み満喫してきて下さい。私は赤い日だけ休みなのでもう一頑張りです　笑
　再開楽しみにしております！

Posted by やす at 2004年04月27日 15:40

やすさん、こんにちは

ホントのこというと、そろそろネタが底をついてきたような^^;
仕事が少しだけ忙しくなって原稿の書き溜めができないので、予約公開が辛くなってます。だから、「ま、いいか！」って感じでお休みです。

そうそう、そういうオバサン、本当に多いですね。「ほらほら、そのオジサンが怒ってるでしょ」っていうの。「テメエで怒らんかい！」って吠えたくなります、まったく（爆）

まあ、また充電して頑張ります。でも、帰ってすぐ５月１日に追い出しがあります。もちろん、ネタにしますけど(^^♪

今後ともよろしくお願いします。

暦どおりは辛いかも知れませんが、やすさんもどうぞ良い休日をm(__)m

Posted by poohpapa at 2004年04月27日 15:52