30歳という若さで逝かれた奥様がいらっしゃいました。
元々のご病気は「子宮ガン」でした。専門医の診察を受けた時には既にリンパ節にも転移していて、もはや手遅れの状態だったとのことで、ご夫妻には子供はなく、逆にその分、「この世への未練や気掛かりが少なくて良かった」、と言えるかも知れません。
入居していたアパートは、家主さんの戸建住宅にくっついた上下一世帯の2DKの2階の部屋で、リフォームの仕事をしていたご主人との夫婦仲も睦まじく、亡くなられたから言うのではなく本当に素敵な奥様でした。誰とでも友達になれてしまうような気さくな方で、お友達の部屋探しを何人も紹介して頂き、案内にも同行してくださったりしました。
で、婦人科のご病気ですし、奥様からすれば知られたくないことでしょうから、家主さんと相談のうえ、私は最期まで知らないことになっていました。実は、ご主人から家主さんに話があって、家主さんからすぐ私にも詳細の連絡がありました。何でも、ずっと以前から夫婦の睦み事の後、決まってオリモノがあったとかで、気にはなったけど放っておいたのだとか。すぐ医者に掛かっていれば、と本当に悔やまれます。
医師から「命の期限」を切られていましたが、私も、「少しでも長く生きて欲しい」と願っていたので、新聞や雑誌で、「癌にはこの食事」なんて記事を見つけたり、癌に効くという健康補助食品を手に入れると、家主さんにお送りして、家主さんから、ということでお隣に届けてもらいました。私はあくまで「知らない話」ですから。
そのうち、家主さんから電話を頂きました。「ここのところ小康状態なので、2人でハワイに行くそうですよ」、とのこと。もちろん、最後の旅行になるであろうことは皆んな分かっていました。本当に良い想い出になったようです。
しばらくして、更新の連絡もあって電話をすると、奥様が出られたのですが、声もカスレていて話の途中で咳が止まらず、どうやら肺にも転移しているようでした。家主さんのお話では、「最近はお部屋にいても、誰が訪ねても応対に出てこないのですよ」、とのこと。女性だから、病気でやつれた姿を見られたくない、という当たり前の心情だったのでしょう。私は「知らない」ことにしていたので、「お風邪ですか?」と聞くと、「そうなんですよ、聞き取りにくいでしょう。ごめんなさい」、と仰っていました。
それから半年ほどして奥様はお亡くなりになり、告別式にも参列させて頂きました。
その後、1年以上ご主人もそのアパートに入居していましたが、退去することに。
きっと、奥様との思い出の部屋に1人で暮らすのは辛かったのでしょう・・・。
いいや、とんでもない!新しい女とその部屋で暮らすのが嫌だっただけのことだ。
で・・・・・・・、ここから、その旦那と私のバトルが始まる(爆)
バレバレではあったが内緒で、しかも無許可で猫数匹を飼っていながら、「敷金はどれだけ戻してもらえるのか」、「いつ戻してもらえるのか」、「何年も入っていたのだからリフォームの負担は無いだろう」、との質問の山。腹の中は分かっている。「新しい女との新婚生活の資金を少しでも確保したい」のだ。「バカヤロー!」、である。
たしかに、ご主人もまだ若いし、いい人がいれば再婚するのもかまわない。
だが、家主さんだっていろいろ気遣ってくれていたではないか。しかも内緒で猫まで飼って荒らしていて、それでいて「敷金は全部返してくれるのか」、はないだろう。私が家主さん経由で送った「健康食品」や「本」の話が、喉まで出かかっていた(苦笑)
このご主人、以前はそんなことを言うような人ではなかった。今度結婚するという「女」がそう言わせているのだろう。私は亡くなった奥様をよく存じ上げているだけに辛かった。奥様以上の女性を望むのは無理としても、せめて同等くらいの女性は探して欲しい。でなければ、亡くなられた奥様も浮かばれない。
私はきっちりリフォーム代を請求してやった。もちろん、奥様への弔いの意味も込めて。
2004年06月28日
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亡くなった奥方、他人事じゃ無い気がしました。
母方の祖母が50代で癌で死去し、わが母も肺癌らしい・・
検査で肺に怪しい翳が見つかって「手術しか手段が無い」
と言われて、再検査すると「翳が激減している」と・・・
結局手術しないで良いとか言われて「???」でも
今度は腎臓を悪くして入院です。
医者が身近になってきました・・・
息子さん、ゲーム作るのは止めた方が良いですよ?
古い知り合いで、正にゲームソフトを開発して
大儲けした友人は、一緒に設立した仲間が金に狂ったとかで
そこを辞め、また自力で事業を成功させた「ツワモノ」ですが
「ゲームのプログラムは新しい感性を要求されるから、
ずっと続けるのはしんどいな??」と言ってました。
ゲームをプログラミングしている立場から
彼のテレビゲームの腕前は唖然とする程達者でした。
その彼が、尊敬し「どうしても超えられない」と言わせた
彼の父も癌死されました。モルヒネで痛みを抑えて
亡くなる少し前まで私たちに話をして頂いた賢人でした。
彼の家では何度も【たこ焼きパーティ】に参加しましたが
大阪で売っている何処のたこ焼きも相手にならぬ美味さでした。
子供がいないと、夫婦なんてこんなもんなんでしょうか?
少し、人生のダークサイドを見てしまったような気分です。
また、これを読んで、嫁さんに婦人病検診に行くように言いました。
口うるさいですが、やっぱりいなくなると寂しいので。
僕の大切な友人が去年白血病で亡くなり、もうすぐちょうど
1年になります。
なので、興味深く読んでおりましたが、最後の転の部分に昼ドラな印象を受けて、やはり人生色々だなと感じることしきりであります。
人間、年をとると、あちこちガタがくるし、いろんな病気を心配しなければならなくなりますね。健康であることが「幸せの第一条件」ですね。お母さん、良くなってくれるといいですね。私はもう孝行できませんが、ご健在のうちに、悔いが残らないよう尽くしてあげてくださいね。
あと、癌は「体質の遺伝」とも言われているので、クマさんも気をつけてください。
さて、次男は「ゲーム制作」は諦めているようです。私なんかは、いっそのこと新聞販売店の店主に納まればいいのに、くらいに思っています(#^.^#)
というのも、趣味と仕事は別にすべき、と考えていますので。
クマさんや周りの人の人生も、実に波乱に富んでいますね。その「波乱」をも愉しんでストレスを溜めずにすめば、クマさん長生きできますよ。「風邪は万病の元」と昔から言われてますが、私は「ストレスこそが万病の元」であるように思います。
いつも、コメント、有難うございます。
ここのところ毎日、ロンドンからのジョークに、腹を抱えて笑っています。時差の関係で、朝一で「新鮮なジョーク」が届くのが嬉しいです。
さて、口うるさくてもエルメス好きでも、奥様が元気でいてくださることが「一家の幸せの源」ですから、検診をお勧めになったのはとても良いことですよ。もし私のコラムが「奥様の病気の早期発見に繋がった」なら、こんな嬉しいことは・・・、ン?何か違う・・・^_^;
うちの親父が、「伴侶と生き別れた人となら良いが、死別した人と結婚するものじゃない。生き別れた者は憎くて別れてるけど、死に別れた者は前の伴侶を美化して事あるごとに比較するから」、と、よく言ってました。真理だと思います。
私が感じたとおり、敷金のことで新女房がゴチャゴチャ言わせてるんだとしたら、きっと上手くはいかないでしょう。敷金清算の顛末は、亡くなられた奥様もきっと納得してくださってることでしょう。
いつもお読み頂き有難うございます。
不動産屋として、離婚して後に再婚するケースでの部屋探しは実に多いもので、稀に、死別して再婚、という今回のようなケースもあります。私が見ていると、たいてい、生き別れての再婚は前より良い(自分により合った)相手であることが多いのですが、死別による再婚は前より落ちる相手というのが多いようです。前者は「懲りて」いて、後者は「寂しい」のですね。
もちろん私は「懲りているクチ」です(爆)
若くして子宮ガンのこと。本当に傷ましいです。
そのお話でのpoohpapaさんお怒りの原因ですが、直接には、猫を飼って、別の女の言うこと聞いて……と書かれていますが、もう少し思われているところがあるのでは、と拝察しました。
少なくとも私はどうも「病気と別の女との時間/因果関係」が気になります。つまり「別の女」はいつ出来たのか、です。
そのお話、表には、「亡くなったから別のが出来た」というように見えますが、思うに、奥さんの子宮が使えない間(病気の最中)にその旦那が別のところに見つけた、というのがひとつありそうな筋です。その場合は、「病気になったから別のが出来た」です。
が、もしかすると、別のが出来たのはガンになる前かもしれません。そうすると、(「亡くなったから別のが出来た」でも「病気になったから別のが出来た」でもなくて)「別のが出来たから病気になり亡くなった」のだということになります。
最後だとすると──ガンにはたくさんの要因があるので一概には言えないようですが、ストレスというのはひとつの大きな要因らしいです。その奥さんの場合、旦那のそういうことを察知していて、しかもそれを内にずっと抱えていて病気になられたのかも知れません。いい人のようですから、誰にも言わなかったかも──。子宮ガンですし。となると、かなり傷ましい闇がありますね。
いろいろ深読みもしたくなるお話だな、と思った次第です。
実は、私も、どのあたりで新しい奥さんと知り合ったのかな、と気になってはいました。ですが、あまり考えたくない、というのが本音ですね。奥様がなんか可哀想に思えてしまうので。個人的には「亡くなられた後」に、と信じたいですね。
ただ、旦那さんとのストレスと奥様の病気との因果関係は分かりませんので、それについては私は何とも申し上げることができません。それまでの夫婦仲は、傍目にはとても良かったように思います。きっと、「他で発散させていた」ことも無かったのでは、と思います。本音で言えば、もう少し年月が経ってから再婚して欲しかったな、とは思いましたが・・・。
本文中にも書きましたが、奥様はきっと寂しく思っているでしょう。
コメント、有難うございます。
「痛ましい」より「心が痛そう・・」と感じ入りました。
でも最近コメントが少ないのは・・・
皆様「さめがめ」に嵌っているのでは?、、、
だとすると明後日からの【第二回さめがめ杯】200位
以内に納まれるか、「メッチャ不安!」
だって馬鹿なんだもんワ・タ・シ・・・
昨日も1700点に届かないから
200位に入れなかった(涙)
1面クリアも後4コマまでは行ったけど、
未だ達成出来ず・・・
そうですね、「痛ましい」ではなく、「傷ましい」なんです。
ところで、う??ん、「最近コメントが少ないのは・・・」、そのせいかも(爆)
クマさん、頑張って賞を獲ってくださいね。
では、おやすみなさい。