2004年06月28日

若くして癌で逝かれた奥様

30歳という若さで逝かれた奥様がいらっしゃいました。

元々のご病気は「子宮ガン」でした。専門医の診察を受けた時には既にリンパ節にも転移していて、もはや手遅れの状態だったとのことで、ご夫妻には子供はなく、逆にその分、「この世への未練や気掛かりが少なくて良かった」、と言えるかも知れません。

入居していたアパートは、家主さんの戸建住宅にくっついた上下一世帯の2DKの2階の部屋で、リフォームの仕事をしていたご主人との夫婦仲も睦まじく、亡くなられたから言うのではなく本当に素敵な奥様でした。誰とでも友達になれてしまうような気さくな方で、お友達の部屋探しを何人も紹介して頂き、案内にも同行してくださったりしました。

で、婦人科のご病気ですし、奥様からすれば知られたくないことでしょうから、家主さんと相談のうえ、私は最期まで知らないことになっていました。実は、ご主人から家主さんに話があって、家主さんからすぐ私にも詳細の連絡がありました。何でも、ずっと以前から夫婦の睦み事の後、決まってオリモノがあったとかで、気にはなったけど放っておいたのだとか。すぐ医者に掛かっていれば、と本当に悔やまれます。

医師から「命の期限」を切られていましたが、私も、「少しでも長く生きて欲しい」と願っていたので、新聞や雑誌で、「癌にはこの食事」なんて記事を見つけたり、癌に効くという健康補助食品を手に入れると、家主さんにお送りして、家主さんから、ということでお隣に届けてもらいました。私はあくまで「知らない話」ですから。

そのうち、家主さんから電話を頂きました。「ここのところ小康状態なので、2人でハワイに行くそうですよ」、とのこと。もちろん、最後の旅行になるであろうことは皆んな分かっていました。本当に良い想い出になったようです。

しばらくして、更新の連絡もあって電話をすると、奥様が出られたのですが、声もカスレていて話の途中で咳が止まらず、どうやら肺にも転移しているようでした。家主さんのお話では、「最近はお部屋にいても、誰が訪ねても応対に出てこないのですよ」、とのこと。女性だから、病気でやつれた姿を見られたくない、という当たり前の心情だったのでしょう。私は「知らない」ことにしていたので、「お風邪ですか?」と聞くと、「そうなんですよ、聞き取りにくいでしょう。ごめんなさい」、と仰っていました。

それから半年ほどして奥様はお亡くなりになり、告別式にも参列させて頂きました。
その後、1年以上ご主人もそのアパートに入居していましたが、退去することに。
きっと、奥様との思い出の部屋に1人で暮らすのは辛かったのでしょう・・・。




いいや、とんでもない!新しい女とその部屋で暮らすのが嫌だっただけのことだ。
で・・・・・・・、ここから、その旦那と私のバトルが始まる(爆)

バレバレではあったが内緒で、しかも無許可で猫数匹を飼っていながら、「敷金はどれだけ戻してもらえるのか」、「いつ戻してもらえるのか」、「何年も入っていたのだからリフォームの負担は無いだろう」、との質問の山。腹の中は分かっている。「新しい女との新婚生活の資金を少しでも確保したい」のだ。「バカヤロー!」、である。

たしかに、ご主人もまだ若いし、いい人がいれば再婚するのもかまわない。
だが、家主さんだっていろいろ気遣ってくれていたではないか。しかも内緒で猫まで飼って荒らしていて、それでいて「敷金は全部返してくれるのか」、はないだろう。私が家主さん経由で送った「健康食品」や「本」の話が、喉まで出かかっていた(苦笑)

このご主人、以前はそんなことを言うような人ではなかった。今度結婚するという「女」がそう言わせているのだろう。私は亡くなった奥様をよく存じ上げているだけに辛かった。奥様以上の女性を望むのは無理としても、せめて同等くらいの女性は探して欲しい。でなければ、亡くなられた奥様も浮かばれない。

私はきっちりリフォーム代を請求してやった。もちろん、奥様への弔いの意味も込めて。
posted by poohpapa at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・コラム・つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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