2004年06月30日

歩道を走る自転車

私の町は歩道の幅が広く、3mくらいはあるので、自転車が車道を走らずに歩道を走行している。これは、法規違反である。本来、自転車は車道を走らなければならないものだ。たとえ、歩道に「自転車走行可」の標識が出ていたとしても、少なくとも歩道では「歩行者優先」のハズである。しかし誰もルールを守ってはいない。巡査でさえ、である。

歩道は、歩行者だけでなく、ベビーカーも車椅子の人も、老人も通る。なのに、ふつうの速度で走っているから、歩いていてヒヤッとすることもしばしばある。

先日、商店街の歩道で、若い女性が乗った自転車が猛スピードでこっちに突っ込んできた。50mくらい先から見えていて、「このままでは必ず事故になる」、と感じたので、私はある覚悟を決めた。避(よ)けないことにしたのだ。商店街の歩道は横から直角にたくさんの路地と繋がっていて、路地から出てくる歩行者や自転車と、歩道走行の自転車がぶつかりそうになることは年中である。にも拘わらず、もしそのままのスピードで突っ切っていったらどうなるか・・・、
全く関係のない人が巻き添えになって怪我をするのは目に見えている。

私は丁度歩道の道幅中央よりやや右を歩いていて、向こうから突っ込んでくる自転車も同じラインを走っている。当然、どちらかが避けなければぶつかってしまう。だが、私は「自分が怪我をしてもかまわない」と思っていた。骨折しても、何針縫っても、向こうに責任を取らせればよいだけのこと、と考えていた。

人間、おかしなもので、そう覚悟していても別の考えが頭を過(よ)ぎったりする。
「このままいけば、あのタイヤはマトモに俺のポコチンに当たるだろう。将来的にまだ使うこともあるかも知れないから瞬間的に少しだけ左右に避けよう」、と真剣に考えていた。

自転車は5mくらい手前に来ても、全くスピードを落とす気配がない。私の右側には別の歩行者が並んでいた。「あ、ホントにぶつかる!」、と思った瞬間、自転車は転倒した。
向こうは「いつもどおり歩行者が避けるもの」、と決め込んでいて、それが全く避けなかったものだから慌てて急ブレーキをかけて転倒してしまったのだ。
乗っていた女性は、「痛ーい・・・」、と言ったきり、しばらく動けなかった。私が、「大丈夫?」、と声をかけると、もの凄い形相で私を睨みつけて、「大丈夫ですッ!」、と吐き捨てた。仕方がないので、ニコっと微笑みかけてやった。

彼女からすれば、「アンタが避けさえすれば、こんな目に合わなくてすんだんだ!このクソ親父!こっちは急いでたんだ!」、と言いたい気持ちだろう。だが、それは大変な心得違いである。今回は、たまたま他人様に怪我を負わすことなく自分が転倒しただけで済んだが、あのまま商店街を駆け抜けていて事故に遭わなかったとしたら、まさに「奇跡」である。もし、そのまま私とぶつかっていたら私が大怪我をしていたのは確実で、リスクを冒してまで彼女に大切なことを教えたのだから、感謝できないまでも睨みつけるのは如何なものか・・・。と言っても、転んだ彼女に理解できるハズもないが(爆)

「自転車は車道を走る」、と分かっていても歩道を走るのには、車道に駐停車中の車両が邪魔で走りにくい、ということも影響しているのだろうが、自分が加害者になった時のことをよくよく考えて、ルールを守って欲しい、と思う。

私は、車の「シートベルト着用義務違反」を取り締まるくらいなら、自転車の「歩道走行」や「無灯火」を厳しく取り締まってもらいたいもの、と、いつも思っている。
間違いなく、自転車はちっとも「弱者」なんかではない。充分「凶器」になり得るのだ。
posted by poohpapa at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・コラム・つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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