2004年07月07日

10年に一度の美味しい話

ある弁護士さんから、「ちょっとお願いしたいことがあるんで、事務所に来てもらえませんか」、という電話があった。出かけて行くと、何とも美味しい話が待っていた。

先生のクライアントが、会社設立の連帯保証人になって、その会社が倒産したために、抵当に入っている自宅土地建物を銀行から差し押さえられようとしていたのだが、クライアントは自宅を手離すことだけはどうしても嫌で、さりとてこのままでは競売に掛けられるのを待つばかり、ということで、私に協力を求めてくれたのだ。

先生の話では、「クライアントは競売で取られるのは嫌だから、親族か誰かに安く売却して、その代金を銀行に差し出して残りは債権放棄してもらう。それを銀行に納得させて競売をしないようにするためには、競売の予想価格よりやや高い額で売却することが肝要。実際には、買主は親族ではダメだから、形の上でオタクが買い叩いて購入したことにしてもらいたい。資金はクライアントが用意するし、私が付いてるから何の心配も要らない。手数料も、家賃も、オタクで取ってもらっていいから」、とのことだ。言うなれば、カネは出さずに名義貸しだけで、売買の手数料+賃料(一旦私の名義になるから)が入ってくるのだから、こんな美味しい話は無い。広告を打つ手間も費用も、買い手を探す必要も無い。一旦私の名義にして、銀行が残りの債権を放棄したら同額でクライアントが私から買い戻すだけのことである。

分かりにくいかも知れない。例えていうなら、「銀行から返せと言われている額」が1億円だとすると、返済不可能で競売に掛けたなら銀行は5千万くらいしか回収できない。それを、「5500万なら買う人がいるので、それなら銀行に500万多く返せるけど、どうします?」、と交渉するのだ。銀行が了解したら、それを第三者に一旦売却して、ほとぼりが冷めたら同額で買い戻す。私が買うカネは私が出すのではなく、売主がどこかから資金を調達してくる。要するに自分で買うのだ。1億の物件を差し押さえと競売によってみすみす人手に渡すのと比べて、ナンやカンやで4千万くらいは得をする計算になる。

人の縁、というのは面白いものである。「風が吹くと桶屋が儲かる」、ではないが・・・、

三年前の夏、イタリアを周ってきた。その時、北海道から参加していた家族連れと仲良くなって、旅行後もお付き合いしていた。その後、下の娘さんが転職をして勤め始めたのが東京の法律事務所であった。そこの先生の住まい探しやお友達の部屋探しを、採算を度外視してお手伝いさせてもらったり、先生からの裁判絡みの不動産物件査定依頼を無料でして差し上げたりしていた。それで、先生が気を遣ってくださったのだ。

私は、「後で何かで儲けさせてもらおう」、などとは決して考えない。だが、結果としてそういう美味しい話が来た時には、もちろん断ることもしない。「自然で良い」、と思う。
ここんとこ売り上げが不調で苦しんでいたが、「拾う神」がいてくれたようだ。
posted by poohpapa at 06:00| Comment(18) | TrackBack(0) | エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
風が吹くと桶屋が儲かるって、つながりを正しくいえますか?
この前あるコンサルタントがする説明を聞いてたら思いっきり間違えてました。

難しいんですよね。
言葉には時代背景もあるし。
Posted by bubu at 2004年07月07日 08:13
bubuさん、おはようございます

実は知らないのです。何度か聞いているのに不思議に覚えられません。「わらしべ長者」のほうが覚えやすいし、「風が吹けば・・・」は、途中に「無理があるじゃん!」て繫がりがあったような・・・(*^^)v
まあ、「わらしべ長者」も似たようなモノですが。

「人繫がり」のほうがリアルで不可思議なものかも知れませんね。全く別の場所で、別の時間に生まれて、別の環境で育った人が、偶然を重ねて巡り合うのですから、これ以上の奇跡は無いのかも。その最たるものが「結婚」ですね。

すみません、どんどん脱線してしまって(笑)
いつもコメント、有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2004年07月07日 09:58
「風が吹けば・・・」って噺は、
風が吹く→砂埃が舞う→目の不自由な人が増える→三味線の流し(目の不自由な人の職業No.2)が増える→三味線が売れる→猫が乱獲される→鼠が増える→桶が齧られる
でしたっけ?
なんか抜けてる予感あり・・・
北京でくしゃみをしたら、ニューヨークで風邪が流行る、のと同じカオス理論ですな。
「藁しべ長者」とは若干ニュアンスが異なるような・・・個人的主観ですが。

今、ふと思ったのですが、マスメディアの差別用語敏感化によって古典落語は放送されなくなったのでしょうか?
まぁ私は本題よりもマクラが好きなんですが・・・
Posted by ハリケーン at 2004年07月07日 10:28
ハリケーンさん、こんにちは

さすがにいろんなこと、良くご存知ですね。お世辞抜きで、かなりの営業マンになれると思いますよ。

そういえば、最近はテレビでも、差別用語的表現に「ピー音」が入りますが、過剰反応のような気がしますね。古典落語の世界でも「め○ら」「つ○ぼ」「か○わ」といった言葉は登場するものですが、それがイケナイというんで演じられなかったり、表現を変える、何てコトをするようでは情けない、と思います。明らかに誰かを誹謗するのでなければ、そんなに神経質になることはない、と思うのは、私が健常者だからでしょうか。

それにしても、博学です(*^^)v
Posted by poohpapa at 2004年07月07日 11:11
ハリケーンさん、よくできましたぁぁぁ!

こういうことです。
風が吹くと、昔は未舗装ですから、砂ぼこりが舞います。となると、砂が目に入ってしまう人が何人も出てまいります。昔はいい目薬が安く手に入るわけでもなく、眼病になりやすかったんですね。そうなると、運悪く、目が不自由になる人もいるわけです。
昔は、目が不自由になると、三味線弾きになる人が多かったそうです。そこで、おのずと、三味線の需要が増えます。三味線の需要が増えると、その材料となる猫の皮の需要が増えます。猫ががんがん取られると江戸の町に、猫が少なくなり、鼠の天下となり増えます。増えた鼠は、あちらこちらの桶をかじっちゃいます。桶がかじられて穴があくために、桶屋が儲かる。
とこういうわけです。

桶は棺おけで、風は台風だとか風邪のことだという説を唱える方もいらっしゃるようですが、こちらのほうが正しいようですね。

失礼しました。
Posted by bubu at 2004年07月07日 12:45
おおッ!
poohpapaさんがワルサをしている記事を、久々に(初めて?)具体的に見ましたw

にしても、「人に恩を売る」というのは「売る」のを前提にしているのではなく、
「自然と親切にする」こと。
其れを将に実践しておられてるpoohpapaさんはホンマ素晴らしいですねぇ。
一期一会が巡り廻って利と為る話を齎す。
此れもひとえに人徳の成せる業ですなぁ(*´∇`*)
Posted by tkyk at 2004年07月07日 16:10
tkyk さん、こんにちは

止めとくんなはれや、ああこそば^_^;

まだ、カネを貰った訳ではないから、現状は「獲らぬ狸の・・・」ですけど、話が進んでくれるかどうかは銀行次第てとこですね。これが纏まらなかったら、先生に頼んで、そのまま当社の「破産管財人」になってもらうようです(爆)

ちなみに、先生とは2年前から、先生の引越し時に、当社の2階に眠っている新品同様の照明器具を2個差し上げる約束をしていて、すっかりお忘れだったようですが、今度お届けする話も決めてきました。もちろん、無償です。以前の入居者が残置していったものを保管していたのですが、他にも、アイロン、電子レンジ、オーブントースター、冷蔵庫、など、欲しいと言ってくださるかたに、取りに来てくれるならタダでお渡ししています。これは、相手を見て、ということになります(*^^)v

今は景気悪いから、けっこう喜んでもらっていますよ。
あ、感じ悪いヤツには売りつけて、小遣いにしています。
ね、けっこう「悪徳」でしょ?
Posted by poohpapa at 2004年07月07日 17:16
どんたくです。
この手の話、最近は借金清算の本にはしょっちゅうかかれていますね。
債権がある時に、銀行は担保を債権回収業(サービサー)に売るから、債務者はサービサーと交渉してその担保を銀行から引き取ったときよりちょっと上乗せして払えば、okとか言った事が
書いてありました。

それと、最近外国人留学生の日本語学習のお手伝いをしているんですが、
「老人」という言葉は使わないほうがいいと教わったと、彼女が言っていました。別に老人でいいと思うんですが・・・
するってえとなにかい?「老人ホーム」はダメなのか?
Posted by どんたく at 2004年07月07日 21:46
どんたくさん、こんばんは

やはり、この手の話はよくあるんですか。銀行も公的資金の注入を受けていたりするので、少しでも多く回収できるよう必死なんだとか。だから、現実的な数字で落とし処を探れば結果は分かりきってるようです。

私は、企業であっても単に利益を追求しない、という何とも不思議なポリシーで営業していて、「痩せ我慢」が過ぎていますので、こういう話はとても有り難いです(爆)

「老人」て、ダメなんですか^_^;
「お年寄り」って言わないといけないんですかねえ。私がよく使う「ジジイ」「ババア」「老いぼれ」なんて、以ての外ですね、気をつけよっと(^_-)-☆

おやすみなさい
Posted by poohpapa at 2004年07月07日 22:08
どんたくです。
あるみたいですよ。銀行は回収もさることながら、いつまでも不良債権として持っているのが×らしいです。
あと体力に余裕のない銀行ほどさっさと処分したがるらしいです。逆に余裕があればそれなりの相談にも乗ってくれるらしいです。

ダメらしいです、「老人」は。でもそんなの言葉狩りであり、結局言い回しだけの詭弁でしかないと思いますが。
今使えなくなってきている言葉も含めて美しい日本語だと思いますが。
Posted by どんたく at 2004年07月08日 00:44
どんたくさん、おはようございます

情報、有り難うございます。参考になります、というか、そのお話を伺ったので、ちょっと強気に出られそうです。
というのも、相手の銀行は、実質国有化の「りそ○」ですから(笑)

言葉の問題、無神経なのはいけませんが、あまり拘るのも良くないですよね。
たとえば、「バカ」という言葉も、侮辱して使う場合もあれば、親愛の情を込めて使う場合もあります。この頃、世の中がおかしくなって行ってる実感があります。

わざわざ有り難うございました。
Posted by poohpapa at 2004年07月08日 05:03
よく見抜きましたね、さすがです。
役に立たない知識はタップリ蓄積していますよ、ほとんどオタク。
正確に記憶していることはマレですが・・・
勉強も含めて持っている本に書いてあることは覚えない主義なので、なんて言い訳したりして。

でも、100%営業にはむいていないですね、ヲタクですから。(^^)
中途半端な正義感(?)が邪魔して客に迎合できないので、騙して買わす・・・じゃなくていい気持ちにして買わす的な営業の常套手段に適応できないのですよ。
客が訳分からないこと言ってたら100%ツッコみますね。(笑)
相手を考えずはっきり言ってしまう方なので、上司にもきっと嫌われてるんでしょうね、ちょっと自覚あり・・・(爆)
歳を重ねて婉曲な表現ができるようになったつもりなんですが、なんせウォタクですから。

今の所に赴任した時も、「どうしても直江兼続の兜の前立てと前田慶次の鎧が見たい。」と言って、家内に「なに?だれ?」って不思議がられてました。
でも男にはみょ??なこだわり、ありますよね。
・・・普通はないのかなぁ・・・・オレのまわりだけ?
Posted by ハリケーン at 2004年07月08日 07:53
ハリケーンさん、こんにちは

見抜くも何も、中東問題、宗教、年金問題、などなど、実に薀蓄がおありなので、「博学」でいらっしゃるのは見え見えです(*^^)v

一口に「オタク」と言っても、様々ですから、豊富な知識を生かして「コンサルタント業」など始められたら、と思ってしまいます。かくいう私も、実は営業向きではないようです。だいいち、私もハリケーンさんと同じく、相手が誰であれハッキリものを言う人間ですから。古くは中学の先生からも嫌われていましたよ(爆)

コメント、有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2004年07月08日 12:47
こんばんは。おひさです!

poohpapaさんのケースとはちょっと異なりますが、住宅ローンで跳んじゃいそうな人のお手伝い(=任意売却)は最近多いですね。消え行く公庫の遺産でしょうか?でも、大体は家を買い戻すというよりは、引越し代+αを残すための相談。言ってみればお金を借りといて、返せなくなったから債権者には競売前に高く売れたことにして、いくらかピン跳ねよう作戦です。

僕も悪徳なので、紹介の人だし利益になれば協力はします(笑)でも、そういう人に限っていい加減なんですよね。時間も約束も守らないし。そりゃ仕事も上手くいかないよなーって、思っちゃいます。

会社の保証人って言うのは、かわいそうですね。是非是非協力してあげてください。
Posted by まなん at 2004年07月08日 17:02
まなんさん、こんばんは

情報、有り難うございます。

う??ん、「任意売却客」のお話、何となく納得しがたいものがありますね(苦笑)

いかなる事情があったにせよ、借りたカネは返すのが大原則なんで、本音では辛いものもあります。こちらも商売ですし、銀行は好きではありませんので、そう自分を納得させていますが、どこまで関与、協力していいものやら。

「そういう人に限っていい加減」、というのは実によく分かります。マトモな人なら、少しずつでも懸命に返そうとしますし、約束は守りますモンね。

コメント、嬉しいです。有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2004年07月08日 22:02
ハリケーンさん、こんばんは。直江兼続の前立ては「愛」でしたっけ?

同じく営業に向いてません。今日もお客さんに「もっと営業しなきゃ。どんたくさんは営業しなさすぎ」と言われてしまいました。
僕も親請けの担当者とよく揉めます。そこで折れると自分の仕事にとばっちり受けるからですが。
僕もかなりオタクです。車オタに、戦国オタにミリタリオタに
食べ物オタに・・・・
数えればキリがない・・
Posted by どんたく at 2004年07月08日 22:45
どんたくさん、おはようございます。

そうです、「愛」です。
米沢の上杉神社脇にある上杉博物館に展示されています。
でっかく金メッキの「愛」です。(^^)

元々直江兼続はそんなに好きな武将ではなかったのですが、上杉鷹山の伝記を読んで兼続の農政学的発想に感心しました。
鷹山の改革を成功させたのは兼続だったと言っても過言ではないと思っています。
平成のバカ政治家にも見習って欲しいものです。

脱線ばかりしてすみません。>poohpapaさん
ついでに、ゴキブリは飛ぶより激走するほうが敏捷だそうです。
Posted by ハリケーン at 2004年07月09日 10:22
どんたくさんも、ハリケーンさんも、全然かまいませんよ。

私も勉強させてもらってますから(*^^)v

あ、ゴキブリはたしかに、飛ぶより地上を走る方が俊敏でしょうね(どっちも嫌)
Posted by poohpapa at 2004年07月09日 12:27
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