いや、今もあると思うが、そこに当時、伊藤さんという店長さんがおられて、ある出来事を契機にとても可愛がって頂いた。今でも忘れられない体験である。
私が高校を出てすぐに就職した眼鏡光学器卸の会社で最初にやらされていたのは、首都圏(主に神奈川)の眼鏡時計店への電車を使った配達廻りであった。
毎日午前中までに受けた注文の品を、午後からいつもだいたい決まった順番で届けるのだが、その日は、いつもなら最後に伺うお店から、「どうしても急ぎの品があるので、今日は逆廻りでお願いできないか」、との問い合わせがあった。それで、いつも最初の方に伺っているお店何軒かに電話をして、「とくに急ぎの品が無ければ、今日は逆から廻らせて頂けないか」、と問い合わせすると、ほとんどは快く了解してくれたが、1店だけ「どうしてもうちに先に来い」、と言う店がある。サトウダイヤモンドチェーン川崎駅ビル店であった。「お急ぎの品がおありですか」、と聞くと、「無いけど先に来い」、とのこと。私が、「そのお客様はふだんはそう仰らないので本当にお急ぎなんだと思います。もし、お急ぎでなければ逆廻りを了解してください」、と再度頼んだが、どうしてもダメだと言う。あげくに、「だったら、お前の会社はもう2度と来なくて良い」、とまで言う。それで、「分かりました、2度と行きません」、と答えて、本当に配達に行かなかった。受けた注文の品は自分で配達せずに便利屋という配達に出した。今思えば、別の配達を出してもらえば良かったのだが、当時はまだそんな判断ができるほど大人ではなかった。
一週間ほどして、その店を担当していて常務でもある社長の弟が私のところに来て、「お前、川崎店に配達に行ってない、というのは本当か」、と聞くので、「ハイ、2度と来るなと言われましたから」、と言うと青くなった。サトウダイヤモンドチェーンは数字的には一番の上得意で、1社で会社の売り上げの1割以上を占めているから青くなるのは当然と言えよう。
翌日、常務に連れられて店長にお詫びに伺うことになった。お店に着くと常務は平謝りで、私に、「お前も謝りなさい」、と言う。だが、私は断った。まだ世間知らずで怖いもの知らずでもあったので、「私は間違ったことはしていません。私が間違っていたならお詫びもします。たしかにこちらの会社はうちの一番のお得意さんかも知れませんが、お得意さんかどうかは売り上げだけで決まるものとは思いません。私は謝ることはできません」、と言うと、常務は、「馬鹿野郎!お前、自分が何を言ってるのか分かってんのか!」、と怒った。ところが、意外にも、店長が助け舟を出してくれた。「いや、たしかに○○君は間違ってない。悪かったのは僕の方だよ」、と。これには私も驚いた。
私の首はつながった。それどころか、それ以来無理も言わなくなったし、時にはお茶に誘ってくれるようになった。私が退職する際に挨拶に行くと、とても残念がってくれた。
私がやったことは、若いから許されたことでもあろうし、今ならとてもできない。
サトウダイヤモンドチェーンというお店では、他の支店さんにも随分可愛がって頂いた。
神奈川方面に出掛けて「看板」などを見る度に、「皆さんもう退職なさっているだろうけど、どうしていらっしゃるかな」、と懐かしく思い出す。
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8月10日にフランクフルトですか。
もしお邪魔でなければ、そしてその頃独逸に居れば(ルーマニア出張かもしれない)仕事が終わった後にフランクフルト空港に行けないかなぁと。JALですか?ANAですか?もし時間が合えばビールでも飲みません?
そういうお誘いは喜んで受けさせて頂きます(*^^)v
悪名高い「阪○交通社」のツアー(人数が多く日程がキツイ)で行きますので、到着時間とか、自由な時間が取れそうか、まだ分かりませんが、日程とか航空会社、便名が今月末には決まりますので、いずれにしろ必ずご連絡させて頂きますね。
えりさんがその日、ルーマニア出張でないことを祈ってます。
パンフレットによれば日程では
<東京発??フランクフルト着>
10日 午前又は午後:空路、フランクフルトへ(直行又は乗り継ぎ)
夕刻又は夜:着後、ホテルヘご案内
宿泊 フランクフルト又は近郊
利用航空会社
フィンランド航空 / 全日本空輸 / 日本航空 / エールフランス航空 / スカンジナビア航空 / KLMオランダ航空 / ヴァージン・アトランティック航空 / オーストリア航空 / アリタリア航空 / ルフトハンザ ドイツ航空
になっていて、要するに催行は決定していますが他はまだ何も決まっていません。
遅くとも今月末頃には詳細が決まっていると思います。私個人は、夜遅くの行動も苦にはいたしませんので、えりさんさえご都合がつくようでしたら宜しく願いします。
宿泊先が、えりさんのお近くだと良いのですが・・・。空港では単独行動は取り辛いと思いますので、ホテル到着後に出掛けるほうが可能性としては高いでしょう。
私の連れの彼女が「酒豪でビール好き」なので、現地で、日程に無いビアホールに行けたなら、きっと大喜びします。ミュンヘンにも泊まりますが、どうもビアホールに行く時間は無さそうですし。
空港でちょっとだけしかお会いできないようなら、わざわざお越し頂くのも申し訳ないので、機内持ち込みが可能で「日本からコレ買ってきて」というものがあればお礼(お土産)に持参いたします。スーツケースに入れるものだとお渡しすることが難しいかも知れませんので。
「だったら止めましょう」ではなく、それでも「こんなんでどうでしょう」と言うところが図々しいでしょ?「とにかく絶対に来てくれ!」って言ってるようなものですから(爆)
その場合、国際線到着ロビー出口で「悪徳様」と書いた大きな紙を掲げてお待ち頂けると嬉しいです、いえホント。日本人客の注目を浴びること間違いなしです(^_-)-☆
実は、今回のツアーは添乗員さんも、今年正月のスペインでお世話になった方を指名させて頂きましたので、若干の融通は利きそうなんですよ。帰国後、その方とはTDLも一緒に行ったりしました。もちろん、ツアーでは「客と添乗員」という節度は守りますけど。
blogは、お互いに顔が見えないのが前提、原則だと思いますが、でも、こういうお話はまた別ですね。お会いできたら嬉しいです。
(ですが・・・、あまりに軽薄でガッカリなさいますよ、きっと^_^;)
長々とすみませんでした。
あ、忘れてた^_^;
店長さんがもし本当に陰険な人だったとしたら、私の人生も路線が変わっていたかも知れません。凶悪犯罪に手を染める人も、きっかけは些細なことだったりしますもんね。
私の正義感は中途半端なものですよ、すぐにメッキが剥がれます(爆)
嬉しいコメント、有り難うございました。
「言ってみただけだったのに・・・」なんてこと、ありませんよね(*^^)v