もう15年以上も前のことだが、23歳の可愛いOLさんから援助交際を求められた。
現在女子寮に入っているが独立をしたい、ということで部屋探しに来たのだが・・・、
何軒か物件を見繕って案内することになり、車で出かけた。1軒目を見終えたところで彼女が言う。「私は、原則的に土日が休みなんですが、不動産屋さんて逆に土日はお忙しいですよね。よろしければ、○○さんのお店で土日だけアルバイトで使って頂くことはできないでしょうか?」、と聞く。もちろん、これではまだ「援助交際の求め」ではない。
私が、「経営者は私ではありませんので、一応社長に聞いてみます」、と答えると、「じゃあ、よろしくお願いします」、とのこと。社長に聞けば「○○さんに任せるよ」と言うのは分かっていたので、私は内心、「これから土日が待ち遠しくなるな」、と喜んでいた。
それが表情に出ていたのかも知れない。しばらく車を走らせた所で彼女がまた言う。
「でも・・・、やっぱり止めた方がいいかも知れませんね」
「え、どうして?」 (そ、そんなア・・・)
「だって・・・、分かるでしょ?」
「え?何が・・・」 (トボケるしかない)
「つまり・・・、いつか男と女の関係になってしまいそうで・・・」、と語尾を飲み込む。
したたか、である。私は別にヨダレを垂らしていた訳ではないが、しっかりと腹の中は読まれていた。迂闊にモノを言って、後で「あそこの不動産屋はスケベだよ」、などと噂されても困る。いや、スケベであることは認めるが、そういう形で評判になるのはマズい。下手すれば致命傷になりかねない。だが、私の心臓は既に鷲づかみにされていた。
店を出る前には、いつも通り、どういう順番にどういうセールストークを使って、どの物件で申し込みを貰うのがベストか、しっかり組み立てていたのに、その後はそんなもの吹っ飛んでしまって、「どうやってバイトに来てもらうか」、それしか考えなかった。バイト採用が決まれば「男と女の関係」が待っていることになる。時給に糸目は付けられない。
一旦店に戻り、他の物件を探すことになって、夕方、再び埼玉方面の物件を案内することになった。中央線の「武蔵小金井」駅横の通称「開かずの踏み切り」で通過列車を待っていると、また彼女が口を開く。
「もしも、私が今日、もう寮には帰りたくない、と言ったら、○○さん、どうします?このままどこかに連れて行ってくれますか?」、と。
警報機はカンカン鳴っているが、私の心臓はバクバク鳴っていた。警報機の赤い灯りの点滅は、そのまま私の心臓の鼓動でもあった。完全に小娘のペースにハマっていた。
「焦るなよ!落ち着け、落ち着くんだ!」、私は必死で自分自身に言い聞かせた。
「馬鹿だね、担がれてんだよ、誘いになんか乗ったらエラい目に遭うぞ!」
「男だろ!据え膳喰わぬは男の恥じゃないか!こんなチャンス、2度と無いぞ!」
頭の中で善玉と悪玉が激しく葛藤していた。私の顔を彼女が斜め下から覗き込んだ。
しばらくの沈黙の後、無理に平静を装って私はこう答えた。
「今のお話は聞かなかったことにしましょうね。明日の朝になって貴女が目覚めたら、きっと『つまらない男につまらないことを言ってしまった』、と後悔しますよ」、と。
我ながら上手く紳士を演じられた、と思った・・・が、その後がいけない、私も男である。
「でも、明日になってまだ貴女の気持ちが変わっていなければ、また店に来てください」
なんてこたアない、何とも情け無い話、俄か紳士はすぐにタダの男に成り下がった(爆)
彼女は次の休日はお店に来なかった。私は千載一遇のチャンスを逃した・・・、
と目一杯後悔していると、その次の土曜日、なんと彼女がお店にやってきた。
ドアを開けて私にニコっと微笑みかける。その時、鏡を見なくても私がどんな顔をしていたか良く分かっていた。少なくとも子供には絶対見せられない下品な顔だったであろう。
(つづく)
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続きが楽しみ げへへっ!
以下略...
あの??オ・・・、おちょくってませんか?(爆)
kkさんの期待通りの展開になるかは分かりませんよ(*^^)v
き、気になる・・・この後の展開(オチ?)が。
え??、ご好評のようですので、以降は有料版に移行して公開を(爆)
しかしまあ、こういう話題になると反響の早いこと(*^^)v
私も続きが楽しみです。でもpoohpapaさんの思考から結果を予測すれば何かオチがついて終わりそうですね。裏切り??の無い結果を楽しみに待っています。話は変わりますが北京の10月??11月は「北京の秋」といって空が高く空気が澄んで遠くの山々が見渡せ、とても過ごしやすい時期なんですが、今年はスモッグの日が多く以前の東京の空のようにどんよりとした日が多くなってきました。どこの国も発展途上では仕方の無いことかもしれませんが残念です。
う??ん、オチを読まれているならば、明日の「続編アップ」は見送ろかナ(*^^)v
ところで、北京もスモッグですか・・・。私が訪れたのは10年前の5月で、当時の空は高かったですけどねえ。本当の青空、星空、というのは、もう未開の地でなければ見られないものなんでしょうか。寂しいことですね。
いつもお読み頂き有り難うございます。
私は長く(もう1ヶ月ほど)体調を崩していますが、天安門さんも健康にはくれぐれもお気を付けくださいね。
女子のそういったことに免疫の無い私だったらどうしたでしょう。
最近は出会い系の釣りメールを見ても巧妙で驚くようなものばかりで参ります。
続編お待ちしています。
「さすがは紳士」なんて書かれちゃうと、続編をアップし辛くなるじゃないですか(汗)
本当はひどいモンですよ。
そうだ、今なら間に合うから原稿を手直ししよっと(爆)
仰るように、最近の出会い系の釣りメール、上手いですよね。うっかり乗りそうになってしまいます。気を付けねば・・・。
明日になったら、「なんだよ、こんな結末かよ!」って叱られそうな気がします、フ??。
なんだかドキドキするお話しですねぇ(^^)
明日の楽しみがひとつふえました♪
でも、こういった話をもちかけられるということは、poohpapaさんってとても魅力的なんでしょう。
そうじゃなきゃ、援助交際なんて、誰とでもっていうわけにはいかないと思いますので。男冥利につきますね。
ちょっと違うかもしれませんが、私は行きつけの美容師さんに食事に誘われてドキドキしたとことがあります。
「○○さんって、ステキですねぇ。」とか「私がマッサージするのは、お客さんの中で○○さんだけですよ」とか言われたりして、とてもいい気分になりました。(なんて簡単な人間だ私は!)
後でよぉーく考えたら、とても上手なセールストークってことに気づいたんですが(笑
なんだか自慢話みたいになっていますが、おばかな主婦のおばかな話として読み流してください。
誰にでも言ってるってわかってても、ちょっとしたドキドキを楽しんじゃいました♪うふふ。。。
でもpoohpapaさんのように、直接的な表現で誘われたりしたら、ドキドキどころかバクバクでしょうね(^^;)
明日が楽しみです!
まだ体調がすぐれないということですが、寒くなってきてますので、一日でも早く元気になってください。
いえいえ、魅力なんかありませんよ。そんな話をしたら、さとひろが吹き出します。昔はねえ、そりゃあけっこうモテましたけど、って、すぐ自慢話になる(爆)
このはさんこそ本当に可愛い人なんですね。美容師さんの言ってること、まんざら嘘でもないと思いますよ。だって、誰にでも言っていたなら噂にだってなる訳だし、信用にも傷がつきますモン。
でも、例え仮にお世辞だと分かっていても、誉められて嫌な気分にはなりませんよね。
お食事くらいならお付き合いしてアバンチュールを愉しんでも良かったかな、と思いますが、真面目なんですね。まあ、何かあって行きつけの美容院を失うのも辛いですもんね、仕方ないか・・・(笑)
天気予報が見事に外れて天候不順ですが、このはさんも体調にはお気をつけくださいね。
コメント、有り難うございます。
(この記事で女性からコメント頂けるとは思わなかったです;汗)
poohpapaさんの操が、いったいどうなってしまうのか、期待して明日をお待ちしております(笑)
後編にはボカシが入っておりますので、ご期待に沿えるかどうか・・・(*^^)v