2004年12月03日

謎の老資産家と豊田商事

私がゴルフ会員権の営業時代、そろそろ転職を、と考えていた頃、一人の実業家を紹介された。紹介してくれたのは同僚で、かつてその実業家の下で働いていたことがある、と言う。その会社というのが、社会問題になった「豊田商事」であった。

社長はにこやかに私を迎えてくれて、いろんな話をさせてもらったが、いろいろ考えるところあって、結局お世話になることはなかった。

同僚から聞くところによれば、その社長は豊田商事時代は幹部社員であって、多くの被害者から訴訟も起こされていたが、驚くような内容で示談が成立して刑に服してはいない。その示談内容と社長の現状とを考え合わせると、どうにも納得がいかなかったので、(実際のところは分からないが)温厚な社長ではあったが就職は見合わせた。

で、その示談の内容であるが、「今後、毎月(たったの)1万を返済する」というもので、被害額を考えれば、社長がその先平均寿命まで生きたとしても被害額の数%にしかならないし、被害者のほうが先に他界してしまう可能性が高い。被害者はそれを飲むしかなかったのだろうが、裁判所は社長の資産内容をもっとしっかりチェックすべきだった。

社長は豊田商事を退職後、都内で先物取引の会社を興して、既に相当な利益を上げていた。社長からすれば、月1万の返済なんて、「喉を潤すために缶ジュースを1本飲む」くらいでしかないだろう。騙された方にも責任があるとしても、あまりにバランスを欠いている。何より社長にとっては月1万の支払いで収監を免れるなら安いものであろう。


ところで、この同僚、豊田商事時代に貴重な経験をしている。

千葉の老資産家とアポイントがとれて自宅を訪問することになった。行ってみると凄い門構えの邸宅で、電話で話した時も「是非お話を聞かせてもらいたい」、と好感触だったので、「確実に大口の契約が取れるもの」と大いに期待してチャイムを押したとか。

迎えてくれたのは電話の相手本人で、この屋敷の主でもあった。
広い応接間に通され、丁寧に商品説明を聞き終えると、老人はこう切り出した。

「君ね、世界にある金の総量がどれだけのものか知っているかね。50mのプール2杯分にもならない量なんだよ。君の会社がやっていることは、その総量を遥かに超えた金を、さも自社で所有しているかのごとく装って金集めをしているに過ぎないんだよ。君の会社はすぐ行き詰るし、君も顧客から訴えられて前科が付くかも知れない。君は若いからやり直しが利く。一日も早くそんな会社は辞めてしまいなさい」、と諭されたという。

同僚は、その老人が言っていることが全て正しいと知っていた。知っていたからこそ何も反論できずに逃げるようにお暇してきたとのこと。同僚は、直後に豊田商事を辞めた。

その資産家は、相手が詐欺を仕掛けてきたのを承知で家に招き、営業の話を丁寧に聞いた上で、見事に諭したのである。それにより、同僚は救われることになった。

彼はその後、バッタ屋を経てゴルフ会員権の営業になったが、私なら、その老資産家に土下座してでも側に仕えさせて頂けるよう頼み込んだかも知れない。未だにその老資産家の正体は不明であるが、よほどの大物、大人物であったのだろう。昔は「やくざ」の親分にもこういう人物がいたものだ、と聞いている。

いや待てよ・・・、私も、怖くなって逃げ出していたんだろうな、きっと(爆)
posted by poohpapa at 06:00| Comment(10) | TrackBack(0) | うちの会社、社長、同僚 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
千葉の資産家さんの話、深いですね。

私は証券会社にいました。豊田商事まではいかないかもしれませんが、
庶民のお金を吸い上げるという意味では、いい勝負という位、いい加減な
営業だったんだなーと、会社を離れてみて思います。

特に、バブルの頃なんて、
支店長推奨銘柄を集中して顧客に買わせたりして。
で、その推奨の理由は、
「支店長のカン」・・・賢い営業は辞めていくはずですね(苦笑)。

そうそう、Poohpapaさん、覚えてあるかわかりませんが、
念願のアパートを購入することになりました。
15日に決済の予定です。
賃借ネタ、勉強になっていますので、楽しみにしております。
Posted by 三田 at 2004年12月03日 10:17
三田さん、こんにちは

しっかり覚えていますよ、管理は是非「悪徳」に!(爆)
もし管理会社を換えるなら、あちこちの駅前にチェーン店があるとは思いますが、「ピタットハウス」という会社が業者からも評判がいいですよ。

それにしても、三田さんは良く勉強していらっしゃいますね。
売買に関しては私より良くご存知だと思いますよ。

目標の実現まであと一歩ですね。
何かトラブるようなことがありましたら、どうぞご遠慮なくお声を掛けてくださいね。

ところで、千葉の資産家、格好いいですね、私もそういう年寄りになりたいものです。資産の有無は別として(笑)

コメント、有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2004年12月03日 10:59
 poohpapaさんこんにちわ。
今時なら一々対応していたら365日面接ですね>老資産家 汗
 豊田商事やマルチまがい、そういうのにちょっとでも携わった人間が「働くのが莫迦らしく」なってドンドン被害が増えているんでしょうから。

 個人的には義務教育の中で「消費者教育」こそ入れるべき必要な科目だと思うんですけどね。
 まあ収入以上の支出が何を招くか知ったら、今の日本の状態の事子供にも解ってまずいのでやらないのでしょうけど 滝汗
Posted by やす at 2004年12月03日 11:50
やすさん、こんにちは

そうですね、中学に入ったら、「消費者教育」とか、シミュレーションによる「株式投資」とかも勉強させるといいと思います。他にも、実社会では大人しか許されないけど、どのみち取ることになる資格の勉強とか、介護体験とか、施設でのボランティアとか、(強制でなくても)やらせてみるのもいいでしょうね。

今流行のオレオレ詐欺も金のペーパー商法も、マルチ商法も、似たような犯罪はいつの世にもあるものだから、中学くらいで体験させておくのは非常に有意義だと思います。ですが、それでも引っ掛かる人は引っ掛かるんでしょうけど(笑)

コメント、有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2004年12月03日 14:57
おはようございます。

以前、同僚にこんなバカな詐欺が流行っているんだって
という話をしたときがありました。
<a href="http://www6.big.or.jp/~beyond/akutoku/others/index.html#card">http://www6.big.or.jp/~beyond/akutoku/others/index.html#card</a>

こんなのに引っかかる奴がいるなんてすごいね
って意味で話をしていたのに
その同僚は話の途中から
「マジ?そんな話があるなら紹介してよ」
って・・・・・

どうやら真剣にうまい儲け話だと思ってしまったようで
詐欺だということを説明する以前に絶句してしまいました。

義務教育で教育は必要かもしれません。
でも、効果はあるのかな・・・
アメリカだってそんなことをしていても
詐欺に会う人は山ほどいますし・・・・
やらないよりはマシですが・・・

ところでコラムの件ですが
おそらく件の老人は現役を退いているから
営業の相手をしたのではないかと思います。
直接の利益はないかもしれませんが
私はこの老人のような人に出会うと
友達になりたくなってしまいます。
だって面白いお話をたくさん聞けますから

ところで50mのプール2杯分って
ソロモン王の秘宝分ぐらいじゃないですか。
実際は全然、もっとあるんですけど
多分、その時は雰囲気に圧倒されて何も言えないんでしょうね。

それでは・・・・
Posted by jeyson at 2004年12月04日 09:00
jeysonさん、おはようございます

ご同僚の方、実にユニークな方なんですね(*^^)v

ご紹介のサイト、拝見しました。引っ掛かる人は引っ掛かるものですね。

ところで、金の総量、というのは実際にはどれくらい在るものなんでしょうか。一説に拠れば、現実味はありませんが、地球のコアまで掘り進んだなら、無尽蔵に金が眠っていて採り放題だとか。だから「金は無限にある」と言ってもいいくらい、との説でした。私は、宝飾品としてはプラチナでさえ価値を認めていなくて、金至上主義みたいな価値観なので、無尽蔵にある、と言われるとホッとします(笑)

コメントと情報提供、有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2004年12月04日 09:23
こんにちわ

金の総量は
ものの本によると
2000兆トン
らしいです。

本当のところそれが正しいかどうかは分かりませんが
まぁ、海水にも金は含まれていますし、
量だけはあるといえばあるものなのだと思います。
ただし、精製して使える状態するには
これまた非現実的な世界になるのでしょうが・・・

それでは
Posted by jeyson at 2004年12月04日 13:09
金(Au)のクラーク数(地表10マイルに存在する元素の割合)は、確か5×10^-7%程度。
適当に、地球の直径を13万km、平均密度を3g/cm^3とすると、地表16kmまでの金含有量は10万t程度。
・・・思ったより少ない感じ?
まぁ金はプラチナなんかと違って触媒等の利用はできないので、装飾品だけでしょうから、価格を安定させるためにどこぞの金持ち(イギリス系ユダヤ人でしょうか、やっぱ)が溜め込んでるんじゃないでしょうか。
Posted by ハリケーン at 2004年12月04日 14:41
jeysonさん、こんばんは

金の埋蔵量には諸説ありますが、地球全体(中心まで)ならそれくらい在るのでしょうか。でも、在ったとしても、採りには行けないのが残念ですけど(笑)

数字の上、と言っても、あまり量が多いと希少性は損なわれてしまって有り難味がなくなるのが辛いですね。電子機器の廃棄品から金やプラチナを取るお仕事の人も廃業したりして。

そうだ、思い出したから007の「ゴールドフィンガー」でも観よっと!

コメント、有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2004年12月04日 19:04
ハリケーンさん、こんばんは

専門的な数式は「ちんぷんかんぷん」で分かりませんが、
もし、50mプール2杯分だとすると、
50(全長)×30(幅)×2(深さ)=3000??で、この2倍だから、
およそ6000??になりますよね。水なら6千トンです。金の比重が19倍ですから11万4千トンとなって、ハリケーンさんの説と、謎の老資産家の説「プール2杯分にもならない」、は、ほぼ一致していることになりますね。人間が既に採掘した分と採掘可能な分を合わせてそんなものなんでしょうか。

うちにある金製品、大事にしよ!(*^^)v

コメント、有り難うございます。
Posted by poohpapa at 2004年12月04日 19:17
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