2005年01月26日

トルコの旅 PART3 「アンカラ駅キヨスクの愉快なおじさん」

日本人に友好的だからなのか、特別善人だったのか。
とにかく、最高に気のいいおじさんに出会った。

たまたま、寝台特急を待つ時間に、アンカラ駅構内の小さなキヨスクで、昼間に買いそびれてしまった海泡石でできたパイプを見つけて二つ購入した。ひとつは専用のケース付きで、ひとつは本体のみの品物であった。驚くことに、土産物店の何と十分の一くらいの価格である。値札の「0」がひとつ違うのだ。

ちょっとわけがあって、昼間、高い値段で同じ物を買ったツアー仲間のおばさんに、わざと教えてやって、横目で表情を観察すると、こちらの期待通り、みるみる血の気が引いていくのが分かった。

本体のみのものは、キヨスク店頭では金属製の台に乗っていて、倒れずに飾れるようになっているのだが、金属製の台は売り物ではないらしく、付いてこなかったので、キヨスクに引き返して、「台が欲しい」、と、おじさんに言うと、ジェスチャーで「売れない」とのこと。

さて、ここからが日本では考えられないことの始まり。

がっかりしてその場を立ち去ろうとすると、おじさんが売店のドアをあけて追っかけてきた。手には、例の金属製の台。
トルコ語は分からないが、「いいから持ってけ」と言っているのは分かる。
「ありがとう」と受け取ると、おじさんはすごく満足そうに笑う。

もらいっぱなし、という訳にはいかない。
何かあげるものはないかとバッグの中をあさると、日本のお煎餅とチョコレートが少し。それを手に、もう一度キヨスクに引き返した。
おじさんにあげると喜んで、今度は売り物のガムをくれるという。

お礼を言って受け取り、お客さんが途絶えたところで、「写真を撮らせて欲しい」と言うと、こころよくOKしてくれた。
こちらは、おじさんの写真を撮らせてもらうだけのつもりだったが、おじさんは売店のドアをあけて、「中に入って来い」と言う。

びっくりしたが、ふだんはおじさんひとり入るのがやっと、というくらい狭い売店の中に入って、品物と代金をやり取りする小窓から二人して顔を出して記念写真を撮らせてもらった。
(帰国後に全部の写真を見ても、やはり最高の一枚だった)

そこまでしてもらっては、と思い、もうなんにも無かったか、と、財布の中を見ると、日本人女性タレントの未使用テレカが一枚。それをあげることにした。
おじさんは、もちろん、今度も大喜び。

受け取るとすぐに、今度も売り物の、なんと、トルコ石のブレスレットとチョコレートを持って行け、という。
トルコでは使えないテレカが、トルコ石のブレスレットに化けてしまった。
「え、トルコでは棚卸って無いの? おじさん、大丈夫?」と思ったが、ラッキー、という思いと、おじさんの迫力に負けてしまった。

列車が出る直前にもう一度お礼を言いに行くと、おじさんは急いで名刺に何か書いて渡してくれた。
「写真が出来たら送ってくれ」とでも言っていたのだろうか。
なにせ、こちらは日本語だけ、あちらはトルコ語だけしか話せない。

写真は、もちろん、送るつもりである。日本語の手紙を添えて。



※ 2001年1月23日付け原稿
posted by poohpapa at 06:00| Comment(6) | TrackBack(0) | エピソード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさん、おはようございます。初めての挨拶回り、繊細な神経???の持ち主poohpapaさんのこと、さぞやお気疲れのことだとお察しいたします。でも今日のエピソードを拝見していると私の杞憂に終わりそうですね。初めての土地で初めて出会う人との交流、これぞまさに旅の楽しみですね。私もよく近くの公園へ散歩に行きますが、今はすでに定年退職した老人たちがのんびりと時を過ごしています。中には「日本人」か?と聞き「そうですよ」とと答えると「まあ吸えよ」とおもむろにタバコを1本差し出し世間話を始める人もいます。私も日本製のタバコを1本お返しします。とても喜んでくれます。楽しい時間です。
Posted by 天安門 at 2005年01月26日 09:44
 はじめまして。ちょうどトルコの旅についてのエントリーが始まった頃から読ませてもらっています。今回の話をよんで
<a href="http://www.oikawaneko.com/diary/diary50.html">http://www.oikawaneko.com/diary/diary50.html</a>
のことを思い出しました。そこにはトルコ人は「私が欲しがった物をもし彼らが持っているならば、どんなに大切な物であろうと、あっさりとそれをくれると言うのだ」と書いてありました。彼らは大らかで気持ちの良い人たちなんですね。その分余計に、ご同行の人たちの態度は、読んだだけでも、恥ずかしくなってしまいます。
Posted by 大海原湊 at 2005年01月26日 17:55
poohpapaさま お帰りなさいまし??♪

Cyberです。
とても素敵な旅だったんですね。
キオスクオジサンもきっと「日本人と友達になった」と自慢されている事でしょうね。

でも一つ疑問が、、
オジサンがオジサンって言うのだから結構お年寄りだったんですか?
昔、ウチの税理士さんの事務所での事ですが、管理人のオジサンに税理士さんが「オジサン台車貸して」って言ってましたけど、明らかに言われた方が若い。
という私もオッサンですけど..
オジサンと声掛けして良い(無難)な歳って幾つ位なんですかね。
私が15~6の頃、5歳位の子供にオジサンと言われた時はショックでしたけど。
今となってはニイチャンの方が腹立ちます。
女性はもっと大変なんでしょうけど。
本論から外れました(反省)
Posted by Cyber at 2005年01月26日 18:04
天安門さん、こんばんは

いつも貧乏ツアーですから、予定がぎっしりで、なかなか現地の人との触れ合いの時間が取れませんが、基本的には、言葉など出来なくても積極的に現地の人とお近付きになるよう努めています。とくに、子供やお年寄りですね。そのために必ず持って行くものがありまして、それは「飴」です。私の大好きな「にっき飴」を2袋持参して、折に触れ手渡します。たった一粒の飴でコミュニケーションが図れます。たいていはその場で嘗めてくれて、「美味しい!」という表情に変わります。その瞬間が楽しいものですね。

今回、帰省して、89歳のお婆ちゃんに同じ飴を嘗めてもらいました。「美味しい」と言ってくれたので、さっき荷造りして明日発送します(笑)

いつも気にかけて頂いて有り難うございます。北京の冬も厳しいでしょうから、体調管理にはくれぐれもご留意くださいね。では
Posted by poohpapa at 2005年01月27日 19:30
大海原湊さん、こんばんは

まあナンと言いますか、日本中から身勝手な人間の最たる参加者を掻き集めたようなツアーでした。率直に言って、添乗員にも恵まれませんでしたね。経験不足から、ではなく、元々気が利かないんです。ですから、裏に廻ってこちらがフォローしていました。本人は全く気付いていませんけど(*^^)v

ご紹介のサイト、読ませて頂きました、うんうん、と頷きながら。全て納得がいきますね。損得には無関心で、悪気がないんですね。

コメント、どうも有り難うございました。
Posted by poohpapa at 2005年01月27日 20:13
Cyberさん、こんばんは

私と同じ歳くらいでしたね。ですから、オジサンです(爆)

もし近い将来、再びトルコを訪ねることがあったら、絶対にアンカラ駅には行きたいですね。オジサンの名刺と写真を持って行って、いなかったら「この人知りませんか?」って、家まで連れてってくれるよう頼んでみようかと思っています。
Posted by poohpapa at 2005年01月27日 20:20
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック