トルコが誇る景勝地、パムッカレの石灰棚を訪れた時のこと、素足で石灰棚の温水に入り、上がろうとして足を拭いていると、10歳くらいの少年が寄ってきて、英字のパムッカレの本を、「500万トルコリラ(約450円)、500万トルコリラ」、と売りこむ。
「ノーサンキュー、俺、日本人」と言うと、どこかに飛んでいって、こんどは日本語の本を手に戻ってきて、「ニホンゴ、1000万トルコリラ」と言う。
日本語で、「何で英語の本が500万トルコリラで、日本語のが1000万トルコリラなんだよー」と言うと、すぐに、「500万トルコリラ」と、あっさり値下げ。「いらない、ノーサンキュー」と言うと、こんどは、「300万トルコリラ、300万トルコリラ」と、またしても値下げ。
300万トルコリラなら買ってもいいか、とは思ったが、こうもあっさり値段が下がると買う気も失せて、「いらない、いらない」と断った。
すると、少年は日本語で言った。「ケチ!」
驚いたのはその後だ。
ビックリして振りむくと、少年は捨てゼリフを吐いて立ち去った。
「ビンボーニン!」
遠ざかる少年に、私は後ろから声を掛けた。
「俺が貧乏人だとよく分かったなー!」
きっと、今日も少年は、本を買ってくれない日本人に、
「ケチ!」、「ビンボーニン!」と、言っているに違いない。
※ 2001年1月30日付け原稿 (文中の通貨は当時のレート)
2005年01月27日
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たぶん自分がその場にいて実際そういわれてもたぶん大爆笑します、絶対。面白すぎます。
他にも、土産物を見せて、普通なら「3個千円」とか言うところを、「スズキムネオ」、と言われたリしました。「なんだ、それ???」ですよ(*^^)v
子供は良い言葉も悪い言葉も、すぐ覚えてしまうものですね。
コメント、有り難うございました。
トルコ語は変な言葉が日本語と同じで、それは
「(頭の)てっぺん」と「もうろく(した老人)」
だそうです。なんか親近感もわいてきます。
トルコ建国の父ケマル・パシャという人がアラビア語表記からアルファベット表記に変えたそうで、今の比較的旅行しやすさに繋がっているそうです。地名もなんとなく読めますもんね。そんな先見の明のある人が日本にも欲しいです。
それは知りませんでした。たしかに親近感が湧きますよね(*^^)v
3年前は、トルコのどこを走っていても、作りかけのまま放置されているマンションを見かけまして、不況の嵐とインフレの凄まじさに驚いたものですが、今は回復しているのでしょうか、心配です。
それにしても、子供たちは逞しいものですね。ベトナムでもカンボジアでも感じました。私は子供と老人が好きです。どちらも国の宝ですもんね。
コメント、有り難うございます。
昔、イタリアに行った時に、スペイン広場(だったかな?)のところにある手袋屋(有名らしい)に入ってみました。
すると、お爺さんが「アナタニホンジン?」と聞いてくるので、「そうだよ。」と答えると2階へ案内されました。そこにはたぶん日本人らしいお客が数名…。
片言の日本語のできる女性が私の相手をしてくれました。
色がどうとか形がどうとかいろいろ注文をつけましたが、結局気に入ったものがなく、最後に「ごめんね。やっぱりいいのないや。」っと言って立ち去ろうとした時、その女性が一言「コノニホンジンガッ!」。
一瞬プチっときましたが、どこでそんな言葉覚えたんだろうと思いつつ、ニッコリ微笑み返してあげました。
その女性は間違ったことを言ったのかと思ったらしく、不思議な顔をしていました。
これってこういうシチュエーションでそう言わないと気がすまないからわざわざ覚えたんでしょうね。そういうところから、その人の性格がわかっておもしろいです。
このテの話は、東南アジアを旅行していても良く聞きますね。バスを降りる時から少年少女の土産売りが寄ってきて、「千円、千円」という売るための最低限の言葉に続けて、全く品物とは関係ない「コイズミサン、コイズミサン」などと連呼されます。子供たちは、どうも、「買ってください」とか「これ可愛いでしょ」という言葉だと思い込んでいるフシがあります。
ジョークとして教えたんだと思いますが、知らずに使っている子供たちは可哀想ですよね。ですから私も、「ちょっと待て!」にはならなかったのですが(*^^)v
コメント、有り難うございました。