2012年06月23日

果物売りの少女

昨夕、駅前の銀行まで行く途中、裏通りで少女に声を掛けられた。時間も早いし「辻立ち」でもないわーい(嬉しい顔)

身長が150cmもない我が娘よりさらに小柄で童顔の少女の顔には見覚えがあった。半月前のやはり夕方、大きな段ボール箱を抱えて「宮崎産の完熟マンゴーは如何ですか。立派なマンゴーですよ、4200円です。マンゴーはお好きではないですか?、いい香りでしょ?」と店に売り込みに来た少女である。

その時は私が「う〜ん、マンゴーは大好きだけど、これくらいのマンゴーだと高島屋の地下で1980円で売ってるよ。ちょっと前まで3980円くらいしてたけど、出回ってきてだいぶ安くなったし、もう少し待ってると980円くらいになるんじゃないかな」と少し意地悪な言い方をしたのだが、少女は屈託なく笑って商売を続けた。「そうですよね・・・、でも、今日は3個持って出て、評判が良くて残り1個なんです。奥様へのお土産に如何ですか?」と言う。「とんでもない。そんな贅沢をしたらかえって叱られるよ。うちは普段はメキシコ産の398円のマンゴーで我慢してて、それでも贅沢だと思ってるんだから」と断った。

実は私が少女と思っていた娘さんは24歳であったのだが、なんせ今時の娘さんにしては小柄だったので、店に飛び込んで来た時には「高校生のアルバイトかな」と思っていたくらいである。

娘さんの会社は店を持たずに果物の販売をしていて、従業員の将来の夢を積極的に支援してくれるらしい。娘さんに「将来の夢は何?」と訊くと、「私は画廊を開きたいんです。絵が好きなので・・・」とのこと。現在の自社の事業と関係ない夢であっても支援してくれるらしい。そういう会社(経営者)は少ない。

夢を持っている若者の目は素晴らしい。商売上でもプライベートでもいろんな若者に出会うが、夢を持っている若者の瞳は輝いているし明るい。ニートや、夢も目標もなく生活に追われている若者とはまるで違う。

私は買えないので「もしかすると向かいのDホームの社長なら買ってくれるかも知れないよ。私の名前を出してもかまわないから行ってごらん」と紹介した。行った時には社長は不在で不調に終わったようだが、6時頃になって「先ほどは有り難うございました。最後の1個はフィリピンパブの店長さんが買ってくださったので売り切りました」と挨拶に寄ってくれた。役に立たなかったのに、実に礼儀正しく気持ちがいい。

「お疲れさま。缶コーヒーでも飲む?」と言って冷たい缶コーヒーを出してあげると、「ずっと歩きっぱなしで喉が渇いていたので助かります」と嬉しそうに飲んでくれた。簡単には売れないハズの果物、しかも重たいダンボールを抱えて走り回っているのだからハードである。喉を潤すヒマもないことだろう。

実は、昨日の午後、一度彼女を見かけている。やはり裏通りで行き交う人に果物を勧めている姿を見かけていたのだ。ダンボールを抱えて、一人の通行人に断られると次の通行人のところに走って寄っていく。ほとんど体力勝負で、あれじゃ「何を持ってるか、いくらか」なんてのは関係なく迫力に負けて買ってしまいそうに思う。ま、それも一つの営業スタイル、狙いなんだろう。

昨夕、私のところに飛んできて「宮崎の完熟マンゴーで・・・」と売り込み始めた時には私が先日の不動産屋だとは気づかなかったようだが、私が「売れてる?」と訊くと、「ああ、あの時はコーヒーご馳走さまでした」と思い出してくれた。のだが・・・、直ぐ商売が始まった。「こないだは3150円でしたが今日は安くなっていて2100円です」と言うので、「こないだは4200円だったよ。それにね、高島屋でも今は値下がりしていて1580円になってるし」と言ってやると、「あれ、そうでしたっけ・・・」と笑う。毎日が一生懸命なんだろう。高島屋のマンゴーより立派だから高くはないのだろうが、それでもうちには贅沢だ。

「良かったら帰りに店に寄りなよ。コーヒーくらいなら提供できるから」と言って別れたが、昨日は店に寄らなかったから全部売り切ったのだろう。ただ、もし残っていても買わなかったとは思う。買ってやりたいのはヤマヤマだが、そうすると「売り切らなかったらあそこに行けば何とかしてもらえるかも」と彼女が当てにしてしまうようになるかも知れない。私個人はそれでもいいが彼女の為にはならない。「彼女はそういう人ではない」と思いたいが、人間は弱いもの。買うなら私も大義名分を用意しておかなければならない。


たぶん彼女から果物を買うことはないだろうが、私も、彼女の夢が実現するよう見守っていてあげよう。





posted by poohpapa at 07:21| Comment(8) | 出入りの業者、各種営業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
poohpapaさん、おはようございます。

今回は美人ではなく、小柄で童顔なんですね。しっかり年齢聞いてるし。
そのマンゴーの卸値がいくらかは分からないけど、効率の悪い商売ではないでしょうか?
営業能力のある人ならば、短時間に売り切れば時給換算は良くなるだろうけど...
そして、マンゴーはその女性の買い取りですよね。多分。

我らが希ちゃんに、
「最近仕事が減って生活がきついんです。このマンゴー買って下さい!」
と言われたら、在庫全部買っちゃいますが、普通の人が飛び込みやキャッチで売るのは難しいですよね。
Posted by バラキ at 2012年06月23日 11:20
バラキさん、こんばんは

そっか・・・、買い取り、なんてこともあるんですね・・・。だったらお付き合いしてあげれば良かったかなあ・・・。ま、私が買わなくても売り切ってはいるみたいですが・・・。

この娘さん、そこそこ可愛いんですよ。そこそこ、と言うのは失礼ですが、顔立ちも整ってますし。ただ、どの女性のことも「美人」と書くと、「なんだ、poohpapaは女と見れば誰でもどんなのでも美人だの可愛いだの言うのか」てことになって、信じてもらえなくなるんで今回は言わなかっただけであります(*^^)v

先日お会いした司法書士さんも本当におキレイでしたしね。そのうち「美しすぎる司法書士」なんてマスコミで取り上げられるんじゃないかと思ってますが♪

そうそう、希ちゃんが売り子さんなら何でも買っちゃうでしょうね、借金してでも(爆)
Posted by poohpapa at 2012年06月23日 22:56
買わなかったと言う事は…
わかります。わかります。(^ ^)
Posted by けろけろ at 2012年06月24日 05:57
けろけろさん、おはようございます

いえね、いつもいつも、女性を「美しいかどうか」だけで判断していたり対応を使い分けたりはしないのですよ。て言うか、常に下心があるとは限らないのです。下心・・・、たまに、です(おいおい^_^;)
Posted by poohpapa at 2012年06月24日 06:40
その手の商売、最近時々出ますね。ただ、夢をかなえるために時間を自由に使いたいって若者を使ってって感じであまり好きじゃない・・・と思ったらその手の商売で有名だった豆腐屋がいつの間にかつぶれてた。
Posted by どんたく at 2012年06月24日 16:25
どんたくさん、こんにちは

3日ほど前、「どんたくさん、どうしてるかな・・・」と漠然と考えてました。呼び込んだみたい(^^♪

どこまで企業が「従業員の夢」の支援をしてくれるものか、私にもよく解かりませんが、万に一つでも「それを餌に安い賃金で酷使している」なんてことがないよう願いたいものですね。

ところで、その豆腐屋さんて、野◎屋さんでしょうか?

つい最近も立川や近郊の町でリヤカーを押して豆腐を売っている若者を見かけましたけど・・・、そうだとしたら気の毒で身につまされますね。潰れた企業が、でなく若者たちが、ですが。

Posted by poohpapa at 2012年06月24日 17:26
そうそう、その豆腐屋です。
Posted by どんたく at 2012年06月26日 00:13
おはようございます

そうですか・・・、ネットで調べてみたら若者たちは酷い労働条件の下で頑張っていたんですね。売れ残った豆腐は買い取りさせられていた、というのですから、それが分かっていたなら購入したのですが。

もしかすると、果物売りの娘さんの会社も、似たような条件で働かせているのかも知れませんね。今度街で会ったら訊いてみよ・・・、って、もしそうだとしても買ってあげられないなら単に「余計なお世話」でしかないから、むしろ黙っているほうがいいのかも知れませんが・・・。

目の前に餌を吊るして「まだ世間を知らない若者たち」を騙していたなら本当に酷いですね。従業員から自殺者が出なかったことだけが不幸中の幸いですね。

もっとも、男はみんな結婚前に多かれ少なかれ「甘い餌」で女を騙しているのですから人のことは言えませんが^_^;
Posted by poohpapa at 2012年06月26日 06:03
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