2013年04月03日

ケチをつけるワケではないけど・・・

長島茂雄氏と松井秀喜氏に国民栄誉賞が授与されるという話・・・、

私は巨人軍が大嫌いで、筋金入りのアンチ巨人である。だが、個人として見れば好きな選手は何人かいる。松井秀喜もそうであった。あれほど謙虚なスポーツ選手はいない。最高の人格者だとも思う。それでも、なぜ長島氏と同時に松井に国民栄誉賞を授与するのか、が解からない。いや、正確に言えば、本当は解かっているが納得していない、ということだ。

長島氏の受賞は遅すぎたくらいで、アンチ巨人の私でも「もっと早くても良かったのに」と思う。残念なことに、受賞させる大義名分が立たずに悉くタイミングを逸していたからなんだろう。長島氏に授与させる為に松井は当て馬に使われたように思う。松井以上の成績を残している選手は他に何人もいるのだし、おそらく松井自身もそのことはよく解かっていると思う。「自分が辞退したら長島さんが受けにくくなる」とも・・・。もっとも、長島氏はそんなことに関係なく「いわゆる一つのサプライズですね」と喜んで受けるだろうけど。

だから松井に「辞退しろ」と言っているのではない。こういう選定をした政府に対して疑問を呈しているのだ。失礼だが、「プロ野球の発展に功績を遺した」という受賞理由なら、長島氏と松井では雲泥の差がある。成績や貢献度から言えば、実質的に日本人選手の大リーグ挑戦の足懸かりを作って、大リーグのア・ナ両リーグでノーヒットノーランを達成した野茂英雄に与えられないのが不思議なくらいである。


調べてみたら、辞退した人や親族が何人かいた。(以下は他記事より引用)

01年小泉首相は、シアトル・マリナーズのイチロー外野手がメジャーリーグで首位打者、盗塁王のタイトルを獲得する活躍をしたことから、国民栄誉賞を贈る方向で検討を行ったが、イチロー選手がこれを辞退。

さらに、04年10月8日までに大リーグの最多安打記録262本を更新したマリナーズのイチロー外野手(30)に対し、首相官邸が国民栄誉賞の授賞を検討していたが、イチロー選手側が「今の段階で国家から表彰を受けると、モチベーション(動機づけ)が低下する」とこれを辞退。

そのほか、プロ野球選手の福本豊が、83年6月に当時の世界記録となる通算939盗塁を達成したとき、当時の中曽根康弘首相から授与を打診されたが、「そんなんもろたら立ちションもでけへんようになる」(本人談)と固辞(大阪府知事の賞詞は受賞)。

 また作曲家の古関裕而に対する授与が没後の89年に内定していたが、親族が辞退。


                                      (引用ここまで)

それぞれにいろんな思惑があるだろうが、福本氏の辞退理由が関西人らしくて面白い。まあ、賞は辞退しても打診があっただけで受賞したと同じこと。受けたかどうかでなく選ばれたことが重要なんだから。

過去の受賞者を見ても、それぞれの分野で偉大な功績を遺した人ばかりだから、もちろん、文句をつけたり、先に述べたように「松井に辞退を迫る」つもりもない。むしろ松井には(ある意味)同情しているくらいである。だが、私はどうにも素直に祝福できないでいる・・・。

先日書いた「毎年のノーベル平和賞」ほどではないが、それにしても違和感が残る。叙勲や顕彰などは本人存命中に授与するのが基本で是非そうすべきなんだろうけど、長島氏の場合は、大義名分が立つタイミングが無ければ(家族に内密に伝えた上で)いっそ没後でも良かったんじゃないか、とも思うのだが・・・。


posted by poohpapa at 06:04| Comment(8) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そうなんですよ。
これは、きわめて定義が曖昧な「国民栄誉賞」自身に責任がある。
だからちゃんと付則をつけて明確化すべきなんです。

「国民栄誉賞もらっても、場合によっては立ちションを許す」というふうに……
Posted by ピーちゃんの身元引受人 at 2013年04月03日 06:53
たなぼたさん、おはようございます

まあノーベル平和賞ほどではないにしても、「え?、なんで??」と思うこともありますね。偉大な功績を遺していても「国民栄誉賞」に相応しいかどうか、で疑問を持つこともあったりして・・・。

一つには、「国民栄誉賞」というネーミングも良くないですね。それは最初から思ってました。

<<「国民栄誉賞もらっても、場合によっては立ちションを許す」というふうに……

福本氏は今頃、堂々と大阪の街や道頓堀あたりで立ちションしてるかも知れませんね(*^^)v

ところで、たなぼたさん、「振り込め詐欺」の新名称、応募しましたか〜?

たなぼたさんなら「ピッタリの名前」、考えてくれそうに思っていますので、ほんと。
Posted by poohpapa at 2013年04月03日 07:08
おはようございます。

受賞者はそれぞれ立派な人たちだと思いますが、
賞そのものに関しては、
首相の人気稼ぎの道具に使われていると感じています。

もともとは、王貞治選手が世界記録を達成したときに
それを表彰するために作られた賞ということですから、
(すっかり忘れていました)
現役で何かをやり遂げ、前人未到の大記録を作った人に授与すると考えれば、
分野によっては受賞者の年齢が若くてもおかしくないと思います。

そういう意味では、王と比べると、
長島は、現役時代にこういった賞の創設を検討するには
値しなかった選手ともいえます。
受賞理由が長年に渡り、プロ野球を盛り上げてきたスターと考えれば、
別に遅くはないと思います。

賞の趣旨が年を経て変わってしまった感じがしますね。

創設時の状況を考えると、
poohpapaさんのおっしゃるように、名前がまずいと思いますが、
こういう名前にしてしまったのですから、
国民がその人を日本人として誇らしいと思う人なら、
年や業績だけを問題にするのではなく、
受賞できてもいいかと思います。
Posted by hortensia at 2013年04月03日 08:53
一番最初にネットで見たときは、4月1日だったので、エイプリルフールかと思ってしまいました。
読んでみてビックリでした。長嶋茂雄終身名誉監督は、あらまだもらってなかったの?という感じでした。
しかし、松井秀喜氏は、なんで?????ってですね。
本当に値する人は、まだ一杯いるとおもいますが。
松井秀喜氏は、これから引退した後のプロ野球界での活躍次第かと思うのですが。
また、話題作りに利用されたのでしょう。




Posted by たか at 2013年04月03日 09:00
hortensiaさん、あらためて、おはようございます

長島氏は、記録的には王貞治氏の後塵を拝していましたが、王氏と並んで日本プロ野球界を牽引してきた実績があります。それは巨人ファン、長島シンパでなくても認めるところでしょう。

私は以前から、王氏にだけ国民栄誉賞を授与して長島氏に授与させないのは、漫才コンクールで「ボケ」だけを優勝させるようなもの、と思っていました。なので時間の問題だったのでしょうが、「これをクリアしたら」という場面で悉く躓いてしまって、なかなか良いタイミングが無かったんですね。それも実力のうちなのか運が無いのか・・・、いえ、運には誰より恵まれていたと思いますが。

私なんかはそれより、毎年「理想の上司」アンケートで1位になったり上位にランクされることが不思議でして、社会人としては長島氏は使いものになりません。プロ野球あってこその長島茂雄なんですね。そういうのが解からない人って多いんだなあ・・・、と呆れております。少なくとも、長島氏が営業責任者なら業績は上がりません。部下は楽、ということだけですね。甘いんですよ、みんな。

ま、それはともかく、そうであっても長島氏と松井では功績には大きな開きがあります。真面目な正確の松井からすれば、内面で苦しむのではないか、と心配をしています。

「国民栄誉賞」・・・、「振り込め詐欺」みたいに新名称を募集すればいいのに、と思います。とても名誉で大きな賞なんですが、名前が安っぽくて残念ですね。
Posted by poohpapa at 2013年04月03日 09:30
たかさん、ふたたび、おはようございます

発表は4月1日でしたか、それでは冗談かと思ってしまいますよね。これが長島氏だけなら分かりますが。松井は「まだ早いのでは」と思います。比較してはいけないんでしょうけど、プロ野球界に貢献したというなら野村克也氏のほうが遥かに上でしょう。またそういう理由でなら、国民栄誉賞でなくコミッショナー表彰でよくなってしまうかも知れませんね。

ま、安倍さんは支持率も絶好調なので、こんなことで人気取りする必要はないんでしょうけど・・・。
Posted by poohpapa at 2013年04月03日 09:36
見ているだけでしたが、コメントさせてください。

他の方が言うように、王さんのために作られたのがこの賞です。
叙勲を受ければ済む話がこうなったのは王さんが日本人ではなかったからだと思います。

私の勝手な勘ぐりですが、某会長が横やりを入れたと推察します。
Posted by 通りすがりの無職 at 2013年04月04日 09:36
通りすがりの無職さん、こんばんは、初めまして

すみません、返信の順番が前後してしまいました^_^;

国民栄誉賞が創設された経緯は聞いていましたが、日本の勲章は外国人でも受けられるくらいですから、台湾出身の王氏でも叙勲可能だったのでは、と思いますね。スポーツの功労者に勲章は相応しくないのでは、という考えから、とも聞いております。

過去の受賞者はそれぞれに立派な功績を遺された方ばかりで何の文句もありませんが、それでも「この人が受賞するならどうしてこの人が漏れるのか」と思うことは多々ありますね。今回は、ノムさんです。

今後とも宜しくお願いします。
Posted by poohpapa at 2013年04月04日 20:21
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