2013年06月04日

人生の悪行と善行の帳尻あわせを目論んでいたのだが・・・

当社の管理物件にご入居頂いていて、私とは20年以上のお付き合いになるご家族がいらっしゃる。お子さんも、上から、男、男、女、で私の子供たちと同じ。末娘のMちゃんはこのブログにも何度か登場して頂いている。幼稚園の頃から、アパートの更新契約にお母さんといつも一緒に来てくれていた。うちと違うのは、お子さんたちがみんな親思いでいらっしゃるということで・・・たらーっ(汗)

今回、更新契約にMちゃんだけで来た。Mちゃんのご家庭の事情については詳しくは書かないが、一つだけ、お父さんはいない。いや、いるのだが、家にはいない、ということ。実は、お母さんはここ数年、大病を患っていらっしゃって、かなり重篤なご様子。Mちゃんがバイトの側らお母さんの身の回りの世話をしている。それは女同士だから当然であろう。お母さんも何かと話しやすいだろうし。

お母さんはまだ寝たきりという状態ではないので、「お母さん、家族旅行したいとか思ってないかなあ」、と訊くと、「海外は無理だと思うけど、温泉くらいなら行けるかも知れません」とのこと。

夕方、家に帰ってうちのに事情を話し、「Mちゃんのお母さんが希望すれば、ご家族(4人)を2泊3日で温泉に連れて行ってあげたいと思うんだけど、いいかなあ?」と訊くと、うちのは二つ返事でOKしてくれた。連れて行くということは費用はうちが負担する、ということで、言うまでも無く我が家も楽な暮らしをしているワケではないが、それくらいなら何とかなるし、Mちゃんのお母さんへの恩返しがしたいのだ。

今から10年ほど前、実は、私は前妻と別居していて既にうちのと暮らし始めていたが、Mちゃんとお母さんが更新契約に来てくれた際に包み隠さず話したら、帰りがけにお母さんから一言、こう言われた。



「奥様を大切にしてあげてね」、と。

当時、私の気持ちは既に冷え切っていて、もう「そういう気」は全く無かったが、お母さんの言葉も、その言葉が出た状況も、今でもよく覚えている。ドアを開けて出て行く際に、言い残したことがあるかのように振り返って仰ったのだ。同じ苦労をしていたお母さんの「心から出た言葉」だと思う。その言葉を生かせず離婚してしまったが、そんなふうに心から優しく叱ってくれたお母さんには本当に感謝している。

お母さんが気に掛けてくださったのとは逆の結果になったが、いつか恩返しをしたい、と思った。善人ぶるつもりはない。今まで生きてきて私がしてきた悪行と善行の帳尻あわせの一環、というだけの話である。

更新契約の翌日、Mちゃんに連絡して「もし良かったら、ご家族4人と私とで2泊3日で温泉にでも行かないかなあ。(車椅子を載せるだろうから)ワゴン車を借りたりする費用は心配しなくていいよ」と伝えた。本当は全ての費用を私のほうで出すつもりでいるが、そこまで言ってしまうと遠慮されてしまうだろうから、とりあえずそう言ってみたのだが・・・、

翌日、Mちゃんから電話を頂いて「皆で相談しましたが、今は無理ですね。先に行ってそういう気持ちになったら真っ先に電話しますね」とのこと。先に行けば行くほど実現は難しくなるだろうけど、相手のあることだから、Mちゃんのご家族が何を一番希望しているかを最優先で考えなくてはならないものだろう。

私が温泉に誘ったのは、私も、お袋が亡くなる前、(寝たきりになっていた親父は参加できなかったが)兄弟6人とお袋とで生涯最初で最後の家族旅行をして、最高の思い出になっているから、ということもあったのだが、Mちゃんのお母さんにとって今大切なのは「先ず治療に専念すること」だから、まあ仕方ない。

お母さんが元気になって、私が役に立つ日が来ないほうがいいに決まっているが、連絡を頂いたならいつでもお役に立ちたいと思う。世の中に、そういう「不動産屋と入居者の関係」があってもいいものだろうし。


posted by poohpapa at 07:22| Comment(4) | お客さん(入居者) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私の父も完治の見込みがない癌に罹っていて、動ける今の内に温泉でもと思って声をかけましたが、断られてしまいました。旅先で何かあったらどうしようと不安があったようです。

私が子供のときに旅行に連れて行ってもらった記憶があまり無く、最後の思い出つくりと言う気持ちもありましたが、これは健康な側の一方的な想いでしかなかったのかもしれませんね。何か他の形で感謝を伝えたいものです。

パパさんのように、普段から感謝の気持ちをきちんと(行動で)伝えられるようになりたいものですね。せめて母に対しては、後悔しない様に(病気になる前に)どこか連れて行ってあげたいと思います。
Posted by けろけろ at 2013年06月04日 08:48
前の記事に対していただいたコメントの返信は明日以降にさせて頂きますので順番が前後しますが、

けろけろさん、おはようございます。

恩義、というのはカネやモノを頂いたり何かの便宜を図ってもらったり、ということばかりではありませんよね。自分が苦しんでいたり悩んでいる時に、まさに「救い」となるような言葉をかけてくださったり、見守っていてくれているのが分かったり、そういうことでも感じる時があります。

このお母さんはとても苦労をしていて、それがちゃんと身に付いている方でもあります。以前は「更新に来るのが遅れたから」と金一封を無理やり置いていったことがあります。気にして頂くほどのことではありませんでしたので次の更新の際にお返しさせて頂きましたが、周りをとても気遣う方です。

お子さんも皆さん立派に育っていらっしゃいます。横道に逸れた子がいたなら私も役に立ちたいとは思わなかったかも知れません。Mちゃんなんて、うちの(罰当たりな)娘より可愛いくらいです^_^;

治療が一区切り付いたら改めてお誘いしてみようと思います。もちろん、善意の押し付けにならないように気を付けて。

けろけろさんも、お母様がご健在なうちに是非どこかに連れて行って差し上げてください。この歳で思うこと、それは、「孝行を したい時には 親は無し」、ですね。

Posted by poohpapa at 2013年06月04日 09:10
うちの両親(特に母)と私の兄である長男のお嫁さん(というよりその実家ぐるみ)の折り合いが悪く、兄とは絶縁状態でした。
私が遅くに結婚した時に色々あって、父が仲立ちになり兄一家と母親の関係修復を図るため、両親と兄一家(当時中学生の娘1人)、姉一家(当時幼稚園の娘1人)と私たち夫婦の10人で、両親主催でハワイ旅行を計画して、母も随分楽しみにしていたのですが、準備が終わって行く直前に父が入院してお流れになりました。
ほんの1〜2週間早ければ行けたんですけどね。
そのまま退院することなく間もなく父が他界したので、葬儀だなんだで結局旅行に行くこともなく、最後の親孝行に間に合いませんでした。
タイミングは大事ですね。

この旅行費用は全額父が負担する、という父の関係修復計画だったので、「どこにそんな金があるんだ?」(兄…兄嫁?)ということで葬儀中にも関わらず「母と姉」vs「兄」で揉めてましたけどね。
兄嫁は来なかったので、私は一度も会ってません。
結婚式にも呼ばれなかったし。
検察側(母)からだけの証言で、そんな向こうの一族も言うほど酷いことはないだろう、とずっと思ってましたが、どうやら有罪確定のようでした。(笑

タイミングが大事、ってことです。
Posted by ハリケーン at 2013年06月05日 10:54
ハリケーンさん、おはようございます

壮絶な体験をなさってますね、ほんと。読んでいて、私の前妻の家族のことを思い出していました。

葬儀に来ない、結婚式に呼ばない、それだけで充分に本音が判るワケで、有罪確定だと思いますね。と言うか、来なかったり呼ばなかったりした後のことは考えないものでしょうかねえ・・・。失礼ながら、そんな家族の中で育ったけど(お兄さんの)お嫁さんだけはいい人、なんてことはありませんよね。

お会いしたことがないのでこんなことを言ってはナンですが、そのお嫁さんが聡明な人なら、双方の親族や夫との間に入って上手く立ち回って調整するものでしょう。今も絶縁状態というなら、そういう働きはしていない、ということになりますね。てことは、聡明でもなく人柄も良くないお嫁さん、と言えるかと・・・。

私の前妻の妹夫婦たちも、自分のことしか考えてなかったので、よく解かります。

ハワイ旅行の件は残念でしたね。私も、家族旅行を提案するなら親父が寝たきりになる前にすれば良かったな、と後悔しています。母親しか連れて行けなかったので・・・。

いろんな事情があるものでしょうから「親切の押し売り」をするワケにもいきませんが、もしMちゃんのご家族が経済的な理由で辞退しているなら、何としてでも連れて行ってあげたい、と思います。

と言うか、お父さん(ご主人)が気遣うべきことではありますが。

ほんと、タイミングは重要ですね(しみじみ)
Posted by poohpapa at 2013年06月06日 07:00
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